素浪人ばなし(月影の巻一)

見れぬなら、読んでみよう「素浪人シリーズ」のあらすじ。
月影の巻一・ / 花山の巻 / 天下の巻 / いただきの巻 
みなさまの記憶に頼るという、管理人お得意のパターンで行く予定です。
こんな話があった、このへんだけ覚えてる、ここ違うかも、何でも結構です、
多少の間違い、不安は物ともせず、掲示板に書き込んでくださいませ。
ちょっとだけご注意:引用文の場合は、著作権の関係から、全文書かないでね。部分引用はOK。
みなさまご自身の言葉で語る場合は、何でもOKです。
Merci beaucoup!
キャスト表について、お名前の後の(NC)は、ノンクレジットで出演者として紹介されてない俳優さんです。
出演時間や役によっては、100%の確認が出来てない場合もありますので、ご了承下さいませ。
福本清三さんについては、のりりんさまに、ご協力いただいております。 

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各お話に出てきたが、タイトル横に貼り付けてあります。(相談屋さまのご提案)


オープニング
(第一シリーズ)

石の多い川辺、兵庫が5〜6人の役人に取り囲まれている。襲いかかる1人、2人・・力強く斬っていく。
最後の一人と、人一人通れる橋の上で剣を交える。上段霞斬り!(効果音についてお話あり)斬られた役人が川に落ちる。刀をさやに収める。空を見上げる。
「素浪人 月影兵庫」のタイトル。 主題歌「浪人ひとり旅」がかかる。
「原作 南條範夫」雪をかぶった山の風景、その麓から開けた画面手前に歩いてくる兵庫。晴れ晴れとした顔。
「主題歌・・・」の紹介。バックに川と奥に山。
スタッフの紹介のあと、「出演者」の紹介。「近衛十四郎」バックは山。
土砂降りの中、宿場町を、笠を片手に合羽を着て、袴を上げ目に、急ぎ足でこちらへやってくる兵庫。「よくふるなぁ」という表情。
開けた山道を向こうへ行く兵庫の遠景。正面からアップになる。(じゅうよっつ)
ロケ地:(上の2行まで)京都の人はたぶんご存じでしょうけど、岩場があって谷川があって丸木橋のあるあのシーンは、京都市右京区清滝の通称「落合」という場所で保津川下りで有名な保津川へ入り込む支流の谷川です。保津川まではもう目と鼻の先で合流しますので、谷と落ち合う、出会うというのでそういう地名がついたようです。近辺は必殺シリーズやそのほか赤影でも使用されています。現代サスペンスでも時々写ります。(京さま 2003年11月13日)
(上の4行目)浅間山。(上の5行目)「主題歌」のバックで出てくる川と山が上高地の梓川と焼岳です。(上の6行目)次に出てくる山は穂高岳。
(上の4行目、8行目)直後にこのちゃんが映るときには場所が京都近郊に切り替わっているので、吹き替えだったと思われます。本編中で浅間山麓や上高地を歩いている二人を見た記憶もないので、わざわざ誰だかハッキリしないシーンを撮影するためだけに現地を訪れるわけないというのも、全て吹き替えと推測した理由の一つです。確かな情報があってのものでないことをお詫びいたします。鯉太郎さまのカキコより 2007年3月15〜18日
小さな林道歩き後ろ姿、福本清三さんじゃないかと思っていたのですが、どうでしょうか?なんか体型と歩き方が似ているので。(鯉太郎さま 2007年6月1日)
このちゃんの右川の中、後ろ向きにこのちゃんが斬りながらくるところの斬られる三人目はたぶん福本清三さんです。(のりりんさま 2007年6月8日)
刀の効果音:斬ったときの効果音ですが、長い間「ババッ」と「ドバッ」の2種類だけだと思い込んでいたのですが、別の音が 2種類あることに気付きました。「バシャッ」という短い音と、「ビュッ」という空を切ったような音です。第1シーズンのオープニングで、最後の一人を橋の 上で斬るときの音と言えばお分かりでしょうか。(キンちゃんさま 2007年8月27日)

オープニング(第二シリーズ)
第2シリーズはご承知のようにオープニング、エンディング、そしてCM後のアイキャッチャーが、それぞれ二通りあります。現在オンエア(前期)されてるのは、オープニング=神社の境内、エンディング=静止画像4種、アイキャッチャー=兵庫のカメラ目線画像回転登場、であります。これが 後期(第44話〜)は、オープニング=夜の宿場町、エンディング=静止画像4種、アイキャッチャー=半次のベロベロバーが180度上下に半回転して兵庫の八双構えになる(このスタイルは後に「大吉」に引き継がれる)、というものです。たしか、(第43話の)エンディングまで前期のもので見ていて、さて、CMも終わり次は予告編だ、という段になって、ここで初めて後期のアイキャッチャーが登場したのです。「あれ?アイキャッチャーが替わった」と思っていたら、次の回から新しいオープニングで始まったというわけです。(キンちゃんさま 2007年8月25日)

(一つめ)
境内。5〜6人の浪人達に囲まれている兵庫。ものすごい速さで斬っていく。鎖鎌が兵庫の刀に絡む。しばらく力の勝負。
不意をつき前にでて鎖がとけたと同時に、上段霞斬りで相手を斬る。「素浪人 月影兵庫」のタイトル。主題歌始まる。
刀をさやに収める。カメラが上方に向かい、バックの五重塔が映る。境内の石道を歩く兵庫「近衛十四郎」、同じく歩く半次「品川隆二」
二人が一緒に(まじめな顔で)歩き、階段を上る所で画面がネガになり、止まる。ポジに戻り、二人、階段をのぼる。
カメラは、二人の先を映す。そこには、カメラと監督(?)。
(これ↓も同じやつですが、花山小吉さまの詳しいご説明’2002年10月29日)
歩く兵庫の背中のアップからこちらに振り返ると同時にカメラが引くと周りは十人ほどの侍が。
それを例によって華麗な立ち回りにより7〜8人た斬ったところで鎖ガマに刀をかけられる。何呼吸かの引き合いの後、相手を斬ると鎖ガマが宙を舞った。その相手を再度斬ったところで「素浪人月影兵庫」のタイトル。北島三郎「あ〜おい風が〜♪」が始まる。兵庫が刀を納め歩き始める。
カメラはそれを追わず上へバンすると五重の塔の静止画像となり「原作 南条範夫」「脚本 結束信二」「出演」。歩く兵庫の映像となり、アップから少し引いて静止画となると、「月影兵庫 近衛十四郎」。三度笠を持って歩く判事の映像となり、静止画となって「焼津の半次 品川隆二」このあたりで歌は「♪うわさたずねて♪」。その静止画が動き始め、先をいく兵庫に追いつこうと小走りになる。先に石段を登っていた兵庫に続いて半次が石段を登りかけたところで、ネガの静止画となり、その他の出演者。「♪浪人独り♪」のあたりで「ナレーター 牟田悌三」とでて、ネガは再びポジとなり動画に戻る。カメラは先をいく兵庫を追い越すと、そこに映るのは何と撮影スタッフ。真横からカメラが映り、それがアップとなって「監督 佐々木康」と字幕がでました。
(疑問 from中村半次郎さま2007年6月6日→)鎖鎌の倒される武士は、顔が全然見えないのでどなたかわかりませんが、なんとなく西田良さんかなと思うのですが・・。
なるほど、頬の部分がダンゴ状に盛り上がっているところなど、彼であることが濃厚ですね。ただ、私としては、わが和歌山が生んだ名わき役、岩尾正隆氏ではないかな、とも10パーセントくらい思っています。(キンちゃんさま2010年8月18日)
最後の一人、鎖がまの男を斬る場面。斬る直前は右手にカマを持っていたはずなのに、くさりを空中に跳ね上げた次のカットでは左手に持っています。(キンちゃんさま 2007年8月27日)

オープニング(第二シリーズ二つめ)
夜の宿場町で十人くらいをバッタバッタと斬っていくというアレです。カメラを上方に固定して見下ろす格好で撮影したちょっと異色の構図と思いますよ。
夜の宿場町ー緊張感漂うBGMをバックに、右側から斬りかかってきた浪人の胴を払う兵庫。続いて左側の男を斬り、返す刀でまた一人。
カメラ、引きながら次第に上方へ移動(クレーン撮影)全体を見下ろすような構図となる。さらに四人目、五人目と無類の強さでなぎ倒していく。
後ろから斬りかかる最後の一人の腕をムンズと掴み、前に引きずり出した兵庫、そのまま袈裟懸けにバッサリ。悶絶しながら倒れていく浪人。
と、前方より、新たなる浪人どもが十人ほど、抜き身でこちらに近づいてくるのが見える。兵庫はカメラに依然として背を向けたまま、右手に剣を構え、左手は拳をつくってグッと突き出し、おなじみの極めつけポーズ。そこへ、ジャーンと「素浪人月影兵庫」のタイトル。
続いて北島三郎の歌う主題歌「浪人独り旅」が流れてくる。浪人ども次々と襲いかかり、第2ラウンド。それをバックに、「原作南條範夫」
「脚本森田新」「出演」の順でクレジットタイトルが出る。その間に兵庫はもう5、6人斬っている。驚くべきことに、ここまでの映像がなんとワンカット!
で、次に初めて2カット目になり(カメラは通常の目の高さになっている)首領格の男を斬った後姿からこちらを振り向いたところでストップモーションになり「月影兵庫 近衛十四郎」と出る。
さて、その次、画面は変わって、どこかの家の裏口あたりの塀でなにやらノゾキまがいの不審な行動をとる焼津の半次、鼻の下をのばした顔がズームでアップになり、ストップ。「焼津の半次品川隆二」と出る。続いて今度はどこかの川。兵庫と半次の二人が船頭のあやつる小舟に乗ってのんびり川くだりをしている。兵庫はどっかと腰を落着けているが、半次は川面をのぞきこんだりして、そわそわした様子。それをバックに他の出演者のクレジットが出る。最後はその回の監督の名前が出る・・・・・(キンちゃんさま 2003年2月24日、25日)
夜の宿場町で十人位斬ったあと、カメラは兵庫の背後上空でロングになり、まだ立ちはだかる浪人衆に向かって両手を大きく広げ進んでゆく兵庫のシーンで「素浪人月影兵庫」のタイトルが。その後は、例のごとくバッタバッタと浪人衆を斬り倒しながら登場人物の名前が出たと記憶しています。(久米仙人さま 2003年2月25日)
新オープニングカッコイイですね。近衛さんって、なぜか後姿から入ることが多いですね。前オープニングしかり、「大吉」しかり、「勘兵衛」しかり。里見浩太朗さんや、松平健さんも後姿からこちらを振り返るパターンがありますが、あれは背中の葵の紋や、甘いマスクを強調しているのであって、後姿の美しさを表現してはいないと思います。近衛さんの歩く姿の美しさについては、じゅうよっつさまがかねがね力説してらっしゃいますが、そのとおりであると思います。で、後姿もまた美しい。ですから、第1シーズンで雪の山路を行くひょこひょこ歩きの後姿が吹き替えであることは一目瞭然です。後姿が美しいせいか、兵庫や大吉のラストシーンって、去っていく後姿が多いと思いませんか。水戸黄門なんか、去っていくのには違いないのですが、それを前から撮っている。兵庫や大吉は背中までカッコイイ!たとえ猫に驚いてすっ飛んでいく姿でも。(キンちゃんさま 2007年9月10日)


コマーシャルの後、番組に戻るとき (第一シリーズ)

ギターの音楽。右腕を懐に、左袖をまくり挙げて、山道を向こうから歩いてくる兵庫。映像が止まる。
その右横に「素浪人 月影兵庫」と出る。この間10秒以下。

コマーシャルの後、番組に戻るとき (シリーズ中盤〜後半)

兵庫の画面回転(瓢箪をもちながら)(ZAPOさま 2002年4月26日 キンちゃんさま修正 2007年9月18日) 

コマーシャルの後、番組に戻るとき (シリーズ終盤)

メロディー「ラ↓ドミラソミレミ」+「ボョョョョョョ〜ン!」で、兵庫の勇ましい剣豪姿(上段霞?)から画面が入れ替わり、半次がこめかみあたりに親指をあて、いわゆる「バァー」の体勢で舌を出している場面。(ZAPOさま 2002年4月26日)

予告編

最後に残った悪の親玉を追い詰めたときに見せる、眼をクワッと見開いて、歯をグッと噛み、小刻みに体を震わせるあのお顔、「月影」の予告編は、大体いつもこの表情のアップに「ご期待ください」てなテロップがかぶさってました。(キンちゃんさま 2003年10月4日)

正式なオープニング前のアテンション、エンディング後の時間調整(?)、番宣

当時のドラマって、例えば「花山」の場合ですと、午後八時になると同時に、例の夕焼け原っぱで立ち回りするオープニングが始まるんじゃなくて、その前に、静止画像か何かで「素浪人花山大吉」とだけ出たのです。つまり、「今から大吉が始まるよー。テレビの前に集まれよ」てな意味のいわば開会宣言みたいなものです。そして、まず、CMが入り、それから、お馴染みの「本当の」オープニングが始まったのです。私が言ってるのは、本編のオープニングでなく、始まりを告げるテレビ局で勝手に作ったアテンションの画像のことなのです。
「月影」では、まず、毎回、八時になると、「小判に尻尾が生えていた」からのスチール写真(拾った百両の包みを真ん中に、兵庫と半次が顔を見合わせて何やら言い争っている左右対称の図)が映り、それをバックにテーマ曲(歌なし。インストゥルメンタル)が流れ、続いてアナウンサーが「この番組は、養命酒、大塚製薬、清酒黄桜、東京スリーボンドの提供でお送りいたします。」と語ります。やがて「かっぱっぱ〜るんぱっぱ〜」とCMが終わり、次にはじめて本編のオープニング(神社の境内、ゆっくり振り向く兵庫・・・)が始まるのです。
で、エンディングも同様で、不思議なことに、なぜかあの頃って時間に余裕があったのでしょうか、本編終了後、静止画像をバックに、「一本どっこの歌」が流れたことまであるのです。無論、最初の三十秒ほどですが。さらに、人物紹介をやったこともあったのです。半次の静止画像が映ると、その横に、スタッフが書いたと思われる手書き文字で「親分なしの子分なし。いっぽんどっこの旅がらす焼津の半次 品川隆二」という具合に。そのときの半次の画像は、旅籠の浴衣を着て眼をむいている胸から上のショット。前がはだけて、両の乳首が見えていたので、コドモゴコロにも「うっ!」となりました。また、私は、栗塚旭の「用心棒シリース」でも本編終了後に栗塚自身が歌う「野良犬がいく」も聞いた覚えが確かにあります(栗塚がその場で歌うんじゃなくて、レコードを流してるんですよ。もちろん)。けれど、いずれも主題歌をお聞きくださいという目的ではなく、単なる余った時間をつなぐためであったようです。その証拠に、尻切れトンボでプツンと終わりましたから。
第一話からしばらく「小判に尻尾が生えていた」の静止画像がオープニングに使用されていたと書きましたが、してみると、このエピソードは、比較的初めの頃に撮影された話なんでしょうね。そういえば、当時、毎日午後二時頃に「月影」の二十秒ほどのスポットが流れていましたが、そのときバックに流れていた映像は、「小判に・・・」のもの(二人が地回りをやっつける場面)でした。ちなみに、そのスポットのナレーションは、「ご存知月影兵庫に近衛十四郎、焼津の半次に品川隆二の軽妙なコンビでお送りする素浪人月影兵庫は、毎週土曜、夜八時からの放送です。」というものでありんす。
(キンちゃんさま 2005年5月17日)


迷子のお話 (”その一”のツインスパイダース以外は、判明しました。thanks!中村半次郎さま

<その一>
(ここより前の部分は、「もてた筈だがひどかった」へ引っ越しました。)
そして、極めつけの場面。おなじみ、「蜘蛛登場シーン」ですが、なんと、蜘蛛が二匹登場するのです。いつもの「ぼわ〜ん、ホワワワワ〜ン」というBGMとともに、ペアで仲良く並んでぶら下がってくるのです。このシーンは後に後期エンディングタイトルのスチール写真にも使用されました。
月曜日、学校へ行くと、クラス中「クモ二匹出たでな〜」てな具合でこの話題でもちきりでした。手がかりはこの「ツインスパイダース」のみです。
どなたかタイトル名を教えてくださいませぬか。(キンちゃんさま 2003年4月11日)

<その2>「お酒に刀が浮いていた」と判明
道端で半次と兵庫もう1人か2人
兵庫 「・・・・(人の名前)は・・・・侍と言っていたな」    1人  「はい(又はへい)」
兵庫 「これは・・・屋がくさいぞ、・・・・さん ・・・・屋でなにか変わったことなかったか? 例えば妙な話とか?」
場面が変わってどこか道場のような場所で、兵庫と半次と1〜2名、兵庫は下座に座っているが上座に変わって(謎解き推理の議長役に変わる)
兵庫 「・・・・・はどうなんだ・・・例えば、婆やだ 」   一同驚く   
その後はよく覚えておりませんが、多分そのばあやが悪人の一人だったと思います。当時この話をみて子供心に怖くて身震いしました。今、
その話を見るとよくいみが理解できると思うのですがなんか自分自身トラウマとなって今でも夢に出てくるのです。(清貴さま 2004年2月20日)

<その3>「嫁ももらわずガキがいた」(第二シリーズ 第98話)と判明
兵庫があるある二人組みから父親と間違われる、決め手は兵庫の剣が十間無刀だったのと猫嫌い、本当の父親は身近にいた居酒屋のおやじで、そのおやじが厨房で何かに驚き叫ぶ、兵庫がなにごとかと厨房がに入ったら猫で二人で悲鳴を上げる
半次は「二人して猫嫌いだとはな!これで・・・さんの本物の父親が来たら猫嫌いが 三人になる、いやはははは・・・」 そのとき兵庫は「もしや」と思う
その親父を含め悪人を退治する(どんな悪人だったかは記憶になし) 最後に兵庫は、 「おやじさんの十間無刀流 おみごと」と言う (清貴さま 2004年2月22日)

<その4>「大口叩いて抜けていた」と判明
旅篭での枕さがし、兵庫は宿泊者全員集めて、「この中に下手人がいる」 「実は全ての部屋の前に墨をぬっておいた、これからみんなに足の裏を見せてもらう」 結局は兵庫の言ったことは嘘だったが下手人がわかる。 (清貴さま 2004年2月22日)

<その5>「お酒がソッポを向いていた」と判明(thanks中村半次郎さま)
ある宿場で、どこの居酒屋にいっても酒がない。兵庫はいらいらして「何故だ」といって 怒り出す。最後悪人との立ち回りの最中に鼻をぴくぴくさせ酒のにおいをかぎ しゃくで飲みながら闘う。断酒のがまんの限界って感じでした。 (清貴さま 2004年2月22日)


<その6>「御用の風が呼んでいた」と判明
半次が強盗団の話を兵庫に話かけて筆と半紙をだしたんですよ、それを兵庫がこ馬鹿にして半次を怒らせる
そして、半次が紙に筆で一直線に道を書くんですな。またまた兵庫が、おっ・泥鰌(どじょう)がいるとふざけると、半次がまた怒る・・・
書いた道の下の方にチョコンと点を打つとすかさず兵庫が泥鰌にへそがあるとまた茶化すそこだけ明確に覚えているんですが(yukimente2000さま 2005年1月17日)

<その7>
半次が侍と果し合いをするので、半次が兵庫に相談するのです。「旦那、こうこう言う訳で俺に剣術を教えてくれ」と、兵庫は「教えてやる。まず後ろを向けそしてそのまま真っ直ぐ走ろ」・・・走ろうか歩けかは定かではない。半次は気がついて「それじゃあ逃げろってことじゃないか」焼津の兄さんは・・・・・うーん台詞を忘れました。兵庫は「逃げるが勝ちってこともあるんだ。」負けるが勝ちか逃げるが勝ちかどっちかだったのは間違いないです。残念ながらタイトルが想いだせない。トホホホ(泣)このシーン何故か覚えてるんです。このシーン確か神社の境内だったと思うけど あてにはなりません。(第2シリーズの未放送か?)(yukimente2000さま 2013年6月7日)


「浅間は怒っていた」 (第一シリーズ 第1話)

<キャスト> 弓恵子=雪姫 堀正夫熊五郎 上田寛飯屋の亭主 浅香春彦=小金井隼人 潮健児丑造 佐藤晟也岩松 藤木錦之助伊藤 丘路千赤谷 兼田好正宮田 津田健二関口 山本一郎加倉井一角 矢奈本邦二郎大村数右衛門 藤川弘瀬川妥女 毛利清二鉄 美江艶子飯屋の女房 福本清三(NC)=家老の左(38:54)

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=結束信二 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康

侍達が、街道を走っていく。一膳飯屋に入り、探し回るが、いない。誰かを捜している。なにやら急を要するようだ。
そこに、兵庫が入ってくる。(語り「折しも入りしは、くだんの浪人、月影兵庫、どうせ本名ではありますまい」)飯と酒を注文する。
侍達の話に、「あの娘かもしれんな」と独り言のようにつぶやく。それを聞きつけた侍達は、兵庫に娘を見た場所を聞き、慌てて出ていく。
兵庫は、飯をもう一人前追加注文し、飯屋の裏口から、百姓の格好をした娘を入れる。この娘こそ、侍達が探していた雪姫だった。
そこに、半次が入ってくる。みそ汁をぶっかけ飯を喰らう兵庫と、慣れない食べ物に箸をつけようとしない娘の様子を、怪しそうに見ている。
兵庫は、雪姫を野良家で見つけ、100両で、無事城まで送り届けることを約束していた。2人は、追っ手を逃れるために山道を進む。
姫の脱ぎ捨てた着物を見つけた侍達も、兵庫たちを追う。
姫は、なれない山道と空腹で、すぐに歩けなくなった。兵庫は、知らない男におぶわれることを拒む姫に、「気取ってる場合じゃないんだ、早くしなさい、しっかりつかまっておれ」と姫を叱咤する。雑な扱われ方に戸惑う姫も、次第に、兵庫に気を許していく。
半次もまた、2人の後をつけて同じ山道にいた。娘を、様子から姫さまと見当つけていた。兵庫が姫をどうにかするつもりだろうと、怪しんでいるのだ。兵庫が水を探しに行っている間に、姫を助けようと、いやがる姫を説得し、連れて行こうとする。
兵庫が戻ってくる。行こうとする2人の前に、「焼津の半次はな、一本どっこの旅ガラスよ。このドスにかけても勝手な真似はさせねぇ。」と立ちはだかる。「言いたかないが、焼津の半次は負けずの半次というんだ」と、兵庫に挑む。しかし、半次がそういっている間に、兵庫は半次の袖に小柄を差していた。「言いたかないがな、30間小柄といえば、ちっとは知られているんだ、ハッハハ・・」立ち去る兵庫と姫。
悔しそうに小柄を投げる半次。小柄は木にあたって跳ね返る。
一夜明けて、河原沿いを歩く2人。もう城も近く、足取りも軽い。と、街道は通るまいと、山道を探してきた追っ手が現れる。兵庫が侍らの相手をしている間に、半次が姫を助けようと引っ張っていく。半次は、よかれと思って、城代家老に、姫を迎えに来るように知らせていた。
しかし、家老は姫の敵、姫は、城代家老の策略で、将軍の元にあがらされそうになって、逃げていたのだ。
「どうしていつも要らぬことばかりするのですか」と姫に言われ、今度は、姫のお側役に知らせに、城に走った。
侍らを片づけた兵庫の前に、城代家老らが来る。家老らも斬った兵庫を見て、お礼を言う雪姫、今度は安心して腰が立たなくなり、兵庫に背負われて城へ向かう。それを迎える側役と半次。「あの浪人、てぇしたもんだ」
城内。半次の前に差し出された礼金。「あの浪人のものだ。これを見てくんな、刀もキセルも、あっしはな生まれつき曲がったことが大嫌ぇなんだ」と礼金を拒む。家来達が姫の命令で兵庫を探している。「月影殿はまだ見つからぬか」
半次「月影って名か。それにしても月影のやろう、どこいっちまったんだ」兵庫は、倒れた小枝の向いた西へ、中仙道を歩き出した。
(じゅうよっつ)
見どころ:加倉井との決闘のシーンでの抜刀がとても美しい。まさにスラリと抜いてますね。八双の構え、上段霞斬りも絶品。
飯を喰らうシーン、のちの大吉旦那のオカラを彷彿?とさせました。無名の頃の川谷拓三さんが藩士役で出てます。(岡野さま 2002年4月19日
「1話は絶対見逃すな!」と知り合いに何故言われていたのか良くわかりました、ラストの殺陣のシーンかっこよすぎます(OPの殺陣もかっこいい!)。
兵庫の眼力に参ってしまいました!
(K2さま 2007年3月9日
半次ファンの私が、不覚にも第1話に限り、半次ってでしゃばりでお節介やきのいやな奴だなあと思ってしまいました。旦那に任せとけよお、こいつう、って(笑)。でもそれも束の間、終盤にはやはり半次らしくなって安心しました。冒頭に出てくる山は本物の浅間山です。(鯉太郎さま 2007年3月15日
兵庫、見ました。ああ、なんてかっこいいんでしょう!(みなさまはもうとっくにご覧になっているところ、今頃感想を言うのもずれているでしょうが、お許しください。とにかくやっと見られた感動でいっぱいになっているのです。)兵庫の、前髪がハラリとかかっていることろ、かっこいい〜!私は、大吉の顔しか記憶の中になかったのです。兵庫がこんなにかっこよかったなんて!(鈴雪さま 2009年1月4日)
第一話から見直していますが、いやはや、今さらながらに感心します。「浅間は怒っていた」は本当によくできたエピソードです。「栴檀は双葉より芳し」と言いますが、さしずめ、「兵庫は第一話より面白し」てなとこです。もっとも、第一話は視聴者を引き付けなければならないといった目的があるので、いきおい熱のこもった力作になるのは当然でしょうが、それにしても丁寧な出来栄えです。時代劇版「ローマの休日」ともいうべきストーリーはもちろんですが、兵庫と半次の距離感も絶妙ですし、第一、二人のキャラクターの出し方がいいんですよね。これから二人のコンビネーションがどういうふうに固まっていくのかなって期待させて……。
それから配役も豪華ですね。オープニングの絡みの中には福本清三さんがいるし(忌野清志郎そっくり)、樵のメンバーには平沢彰さんの姿も見える。姫を追う侍の中には川谷拓三さん(けっこうハンサム)もまじっている。これらの役者さん、ノンクレジットなんですよ。なんという贅沢!「大吉」の最終回みたい。
この掲示板でもかつて検証されたことですが、編集でカットされた場面がたくさんあるようですね。第一話なので、見せ場がてんこ盛りになったのでしょう。五人の侍たちが兵庫に倒されるシーンも見たかったけど、包帯姿で我慢我慢。
最後に、ヒロインのお姫様が「雪姫」。月と雪のカップルぢゃないですか。後に兵庫が「雪月花」と染め抜いた着物を着用することを暗示しています。え?「花」がないじゃないかと仰るか?それはまあ、ひと昔前に「花はどこへいった」てなフォーク・ソングが流行ったけど、そういうことで。(どういうことだ)
(キンちゃんさま 2019年1月16日)
弓恵子さん:1960年代前半の日活映画に色っぽい役で出演されているのを「チャンネルNECO」で何度か観ましたが、最近では2004年放送の眞野あずささん主演の2時間ドラマ「月曜ミステリー劇場 上条麗子の事件推理4 死を呼ぶ老後資金」に出演されていました。このドラマには、長内美那子さんも出演されていて、さすがにお年を召していましたが、お二人ともお元気そうでしたよ。「自分の首を絞めていた 潮万太郎さん」に関連情報あり)(一本松の源助さま 2009年2月16日)

ナレーションの玉川良一さん:玉川良一氏のナレーションがワンクールで終わってしまったのは少し寂しいですね。あの当時、時代劇にあんなナレーションが挿入されているのは珍しかったものです。玉川氏は、もともとれっきとした浪曲師ですから、ナレーションというよりは、浪曲によるナビといった趣がありました。当時は東映映画でも「赤穂義士」とか、そういった浪曲師が語り手となって話を進めていく趣向の作品がありました。兵庫も最初はその路線でいくつもりだったのでは、と推理します。(ホラ、また下衆の勘ぐりが始まった)
ところが、そこは「兵庫」のこと。浪曲師といっても広沢虎三や宮川左近ショーなんかを起用したりはしなかった。玉川良一さんですよ。私と同年輩の、昭和三十年代に子供のころを送った方々なら御記憶にあるかと思いますが、あの当時、玉川さんの人気はちょっとしたモンでした。某キャベジンや某天狗のお吸い物などのCMで、得意の浪曲を生かしたギャグが流行しました。たとえば、「利根の川風たもとに揺れて・・・」のパロディで「キャベジン袂にいれて〜」などとうなるのです。ちなみに「宝の山が・・・」の中で「袂に入れて」の一節が、さらりとですが出てきたので驚きました。
このように、「兵庫」にはあの頃、単なる時代劇にはない、何かこう斬新でかつ清新な雰囲気が漂っていました。CM終了後のアイキャッチャーもそうですし、侍と渡世人というコンビも今までになかったものです。また、今でこそ「バディ(相棒)もの」というジャンルが確立されていますが、「本当は仲がいいのだが、顔を合わせると喧嘩ばかりしている」コンビというのも、昭和のあのころきわめて新鮮に思えたのです。我々は、このちゃんの殺陣が素晴らしいので、ついそればかりに気を取られてしまいますが、この番組が作られた当時にタイムスリップして考えてみると、「かなり新しい時代劇」だったことがよく分かります。なお、CM終了後のアイキャッチャーについては、「柳生武芸帖」(このちゃんの顔アップ)「忍びの者」(仁王像のアップ)でもすでに取り入れられています。東映京都テレビは常にドラマ作りの最先端を突っ走っていたのですね。東映はテレビ時代劇の父といっても過言ではありますまい。(2010年7月25日 キンちゃんさま) 続きが


「風は知っていた」 (第一シリーズ 第2話)

<キャスト> 成瀬昌彦=石堂小弥太 高木均=隆元 滝恵一=鮫五郎 有馬宏治=清兵衛 鶴田佳子=おみの 末広恵二郎=目明かし文治 菅原俊夫=弥兵衛 高並功=役人・大島 茶川一郎=仙吉

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=結束信二 撮影=伊籐正敏 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康


半次は、山道で苦しむ男を家まで送ってやるが、男は仮病、その男と仲間3人に、手形と胴巻きをとられ人質になる。
既に、商人風の親娘と使用人が、手形をとられ縛られている。男らは、関所を越えるための手形がほしい、残るは、浪人用の手形だ。
そこへ、兵庫が、切れたわらじをぶら下げてやってくる。新しいわらじを分けてもらおうと入ってきて、男らに襲われ、軽くかわす。
が、男の一人が娘に刀を向けていた。半次が、「旦那、今だ!やってくれ」といいながらその男に体当たりするが、縛られて両手のきかない半次はすぐに取り押さえられ、刀を突きつけられた。兵庫は、あきらめて刀を捨て、いろりにどっかり座り込む。
「なぜ刀を捨てたんだい、俺にかまうことなんかなかったんだ」「フン、始めにそういってくれたら別だったがね」「チェッ、相変わらずのんきなこと言ってやがら」
兵庫は右手にクルミを握りながら、なんとか、人質皆を無事に救出する方法を考えている。だが、親方格の浪人も、腕も頭も切れるようだ。
男の一人に話しかけたり、手形を出し惜しみして、時間稼ぎをするが、なかなか思うようにはさせてくれない。
が、結局はそれらが功を奏して、その晩の関所には間に合わなくなった。風が強まり、無気味な夜が来た。
陣屋役人が数人来る。牢破りの人殺しを探している、戸をあけろ、という。この男達のことのようだ。
一瞬、人質たちの顔が明るくなったが、戸を開ける不意をつかれて、役人達は浪人にあっさり斬られてしまう。
役人が来たということは、既に手がまわっているということ、もう、男達が手形を使って関所を通ることはできない。
男達は、今すぐ山道を通ろうと企てるが、半次らに山イヌに襲われるぞと脅され、夜明けを待つことにする。これで夜明けまでは間が持てた。
風がやんで、夜明けが来た。
男達を含め、皆寝ている。兵庫は、寝たふりをして様子をうかがっている。半次もまた、旦那に期待しながら寝たふりをしている。
試しに兵庫が、薪をくべようとすると、浪人の「もうたかんでもいい」と言う声。寝ていなかった。他の男達も目を覚ました。
人質として連れて行くために、娘の縄が切られる。「やれ」と浪人が命令し、銃に火がつけられる。
「俺はもう、あきらめたよ。貴様ほどの腕に斬られて死ぬんだから思い残すことはない。」ただ、のどが渇いてしょうがないので、水を飲ませてくれ、と、ひしゃくに水をくむ。一瞬のすきに、水をかけて火縄銃といろりの火を消し、浪人の抜いた刀をかわして土間にひらりと下り、自分の刀をとる。半次も、娘に刀をとらせ、応戦する。・・
「旅ガラス、よくやったな」「あっしはね、あきらめていたんだ。ただ、旦那がいつやるかいつやるかと思っていやしてね」
「それにしても、とんだ宿になったもんだな」新しいわらじを履く兵庫。「俺はもう行くぜ」
これだけの手柄を立てたんだから、陣屋に寄ってくれと言う目明かしに、「御陣屋?そんなことは半次にまかせる。俺はここにわらじをもらいに来たんだ」と歩き出す。「やいやい、しゃれた真似するなって言うんだ、人様の手柄をてめぇのもんにするようなケチな根性は持ち合わせていないんだよ。話をつけようじゃねぇか。またねぇか、ちきしょう」と、兵庫の後を追う半次。(以上じゅうよっつ)
コメント:成瀬昌彦が出ていましたが私には花山大吉第49話「オケラが三匹揃っていた」の ほしやまひこくろうえもんひろごろうへいすけただかずのイメージが強く悪党のおかしらの役柄は以外な感じでしたが本来こっちの方の人なのでしょうか。(あまぎそよかぜさま 2007年3月8日))
ゲストも豪華で、成瀬とムーミンパパは嬉しかったです。茶川の女形にも笑わせてもらいました。
(冒頭、半次が歩いているシーンについて)上高地のロケって時代劇には珍しいですね。なんと江戸時代に大正池があるじゃないですか(笑)。当時上高地に出入りしていたなんてすごすぎる。でも残念ながら吹き替えでした。わざわざ1シーン撮るために行ってられないですものね。(鯉太郎さま 2007年3月15日



「白い雲が呼んでいた」 (第一シリーズ 第3話)  

<キャスト> 沼田曜一=赤座甚十郎 香川良介=喜兵エ 高森和子=お花 岡田千代=おせい 山口幸生=儀十 飯沼慧=恩田の仁兵エ 村居京之輔=医者 那須伸太朗=竹村の虎太郎 原京市=勘助 世羅豊=弥平次 小峰一男=丑造 名護屋一=大八

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康

兵庫は、出入りで死んだ恩田一家の親分夫婦の遺言で、赤ん坊を親分の妻の実家へ里子に出しに行く。
途中、出入りの際の助っ人代30両のうちの半分で、赤ん坊を半次に託す。半次は、最初のうち、ぐずる赤ん坊に夜も寝られず、まいってしまい、いったんは、赤ん坊を捨てようとまで考えたが、次第に情が移ってくる。
ところが、出入りの相手、竹虎一家の親分は、大きくなったら、仕返しにくるに違いないと、赤ん坊をやってしまえと命令を出し、追いかけてきた。逃げる半次は、赤ん坊を抱いたままで、思うように行かないが、兵庫に出会い、助かる。
兵庫は「お前にはまかせておけん」と、半次から赤ん坊を取り上げる。「十剣無統流じゃ子守はできねぇよ」と、悪態をつく半次。
その夜、兵庫、半次と同じ旅籠に泊まった竹虎のヤクザは、女中をだまして、兵庫からうまく赤ん坊を連れださせる。
女中が怪しいと気づいて大声で助けを呼び、兵庫と半次がやってきた。兵庫は赤ん坊を抱いたまま、ヤクザの用心棒に立ち向かうが、刀も抜けず、腕を斬られて、川に落ちた。赤ん坊は、それが原因で風邪を引き、今夜が山といわれる。
兵庫は、赤ん坊の祖父にあたる喜兵衛を訪ね、喜兵衛の娘や恩田一家がやられたこと、赤ん坊だけが生き残っていることを話すが、娘が喜兵衛の反対を押し切ってヤクザと結婚したことが許せず、旅籠の孫に会いに行くの拒む。宿に帰った兵庫の話で、半次は、赤ん坊を育てたいばかりに、ヤクザを捨ててかたぎになる決心までするが、思い直した喜兵衛がやってきたため、30両をそえて、涙ながらに熱の下がった赤ん坊を喜兵衛に渡す。
しかし、竹虎一家が、喜兵衛の後を追ってきていた。兵庫も、それを予見して、喜兵衛のうちに来た。竹虎の用心棒が、身内のヤクザを斬る。
胸を患っている彼は、赤ん坊の生きる権利を奪いたくなかったと兵庫に話す。兵庫と用心棒は、刀を合わせるが、用心棒の最期が近いことを知り、兵庫は刀を納めてその場を去った。
百姓家から女が子供を抱いて出てくる。赤ん坊の泣き声に立ち止まる兵庫。微笑んで、また歩き出す。
コメント:第一シリーズでは、まだ半次の苦手・クモが設定されていないせいか、赤ん坊を抱いてヤクザから逃れた半次が、クモの巣をたくさん顔につけて神社の床下から出てくるが、平気な顔をしている。
(以上 じゅうよっつ)
「無法者の虎」を思い出しました。半次が一度子どもを捨てそうになるけれど、思い直すところも同じですね。(子どもが出る話は涙腺が弱くなってしまい困ります。)半次が山の中で危機一髪になった時、兵庫が何か(握り飯?初め蒸しパンのように見えてしまいました)食べながら出てきますが、口の中いっぱいに頬張って、おまけに口の端からこぼしていました。大吉の「おからの食べ方」につながりますね。このちゃんも、演技で仕方なく下品に食べていたのでしょうね。1話と3話に出てくる「先生」と呼ばれる雇われ浪人が、「いかにも!」って感じのいでたちなのがおかしかったです。1話の浪人は見かけ倒しで弱すぎ〜。3話の浪人はちょっと切ないです。(鈴雪さま 2009年1月4日)
この兵庫の髪型(前髪が垂れている)、1、2、3、5、6、9、13話しかないのが惜しい!今日は第3話(赤ん坊の回)を観ました。おにぎりを口にほおばったまま出てきた兵庫がかっこよかったです。(笑)そういえば、用心棒の浪人が倒れ込むシーンで、演出でカメラをぐるぐる回していましたがあれはやりすぎ〜!いつもあそこだけ目をそらしています。(織波さま 2011年10月6日)


「黒い霧がながれていた」 (第一シリーズ 第4話)

<キャスト> 三島ゆり子=お初 竜崎一郎=信夫一角 林彰太郎=向坂治助 楠本健二=花形隼人 二見忠男=鉄砲政 阿木五郎=番頭 芦田鉄雄=宮部軍之進 野村鬼笑=伊平 

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=玉木照芳 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=浜崎敬三 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=桧垣久恵 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=小野登

しんと静まりかえった宿場。1件ある旅籠は、たちの悪い浪人3人と猟師によって貸し切られている。
それに腹を立てた侍が浪人に斬られた様子を見て、「くだらん」と言った兵庫もまた挑まれるが、リーダー格の浪人が止め、兵庫に部屋を1つ提供する。
兵庫が部屋で飯を食べていると、先程の浪人2人が入ってくる。明朝ここを通る駕籠と20人の侍全員を殺す仕事を兵庫にも手伝えと、50両が差し出される。兵庫は、「手元不如意の折りありがたい話だが、気に入らん。だが、地獄へ行く気もない」と言って刀をとるが、部屋の外から銃を構えた猟師が立っていた。心変わりするまで縛られ、鉄砲が向けられるはめになる。
そのとき玄関で、「貸し切りだから泊まれねぇとは、なんということだよ、話を付けてやる、呼んでこい」と、わめく声が聞こえてくる。半次だ。
ふすまの隙間から、浪人と猟師が半次を狙う。「焼津の、逃げろ!早く逃げろ!」の声と同時に発砲。慌てて逃げる半次。
半次は、このリーダー格の浪人を知っていた。江戸でも有名な、人斬り一角と呼ばれる男だ。「奴がいたんじゃ、旦那もあぶねえな、まずい」
半次は旅籠の屋根に上って、一角ともう一人の浪人の話を聞いた。
どうやら、松本藩6万石の跡継ぎ争いで、幼い跡継ぎとそのお供を皆殺しにする仕事を引き受けたらしい。
兵庫は、「小用がたしたい」と縄を解かれた際に、便所の前に置いてあったろうそくと皿をとるが、見破られた。出せ、と言われて、皿を割って差し出す。破片が捨てられた窓の外には、半次が潜んでいた。
「焼津のか?」「旦那大丈夫かい」幸い、見張り役の猟師は、耳が聞こえない。半次は、一角らの計画について話す。
兵庫は「明かりが消えたら、お前のドスを投げ込んでくれ」と頼む。猟師がこっくりし始めたところを見て、明かりを吹き消す。
半次がドスを入れるが、猟師が目を覚まし、発砲、その音を聞いて浪人達も来る。兵庫は縄付きのまま、庭に出される。浪人の一人が刀を抜き、兵庫に斬りかかろうとしたとき、半次が屋根の上から樽を投げつける。半次はとっさに、自分の合図でヒデという相棒が一行の滞在する下諏訪に知らせに走ることになっている、そうすりゃ行列は来ないぞ、とでっち上げる。これが功を奏して、兵庫の命は明朝まで延びることになるが、逆に、おとなしくしてないと兵庫の命はないと脅される。
兵庫は、手元に残した皿のかけらで、縄を切ろうとしている。
「旦那のやろう、こんなに俺に気をもませやがって。焼津の半次は男だい。見殺しにはできねぇ」
朝、そろそろ行列の来る時刻だ。一角ともう一人の浪人が様子を見に行き、見張りは、もう一人の浪人と猟師だけになった。
今だ。半次が浪人に襲いかかる。猟師が半次に鉄砲を向けるが、縄の切れた兵庫が倒す。
「ひやっとさせるぜ」「だって俺、旦那のために」「分かってるよ」笑う二人。
外から、一角らが戻ってきた。兵庫は一度は、一角に刀をはじかれるが、すきを見て半次が投げた刀を受け、襲いかかる一角を倒した。
「おーすげぇ、やっぱり旦那だい」礼を言う松本藩の女中に、兵庫は不機嫌に「ただ、子供を殺すことが許せんのだ」と言い捨てて去る。
「おいおい、待てよ。勝手にさっさと行っちまいやがって」と後を追いかける半次。
見どころ:一角扮する竜崎一郎さんとの最後のチャンバラシーンで、兵庫は初め劣勢。気迫がこもって、なかなかいい。
冒頭、兵庫が眠っているシーンがあるが、このちゃん、目をつぶっていると、カワイイ。睫が長くて、なかなか美青年(中年か)風のお顔。

三島ゆり子さん:三島さんは三原(由美子)さんと同年の生まれで、昭和34年の東映ニューフェイスに合格、同期にはこれまた花山大吉シリーズではおなじみの宮園純子さんがいるようです。翌年の近衛さん主演映画「つくば太鼓」がデビュー作です。デビュー後しばらくは時代劇のお嬢様女優でしたが、月影兵庫初の出演作「黒い霧がながれていた」の前年あたりから汚れ役に取り組むようになったとのことです、月影兵庫出演の頃はちょうど過渡期であったのかもわかりません。(長沢威さま 2010年5月20日)


「乙女心はふるえていた」 (第一シリーズ 第5話)

<キャスト> 関みどり=いと 小倉一郎=次郎太 三条美紀=母とみ(thank 相談屋さま) 加賀邦男=三原伝蔵 仁礼功太郎=桑原安衛門 平沢彰=強盗・荒船 浮世亭柳平=足軽・権太 浮世亭とん平=足軽・久助 福本清三(NC)=役人(24:44)

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=玉木照芳 照明佐々木政一 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=浜崎敬三 結髪=浜崎喜美江 装飾=菅田浩 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=中田悠紀子 進行主任=喜多利三 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=小野登

半次は、関所で、次郎太に、父親の仇と間違えられる。次郎太の父親は3年前、覆面をした侍に殺されたが、その日丁度、宿場役人が交代したため、充分な詮議もできていなかった。それ以来、次郎太は関所の使い走りをして仇を捜している。
半次は、次郎太の心意気に感心して、仇討ちを助けてやろうとするが、兵庫は、「仇を討つならもっと腹を据えろ」と、手助けに乗り気ではない。乗り気でないのは、兵庫だけではない。次郎太の姉・いとと母親も、あまりいい顔をしない。
その日、事件当時関所役人だった三原が、用事でこの関所の役宅に泊まった。
夜、関所の非常太鼓が鳴る。悪者3人組が町に入り込んだらしい。役人達が3人組に関わっている間に、次郎太は仇に会い、討とうとしてはねかえされ樹で頭を打ち、気を失う。半次らが来る気配に、仇は姿を隠す。
兵庫の推理では、仇は、3人組の騒ぎに乗じて次郎太を殺そうとした。犯人は関所の中にいた、怪しいのはいつもと違う人間、三原だ。
兵庫と半次が、次郎太のうちへ向かうと、姉のいとと母親の話が聞こえてきた。
三原は、3年前、次郎太の家族の経営する茶店の借金返済が滞っているのをネタに、母親を脅し言うことを聞かせた。
そのことを知った次郎太の父親は、三原に殺されたのだった。
そのとき、三原が、口封じの為に次郎太一家を殺しに来た。
兵庫に斬られた三原ををみて、次郎太は、なぜ仇を討たせてくれなかったのか、と嘆く。兵庫は、「お前は心で仇を討ったんだ、一番立派な仇討ちだ」と言い、去っていく。
半次「なんで仇を斬らせなかったんだ?」兵庫「いやあれでいいんだ。俺は19の時浪人を斬った。今も夢に出てくる。」
半次「あいつは仇だぜ」兵庫「仇でも人間にかわりはない」半次が感心している間に、兵庫は先を行っていた。
兵庫と半次の掛け合い:兵庫が仇討ちの手助けに乗り気でないのが不服な半次、旅籠で、向かいの部屋だった兵庫に「どうも、湯上がりがさっぱりしないと思ったら、旦那が入った後だったんだ」兵庫「お前の後なら入らん方がましだよ」半次「旦那も会うたび口が悪くなる」兵庫「それはおまえと付き合ったおかげだよ」
そのあと、兵庫の着物が3人組に盗まれたと分かり、喜ぶ半次は、「中仙道には間の抜けた旅人が多いようでござんすからね。
今日はいろいろ面白うござんしたね。おやすみ。」と言って自分の部屋に帰り、自分も着物を盗まれていることに気づく。
兵庫「明日は二人で裸で道中と行くか。」(以上じゅうよっつ)
コメント:「乙女心はふるえていた」と「怒り虫は泣いていた」の二作は、それぞれ「次郎太仇を討つ」、「高崎の怒り虫」という題名で、南條範夫の『月影兵庫 独り旅』中にあります。 この小説書かれたのは、昭和43年であるという解説者の言葉を信じれば、ドラマを小説化したものであることは明らかです。(三四郎さま 2004年11月17日)
冒頭で題名が表示されるとき,他の話と異なり題名が一文字ずつ出現し,さらにその題名自体が『ふるえていた』ように感じました。テレビの初期の作品は,毎回いろいろ工夫しているように感じました.(相談屋さま 2007年3月25日)
第1シーズンと第2シーズンを改めて見て、新しい発見がいくつかありました。まず、第1シーズンの兵庫は、初期の頃「わらじを履いていた」ということです。5,6話あたりから普通の草履履きになりましたが、意外でした。それからマゲも数種類あるようです。(キンちゃんさま 2007年8月27日)
兵庫は基本的には自分のことを「おれ」と言っていますが、たま〜に「わし」と言うんですね。「乙女心はふるえていた」の中で、「わしの着物に無茶するな!中身だけやれ」と言っていました。あとは「おれ」だったと思います。次の「宿場は泣いていた」でも半次に悪党と間違えられそうになった時だけ「わしだよ」と言っていました。(もしかしたら他にもあったかも?違っていたらすみません。兵庫の中で、どう使い分けているのかな?(鈴雪さま 2009年1月24日)


「宿場は泣いていた」 (第一シリーズ 第6話)

<キャスト> 坂口祐三郎=源太 御影京子=およし 有川正治=盛蔵 大前鈞(thank 相談屋さま)小手丑(thank 相談屋さま) 源八郎=茂七 宇梶由利子=里菊 阿波地大輔=鯖江主水 長島隆一=甚兵エ  ミス・ワカサ(thank 相談屋さま)=おきん(thank 相談屋さま)  阿部九州男=松屋重右ェ門(thank 相談屋さま) 
<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=玉木照芳 照明=佐々木政一 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=林三郎 結髪=浜崎喜美江 装飾=菅田浩 助監督=福井司 擬斗=谷俊夫 記録=東紀子 進行主任=喜多利三 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=小野登

兵庫が街道を歩いていると、半次が追いかけてくる。「やいやい、てめぇ、なんだって俺の前ばかり歩きやがるんだ、ちきしょう」
兵庫はわらって、「じゃあおまえが先に行け」「当たり前だ」と走って先を行く半次。・・・(シーン401)
・・・二人が別々に着いた宿場は、松屋の雇われごろつきどもが幅を利かせていた。
松屋のいかさま賭場で有り金スって素っ裸になってしまった半次は、ごろつき達に捕まっている里菊という松屋の抱え女を見かけ、自分が今晩松屋に泊まってやるから、この女を折檻するのはやめてくれと頼む。
一方兵庫は、この宿場の雰囲気の悪さに、いったんは次の宿場まで進もうと考えたが、途中、不思議な流儀の浪人を見かけて、とどまることにした。松屋の宿代の算段に困って座り込んいる素っ裸の半次を見かけ、「とうとうやられたか。わしもこれだけしかないが貸してやる」と、なけなしの一両を半次に貸す。「いらねぇけど借りてやるんだぞ、わかったな」と負け惜しみを言う半次。
松屋に泊まった半次は、里菊を呼ぶ。里菊に折檻の傷跡があるのを見つけて、半次は怒って抗議しようとするが、「待ってください」という里菊の涙を見て思い留まる。里菊の話では、松屋重右衛門は、この辺りの商人達から儲けの3割を取り上げ、金を使ってごろつきや用心棒を雇い、役人さえもアゴで使っているらしい。半次が、死んだ気になりゃ逃げられると誘うが、里菊は自分一人逃げるわけにはいかない、自分を拾ってくれた旦那への恩もあるし、ほかの女達に迷惑がかかると話す。それを聞いた半次は、里菊を足抜けさせたあと、宿場の女達みんなを助けてやると、意気込む。
ところが二人の話を聞いていた女が、番頭に知らせたため、一風呂浴びて戻って来た半次に、男達が襲いかかる。
手強そうな用心棒達に囲まれた所で、兵庫が来る。「また邪魔をしやがったな」「残念だがどうしても邪魔をする」(シーン430)
兵庫はおよしの亭主源太を探しに松屋に来たのだ。
〜その晩、文無しの兵庫が宿に求めた空き小屋に、女が駈け込んで来ていた。このおよしは、病気の母親のために、松屋の口車に乗せられて借金していたのだが返せず、松屋でに身を売るはめになったのだ。だが、亭主の源太が松屋に女房を帰してくれと談判にやって来て捕まったすきに、逃げ出した。およしは兵庫に、源太を助けてくれと頼んだ。〜
兵庫が片っ端からやっつける。松屋の番頭に、源太が入れられている折檻小屋のカギを開けさせ、なかに入ると、源太のほかに瀕死の里菊がいた。里菊は、抱き起こした兵庫に「もし半次さんという人にあったら、たった一日のおつきあいでしたけど、夢のように楽しかった」と伝えてくれといって気を失う。半次が来る。「おまえの探している女はなかにいる、介抱してやれ」里菊は半次に見取られて死んだ。
兵庫は、例の不思議な流儀の浪人を含めた松屋の用心棒達を斬ったあと、松屋重右衛門を斬る。(シーン449)
半次が宿場の半鐘を鳴らす。町の人たちが集まってきたところへ、「もう松屋の因業オヤジはいない。自分の好きなところへいけるんだぜ」と告げるが、町の人は、無関心そうに笑って帰っていく。一人の女が言う。「おい旅ガラス、あたし達はね、どこへもいきたくんだよ」
「まぁこんなところだろう」と先に旅立つ兵庫。「そりゃならねぇ、おい、おい」二人に感謝する源太とおよしに別れを告げてあわてて後を追う半次。
見どころ:ごろつき3,4人を斬るときのこのちゃんの目にもとまらぬ速さの殺陣、すごい。
宿場につく前、半次が曲がった地蔵さまを元に戻そうとする場面があるが、重すぎて、半次に代わって兵庫がそれをやる。
この地蔵さま、芝居用で軽い筈だが、このちゃんが動かすといかにも重そうに見える。こんなふうに、竹光の剣にも重量感を持たせるのだろうなぁと感心してしまった。
重右衛門役は大都時代から俳優仲間の阿部九州男さん、源太役は「素浪人シリーズ」では珍しく町人姿の坂口祐三郎さん。
コメント:ミスワカサはこわかった。(鯉太郎さま 2007年3月23日)
ミスワカサは 島ひろしと漫才やってました。小倉一郎は可愛かったね(のりりんさま 2007年3月23、25日
台本表紙「連続テレビ映画 素浪人月影兵庫 製作NET東映京都テレビプロダクション」
1ページ:企画 上月信二 田辺嘉昭、原作 南條範夫(東京文芸社刊)、脚本 松村正温、監督(空白)。
2〜4ページ:撮影、録音、証明、美術・・・などスタッフ(名前はすべて空白)   5ページ:「傷だらけの宿駅」(注:もとはこのタイトルだったようだ) 
7〜8ページ:クレジット 登場人物の1人目は月影兵庫(それぞれの人物について、役名、年齢、適用、出演者、出演場面を書く欄があるが、役名と出演場面以外は空欄)、一行置いて次が遠州無宿の半次、また一行置いて、そこから先はこの回の出演者(源太、およし、里菊・・)と続く。
9ページ:「タイトルおよびタイトルバック」  「捲き立つ砂塵の中。 月影兵庫の鮮やかなる殺陣! 題名タイトル  以下 春、夏、秋、冬の風景の中をひょうひょうと旅行く兵庫にクレジット・タイトル 主題歌、流れる。」
10〜87ページ:台本 シーン401「街道(中山道)」〜453「街道」まで
 シーン401「街道」
半次の顔のクローズアップ。
その口から、凄まじい勢いで、セリフが飛び出す。
「やいやいやいッ、性根をすえて、はっきりと返答しろい!」
カメラが引くと、旅姿の若い渡世人(遠州無宿の半次)が、続けて
半次「もう我慢ならねえッ、江戸を発って、この中山道を二十里、てめえ、なんだって俺の前ばかり歩きやがるんだッ!」
カンカン照りの炎天下に、ぼさっと立って、聞いているのは、粗衣に粗袴、薄汚れた感じの浪人、月影兵庫である。
半次「てめえに先にゆかれたんじゃあ、俺あ、その薄ぎたねえ着物の埃を、ひっかぶってゆかなきゃあならあねえッ」
兵庫、ニッコリと笑って
兵庫「それじゃ、おまえが先に行くがいい」
半次「当たりめえだ、今度、先へ立ちやがったら、承知しねえぞッ」
云い捨てて、駆けるように行く。
 シーン430「宿場(三)」
兵庫が来る。
半次、盛造、小手丑らと斬り結びながら、逃れて来る。
兵庫、足早に歩み寄ると。小手丑ら二、三人
を峯うちにバサッバサッと倒す。
腕をへし折られて、もがき苦しむ小手丑ら。
盛造
ら、蜘蛛の子を散らすように逃げ帰っていく。
半次「やいやいッ、てめえ、また、俺の邪魔しやがったなッ、何度云やあ解るんだいッ!」
兵庫「角屋で(注:台本では松屋でなく角屋)、いったい、何をしでかしたんだ?」
半次「何をしようと、俺の勝手だ・・・俺ア、どうしても、もう一度、角屋へとって返すんだから、邪魔するなよ、邪魔を!」
兵庫「残念だが、どうしても、邪魔をする」
半次「なんだと」
兵庫を睨みつけ
「ならねえッ、今度、余計なお節介をしやがったら、叩き切るぞッ」
兵庫「今度ばかりは、拙者(わし)もゆずらん」
半次「糞ッ、勝手にしやがれ!」
駆け出してゆきかけて、懐中から財布をとり出し
「釣り銭を返すぜッ」
たたきつけるようにして、半次は、角屋の方へ急ぎゆく。
C・M
 シーン449「重右ヱ門の部屋」
に、迫る兵庫。
横合いから、典膳が鋭く斬りつけて来る。
からくもかわした兵庫に、典膳の二の太刀。
身を沈める様にして、横に薙ぐ兵庫の峯うち。
決まって倒れる典膳。
主水、倒れる典膳を見やりながら、抜刀する。
兵庫、足場を選んで庭へ。
主水「十剣無統流だな」
兵庫「無外流か」
相対峙して動かぬ両者。
突如ー
全く同時に、二人の口から、鋭い気合いがほとばしる。
主水の正眼が、右双手上段に変わり、兵庫のそれが、左下段に変わる。
ゆっくりと崩れ落ちる主水の身体。
兵庫、チラッと主水の屍に一瞥くれると、重右ヱ門の部屋へ進んでゆく。
夜具をの上に座した重右ヱ門、兵庫を見つめて
重右ヱ「見事だ・・・その腕買おう」
兵庫「その前に死んで貰おう」
重右ヱ門の顔がゆがむ。
兵庫、袈裟がけに斬り斃す。
崩折れた重右ヱ門、美しい夜具の端を掴んだまま、息たえる。



「赤鞘だけが知っていた」 (第一シリーズ 第7話)

<キャスト> 有沢正子=妙 尾上鯉之助=関口無二軒 永田光男=磯川源左エ門 千葉敏郎=関口弥太郎 脇中昭夫=関口三十郎 大里健太郎=関口万五郎 加賀爪清和=市郎 広瀬義宣=大八 鷹司譲紀=高垣充之進 宍戸大全=関口軍平 前川良三=椋十 立花雄吉=寅吉 橋本明=次郎作

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=玉木照芳 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=浜崎敬三 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=桧垣久恵 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=小野登

兵庫は、街道で勝負を挑まれ、やむなく関口5兄弟の末弟を斬ったため、残る4兄弟に追われる羽目になる。
関口兄弟は、柳川の浪人、高い禄高で仕官するために、剣、槍、鎖鎌、小柄で容赦なく相手を倒してきた。
半次と相部屋の兵庫に、兄弟が果たし状を持ってくる。が、「負けるが勝ちと言うこともある」と、翌日、約束の場所に、兵庫は行かない。
その頃兵庫は、以前関口兄弟に門弟をことごとくたたかれ道場をつぶされた、高田流槍術の道場主の息子、郎に出会う。
道場を借りたいという兵庫の話を、情けは受けんと断ろうとした磯部だが、兵庫の槍の腕前に惚れ、使ってくれと申し出る。
道場は、兵庫のおかげで、再び活気を帯びてきた。郎も、兵庫を慕っている。しかし、まだ少年の郎が、関口兄弟を討つために槍術の練習に励む姿に、胸が痛む。
宿場の飯屋で、兵庫の噂を聞いた関口兄弟が、早速、磯部道場に来る。郎は、すぐさま、出かけていた兵庫のところへ走る。
「おじさん関口兄弟を何でやっつけるの?槍かい?刀かい?」といきごむ郎に、兵庫は、後から行くからと郎を帰す。
しかし、兵庫は帰ってこない。関口兄弟は、またもや兵庫が逃げるのではと懸念して、郎を人質に連れて行く。
兵庫は、飯屋で半次を見つける。半次は、兵庫が関口兄弟と勝負せずに逃げているのが気にくわない。「てめぇみたいな腰抜けの三品とは付き合わないことにしたんだ、悔しけりゃ、あいつら4人たたき斬ってみろ、仕官の口も見つかると言うもんだ」
「いつからそんなさもしい奴になったんだ」という兵庫に、「自分の友達が日本一になってもらいてぇや。関口兄弟を倒したのは自分の友達なんだと、おらぁ、言いたいんだい」と悔しそうに言う半次。「関口兄弟と渡り合って、勝てる自信はあるのかい?」
「4対1だ。勝ち目はあるまい」そこに、入ってきた町人が、関口兄弟と逃げた兵庫の噂を始める。それを聞いて、兵庫は覚悟する。
兵庫は郎を救いに、関口兄弟のいる旅籠に来る。
まず、小柄が飛んでくる。体をかわす。二本目の小柄を刀でかわす。兵庫は、走って町の入り組んだ路地に逃げ込む。4兄弟が追う。
兵庫が路地を縦横に走ったり隠れたりするうち、4兄弟は、別々になっていく。
兵庫が走ってくる路地の手前に、関口無二軒が槍を持って隠れている。兵庫に槍を刺そうとしたとき、屋根の上から半次が瓦を落とす。
兵庫はとっさに槍をかわし、屋根に突き刺させ、すぐに無二軒を刀で刺す。
屋根の上の半次は、小柄を持って兵庫の方に走ってくる軍平に、瓦をどんどん投げつけ、邪魔をする。
三十郎が鎖鎌を、兵庫の刀に絡ませる。兵庫、刀をとられまいとしているところに、後ろから弥次郎(剣)が来る。
半次は弥次郎にも瓦を投げつける。三十郎に鎖を引っ張られ、兵庫が倒れる。とっさに、半次が三十郎に瓦を投げつけ、兵庫はその隙に刀をとって、三十郎を斬る。弥次郎と一度刀を合わせて、そのまま走る。弥次郎、軍平があとを追う。
ここからは、2対1。小柄が飛ぶ。かわす。弥次郎が兵庫に斬りかかる。軍平は兵庫に小柄を投げようとするが、弥次郎と兵庫が戦っているため、投げられない。兵庫、威嚇のために弥次郎に刀を一振りして、その間に、馬小屋の馬を脅かして出し、弥次郎を遠ざけ、その間を利用して、軍平を斬る。
兄弟最後の弥次郎は、刀を下方に構え、兵庫は八双の構えで、じりじりと動きながら相手の出方を待っている。
弥次郎が斬りかかってきたところを兵庫が受け、弥次郎と兵庫は交差する。まだ体勢を立て直していない後ろ姿に、兵庫がいち早く向き直って、上段霞切り。「やったね、旦那」と喜ぶ半次。だが、兵庫は無言。
「おじさ〜ん」市郎が兵庫を探している。しかし、兵庫はこれに応えず、去っていく。
コメント:半次の口癖「やったね、旦那」が出てくる。タイトル「赤鞘だけが知っていた」は、主題歌「浪人ひとり旅」の3番にある。(じゅうよっつ)
見どころ:対決のためにストーリーが展開してますね。まさにドラマのポイントになっている。
見どころもたっぷりで、道場で一人槍ふるうシーン、貫禄ある道場主ぶり、子供とのやりとり、「市郎のためにもどうかご無事で」との道場主の娘の言葉に「武運があればな」と告げて決死の覚悟で決闘に向かう兵庫のカッコよさ!
最大の見せ場である決闘シーンも激しい立ち回りですごい迫力。岡野さま 2002年4月26日
4人がかりで、しかも鎖鎌や小柄を使うなんて嫌だ!最後には兵庫が勝つとわかっていても、こういうストーリーは「うえ〜ん、早く終わってよう!!」と思っちゃいます。そんな中でも、兵庫の子どもに見せる優しさや、焼津の兄さんの嬉しい助太刀(瓦を投げる)に救われます。(鈴雪さま 2009年1月18日)
開巻、関口兄弟の末弟と斬りあいますが、兵庫は右手を斬られますよね。結構な出血量で、「酔いどれ無双剣」で右太さまに斬られたときとよく似た構図です。ところが次のシーン、相手を斬り捨て、そのまま刀を鞘に納めますが、このとき右手には血が付いておらず、兵庫もまたちっとも痛そうな演技をしていません。あちゃー、兵庫には治癒能力があるのか?あんた超人ロックか?こういうアラを発見するのもまた楽しからずや、です!
ところで、タイトルにもなっている「赤鞘」ねえ。カラー放送でないため、知る術がありませんが、兵庫の例の日本一の長刀の鞘、黒色に見えるけど、赤いのかも知れません。赤というより、濃い赤褐色とでもいいましょうか。「浅間は怒っていた」で、兵庫初登場シーンは刀から先にカメラに入ってきます。このとき、光線の加減でどうも黒には見えないのであります。かねがね私が知りたいなと思うことのひとつなんです。果たして兵庫の刀の鞘は何色か?(キンちゃんさま 2009年6月16日)


「宝の山が招いていた」 (第一シリーズ 第8話)

<キャスト> 宮園純子=お梅 山城新伍=初五郎 内田朝雄=伝蔵 戸上城太郎=山尾半次郎 谷口完=三つ木の弥助 加藤浩=剣持治助 園千雅子=おきみ 遠山金次郎=室部 波多野博=番頭

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康

覆面の浪人に襲われた旅人を助けた兵庫は、旅人の死に際に、2千両になるという絵図面をもらう。
それは、3年前、運搬中の松本藩の公金1万2千両を奪い、その金を埋めた場所の絵図面の一部だった。
集まった元盗人仲間は絵師(頭)、浪人2人、女、牢に入っている盗人の妹と牢仲間、そして兵庫と兵庫を追ってきた半次。
半次は、兵庫に「旅で知り合った、ただの三下だ、宝を掘らせてから、その穴に埋めればいい」」と見捨てられて、捕らわれの身に。
もちろん、これは兵庫の策略。翌日、お宝を掘り出したところで、兵庫は悪人どもを斬る。
残ったのは、元牢仲間と妹、兵庫と半次。
この元牢仲間、実は、松本藩の侍で、公金を取り返しに来ていたのを、兵庫は知っていたのだ。
「耳に竹刀ダコのある旅人なんていないよ、おれは、このお宝を元の持ち主に返してやろうと、仏心を起こしたのさ。」
「おれにはうち明けてくれればよかったのに」と半次。「おまえには七生たたられる覚悟だったからな」
と笑って、兵庫はその場を去る。「お〜い、旦那待ってくれよ」 半次も、後を追う。


「月は見ていた」 (第一シリーズ 第9話 事実上の第1話?諸説あり)

<キャスト> 大村文武=三好新介 青柳美枝子=よしえ 内藤剛男=鈴木友二郎 五月女ユリ=お梅 小田部通麿=鎌五郎 相原昇=鈴木太兵エ 鈴木金哉=馬場啓之助 小田真二=川村源左エ門 堀広太郎=弥兵エ 有島淳平=宿の主人

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=結束信二 撮影=脇武夫 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=上野徳三郎 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康

兵庫は林の中から犬の悲鳴を聞く。
ゆけば見事な腕で斬られた死体を見つける。試し斬りか。だが首をかしげる。少ししか血をぬぐっていないのだ。
この宿場には何かある。宿についた兵庫は女中から代官所に人魂が出ることを聞く。
物好きにも見に行くと、若侍が松明に火をつけ代官所に合図を送っている所を目撃する。
しかし誰も出てこず、男は肩を落として去っていく。その時、代官所から悲鳴が聞こえる。代官が何者かに斬られたのだ。
兵庫は運悪く見つかってしまう。なんとか逃げきり宿に帰ってくる。
それを怪しげに見ている男がいた。焼津の半次である。
翌朝女中から犯人が捕まったことを知る。三好新介なる郷士で代官にとられた女の遺恨だという。証拠は家からみつかった血刀!。
宿を出ようとした兵庫は役人に捕まる。代官所の方角から戻ってくる浪人を見たと半次が訴えたのだ。
牢のなかで三好と出合った兵庫は事の真相をつきとめる。
脚本 結束信二  監督 佐々木康  
コメント
兵庫の旦那も半次の兄さんも若い。旦那は前髪が垂れかかっているせいか一瞬、目黒祐樹さんにそっくり(失礼、目黒さんがそっくりなのですね)の場面もありました。まだ猫も蜘蛛も出ませんが、「煙管の雁首が曲がっているのも」大嫌いな半次兄さんという設定は出来ていて、旦那が立ち上がる時、座布団の位置がずれたら、文句を言いながらきちんと定位置に直し、ついでに旅篭の入り口に立てかけてある傘もまっすぐに立て直してました。
他の場面では旅篭の各部屋にかかっている表札を一つ一つ真っ直ぐに直しています。旦那の方は終始、にこやかな表情のことが多いですが、まだ、どのような性格にするかはっきりとは決まっていなかったのかもしれません。ただ、最後に無実だった三好新介と一緒に新たな旅に出るよしえを励ます時のせりふには旦那の暖かさがよく出ていました。このちゃんの大きな魅力の一つはあのがっしりした暖かい声にあると思います。そして「剣術が好きだそうだな。なら、いいものを見せてやろう。十剣無統流 上段霞斬り」と言いながら代官の弟を切る時の早いこと、早いこと。大満足でした。(タキシードペンギンさま 2003年7月26日)
途中で流れている曲はなんと言う曲か知りませんがフルートの低音が渋い、凄い曲ですね。よく調べていませんが、相当の奏者だと感銘を受けました。私も長年笛を吹いていますが、久しぶりに良い演奏を聴く事が出来て喜んでいます。月影には時々、このような効果音楽が使われていますね。しかも何種類かあるようで、なかなか凝ったことをされていると思います。(黒い笛さま 2007年7月31日)
本当だ!絶対あれは実質の第一話ですね。そうでなくちゃ、旦那と半次の関係があまりにもおかしいです。とてもよそよそしいし、半次が旦那を代官殺しの犯人かもしれないなんて思うわけがない。あの当時見ていた人たちも「?」と思ったのではないかなあ・・。でも、あれを本当の一話にしてもよかったのでは?!だって、あまりにもカッコイイ!!兵庫の頭の切れと優しさに惚れ、最後の「上段霞斬り」に至ってはもう鳥肌が立つぐらい惚れました。ああ〜カッコイイ!!今、私は兵庫にぞっこん(死語?)です。(鈴雪さま 2009年1月25日)
大村文武さん:実質的な第一話といわれる今日の「月は見ていた」は、当時19歳であった青柳美枝子さんの可憐な姿にも胸を打たれますが、問題は三好新介役の大村文武さんです。大村さんの当たり役は何といっても映画版「月光仮面」の祝十郎ですが、その後はあまり役に恵まれず、テレビ界に移ってからは悪役がメインであったようです。私は中村梅之助さんの「遠山の金さん」や「伝七捕物帳」で大村さんの悪役ぶりを何度か見たことがありますが、「河童が夢を探していた」や「空前絶後の敵だった」での好漢ぶりとはあまりにかけ離れた情け容赦のない悪役ぶりに、すごく痛々しい感じがして思わず目を伏せてしまいました。同じ少年物ヒーロー出身の黒部進さんや中田博久さんがどのような悪漢を演じようと、このような気分にさせられることはありませんが、これも大村さんの繊細な個性のせいでしょうか。(2010年7月15日 長沢威さま)
事実上の第一話は?:この作品が事実上の第一話だと思います。恐らく殺陣シーンが少ないので初回には地味だと後にまわされたのだと思います。しかしラストの上段霞斬りがすごい迫力。 (岡野さま 2002月2月2日)
私なりに考えたのですが、やはり、「浅間は・・・」が第一話ではないでしょうか。作品の作りそのものが第一話らしいからです。まず、玉川氏のナレーションが、兵庫と半次の紹介という形をとっていますし、居酒屋での二人の出会いも初対面らしき演出です。次に、兵庫の剣の腕を少しずつ小出しにして、最後にワッと派手に、というプロセスで視聴者に見せている(竹を切る→荒くれどもを素手と峰打ちでたたきのめす→二十数人を斬り伏せる)し、半次の長脇差、キセルの紹介も用意されています。さらに、半次が最初に兵庫に対して抱いた敵愾心が、ラストで少しほぐれていくというのも、第一話らしいまとめ方だと思うからです。
ただ、制作順と放送順が違うというのは連続ドラマの常識ですから、「浅間が・・・」が、何番目に撮影されたかはわかりません。私が見たところ、それを推理するポイントは二つあります。一つは兵庫の「まげ」。もう一つは兵庫の「履き物」です。
兵庫のまげは、最低ふたつあります。「浅間は・・・」でのまげは、前髪がひと房、はらりと額にかかっていますが、全体的には髪を後部になでつけています。側頭部と後頭部の髪のボリュームが相当あるのです。そして一筋の前髪を別にすると、おでこがほぼ全開しています。オールバックといってもいいくらいで、むしろ相撲取りのまげに近いものがあります。かと思うと、「宝の山が・・・」でのまげは、前髪はらりは変わりませんが、額の上にひさしができていて、第2シリーズのまげにかなり近づいています。「風は・・・」「狂った刃に・・・」などはオールバック型なので、これらはもしかして初期の制作なのかな、と思っています。
次に履き物ですが、「浅間は・・・」と「風は・・」の二作のみ、兵庫はわらじを履いてています。そして、「白い雲が・・・」以降、大吉の最終回まで、わらじは履いていません。草履専門です。
このことからおしはかって、オールバックまげとわらじばきというスタイルが、兵庫のもっとも古いスタイル(てことはオリジナルってことか)ではないのかなと思うわけです。「浅間は・・・」と「風が・・・」(放映順でいうと第1、2話)がそれに該当します。この2作は続いて制作されたのかも。で、わらじは脱いだり履いたりが面倒なので、すぐに草履に変更になったのでは?と推理するのです。たぶん下衆の勘ぐりでしょうが。
ところで、「月は見ていた」ですが、長沢様や岡野様がおっしゃるとおり、これが第一話であると言われれば、なるほどそんな気もします。旅籠で二人が顔を合わせる場面で半次は兵庫を見て「だんな」と言いますが、これが微妙で、既知の間柄として「だんな」と言ったのか、初対面で見ず知らずゆえ、名前がわからず、(相手は武士なので)敬語として「だんな」と言ったのか、解釈が難しいです。後半、半次は役人に、兵庫が不利になる証言を平気でしてしまいますが、ここらも、まだ二人の関係が良好なものになっていない、つまりごく初期の段階であることの証明かもしれません。ただ、これが第一話としてつくられていたとしても、予告編が存在しているところをみると、制作サイドは最終的にこれを第一話にはしなかったようです。
ついでに「月は見ていた」は、兵庫にしては何かこうドロドロした内容で、異色だと思います。これって、もしかしてパイロット版かなにかで、お蔵入りになっていた作品だったのでは、って、それこそ下衆の勘ぐり。(2010年7月18日 キンちゃんさま)
品川隆二さんによると、やはり「浅間は怒っていた」が第1話とのこと。(「剣聖 近衛十四郎」での品川さんのトークショーで)


「狂った刃におびえていた」 (第一シリーズ 第10話)

<キャスト> 天野新二=里江紋十郎 舟橋元=兼松次左エ門 金子勝美=おしま 近松克樹=戸上勝馬 汐路章=上坂又兵エ 雲井三郎=葛城重右エ門 川路充=戸田左源太 小津敏=旅籠のオヤジ 石川阿弥子=おみね

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=桧垣久恵 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=小野登

その宿場は、用心棒もかなわない、皆殺しににして金を奪う4人組におびえていた。
兵庫は”4人組を成敗したものに20両”という高札をみて、彼らの根城があるという金剛岳へ向かう。
山で、兵庫は同じ目的を持った2人の男と出会う。一人は賞金稼ぎの浪人、もう一人は半次だった。
「おまえも賞金目当てにやってきたのか?」「冗談じゃねぇや、ぜに金目当てに悪党退治に乗り出すさもしい奴じゃない。さては旦那、賞金に釣られてやってきたな?」「ああ、おれはくれるものはもらう、素直だからな。」
その夜、二人が野宿している所に怪しい気配が。しかし、飛び込んできたのは、兵庫らを4人組と間違えた戸上勝馬という若侍。
兄を4人組に斬られ仇を討つまでは帰ってくるなと父に言われ、気の弱い勝馬はほとほと困っている。翌朝、3人は、4人組探しに出かける。
2人のあとをついてくる勝馬をかわいそうに思った半次は、旦那に何とかしてやれというが、兵庫は勝馬が、兵庫が4人組を斬れば父親にいいわけが立つのを待っているのを知っていた。それを分かっていても勝馬を追い払わないのは、「2本差しの仁義」だという。
兵庫と半次は昨日の賞金稼ぎに出会う。そこで、半次が縛られた娘を発見する。娘は4人組にさらわれたという。
3人がその娘に注意を向けているとき、後ろから忍び寄ってきた者たちがいた。4人組だ。娘は4人組の仲間だったのだ。
3人は刀を突きつけられる。まず、賞金稼ぎの浪人が腕を、胸を、斬られた。半次と兵庫も顔や腕を斬られる。まるで斬るのを楽しむかのようだ。
次は兵庫の番というとき、それまで隠れていた勝馬が意を決して4人組に斬りかかってきた。兵庫は倒れた勝馬から刀をとり、応戦する。
兵庫が4人組の頭を倒すと、残る3人は逃げた。
「私はダメな男なんです」言い口にだまされ娘を逃がしてやった勝馬の言葉に、兵庫は「男はな、一生に一度肝っ玉を据えてかからなくっちゃならんことが必ずあるんだ、普段はどうでもいい、そのとき肝っ玉が据わらないような野郎は男じゃねぇ」と怒鳴る。
彼らの根城が分からない兵庫たちのところに、昨日も見かけた薬草とりの女が来る。
女は、娘・おしのを捜していた。おしのは父親が人をあやめたために村八分になったため、宿場の人間を恨んで、4人組に加わったのだ。
兵庫らは、女が4人組がいるに違いないというそま小屋へ向かう。
残った3人の悪党が兵庫たちが来たのを察知して出てくる。「おまえも賞金目当てでやって来たのか」「それだけじゃない。、敵討ちの助太刀だ。
おい今だ、肝っ玉を据えるのは!」と勝馬に名乗りを上げさせる。・・・最後の一人が兵庫にかなわないと、おしまを人質にする。
勝馬が斬りかかって悪党にすきができたとき、兵庫が上段霞斬り。
呆然と座りこんでいるおしまと勝馬に、「20両で母親に孝行しろ」「侍に敵をとったと聞きゃぁ、オヤジも文句はあるまい」といい兵庫は去っていく。
「2本差しの仁義か、ははは、うれしい野郎だねぇ。」
見どころ:チャンバラいっぱい。まず4人組との対決。1人(雲井三郎さん)を倒したあと、槍を持った一人が前からかかって後ろに行くとき、それを追って、大きく足を斜め後ろに踏み出して後ろに刀を向け牽制する。前にも一人いるので、そちらに睨みをきかせつつ、そのあと足を用心深く元に戻すのだが、それがとってもリアル。左手で突きや振り回しての牽制もかっこいい。屋外でのチャンバラは生き生きしている。 兵庫が斬り合いながら2メートルくらいの所から悪党と転げるのは、ご本人かなぁ?確認できなかった。
半次兄さんのチャンバラも多い。屋根の上でチャンバラしたり、屋根から絡み合って落っこちたり、迫力満点。


「疑惑の笛が鳴っていた」 (第一シリーズ 第11話)

<キャスト> 雪代敬子=おきた 川喜多雄二=あんま 若宮忠三郎=名越右膳 飛騨昇=二階堂主計 高橋漣=おふじ・おしげ 大方重頌=近藤隆右エ門 団徳麿=亭主 福本清三(NC)=右から二人目(40:16)と右大アップ(40:20)

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=玉木照芳 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=浜崎敬三 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=桧垣久恵 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=小野登

黒覆面の男達と女がもめているところに、兵庫がやってくる。話を聞かれたかと、男達は血相を変えるが、兵庫の腕をおそれて逃げた。
旅籠に着くと、今度は、心中騒ぎに出くわす。「派手な宿場だ。」飲み屋のおふじとヤクザ者が毒を飲んで心中したらしい。
兵庫が入ってみると、部屋には倒れた男女と、酒の盆、立てかけたあるのは、まっすぐな刀だ。よくよく見ると、男は半次。
検死に来た役人は、兵庫が半次の胸に手をやり「まだ生きているぞ」というと、なぜか、困った顔。外には、あんまの笛が鳴っている。
今夜が峠といわれた半次だが、明くる朝、何もなかったかのように目を覚ます。
「なんだい、旦那じゃねぇか。そんなところで何をしてるんだい?」「呆れた奴だ、心中してけろっと忘れてる奴がどこにいるんだ。ハッハハ」
しかし、半次には全く覚えがない。ただ、昨夜の酒はきつかった。「ウァッハハ、俺が心中だと?ハハハ、、アイテテテ」
兵庫に言われて、思い出してみる。なるほど、昨日は、廊下で出会った女と酒を酌み交わしていた。女は飲み屋に勤めていて、「寂しい」と、半次を頼ってきた。「あの女、惚れやがったな」「焼津の、色男はつらいな」兵庫は笑いが止まらない。
ところが、兵庫と奉行所へ心中相手の女を確かめに来た半次、この女とは会ったこともないという。
兵庫が現場で見たのは、確かにこの女だった。そして、たしかに、飲み屋のおふじだ。
役人達は、毒気がまだのいてないんだと、半次の言うことを取り合わない。
兵庫には思いつく節があった。昨日、心中騒ぎの前に見た女だ。半次が飲み交わした女とどうやら似ているようだ。
半次は、女を探していて、あんまにぶつかる。「これから先は物騒でござんすよ」とあんまに言われてすぐ、半次に小柄が飛んでくる。
投げた相手は黒覆面の男だ。黒覆面と女を捜して、腐った屋根から落ち、偶然女の家に入る。
女は、博打の借金を払ってやるといわれ、眠り薬だといわれて、芝居をして、半次に飲ませていた。
しかし、詳細を聞く前に、黒覆面の小柄が飛び、女は殺される。半次が応戦しているところに兵庫も来たため、覆面男達は立ち去る。
再び、あんまの笛の音が聞こえる。このあんま、昼間は、兵庫がわざと抜いた刀の音に、反応した。ただ者ではない。
兵庫は推理する。半次が殺されそうになったのは、半次が誰かに間違われたか、女を殺すために刺身のつまに使われたかだ。
そこへ役人が来て、半次を女を殺した犯人として連れて行く。「お前は牢屋で一息入れてろ」と、兵庫は、一人、捜査に乗り出す。
おふじの働いていた店に、双子の妹のおしげがたずねて来る。兵庫は、おしげに、おふじは殺されたのではないかと思う、と話す。
おしげは、やっぱりと、驚かない。姉は、「婚約者の役人は殺された、死ぬ前、彼は悪党になれないと悩んでいた」と語っていたという。
そこに、昨日の黒覆面達が来る。おしげが人質に取られたため、兵庫は、刀を捨て、縛られ川に落とされる。おしげは牢屋に入れられる。
すべては役人の仕業だった。どうやら、半次を老中の内命を受けてこ奉行場の役人の悪行を調べに来た目付役と間違えているようだ。
昨日の心中も、役人の悪行を知ったおふじと、目付役と人違いされた半次を心中と見せかけて殺せば、一挙両得と考えたためだった。
半次とおしげが殺されそうになったとき、兵庫が来る。「あいにくだったな、お化けじゃねぇぞ」
兵庫は、「おめぇは俺を縛った奴」「貴様は後ろから斬りかかった奴だ」と一人一人、斬っていく。
ことがおさまった頃、侍に戻ったあんまが来る。実は、この男こそ、内命を受けて奉行所を探っていた目付役だった。
兵庫は陰で黒覆面の悪行を見ていたこの男に、川から助けられた。
「旦那も人が悪いや。こんなどえらい目にあったのははじめてだよ。」と半次が侍にぼやいている間に、兵庫は立ち去る。
見どころ:黒覆面の小柄で右腕をやられてからはずっと、左手一本の殺陣を見せてくれる。(じゅうよっつ)
左抜き打ちが見事にキマッていますね。左腕一本でも安定した殺陣を披露するのはさすが。(岡野さま 2002月4月30日)
「疑惑の笛が・・・」で、着流し兵庫が刺客に取り囲まれる場面で後方はるか遠くに山並みが見えます。民家もチラホラ。で、山のところどころに、何か白いものが見えているのですが、どうも鉄塔らしいです。それから、ラストの殺陣で、敵を「斬って」いるのになぜか峰打ちの効果音(「ボン」っていうやつ)でした。こういうのもご愛敬ですね。
半次との関係もまだこのころは微妙で、兵庫をしばしば「お前」と呼んでいますし、自然に旦那と呼んでもいる。兵庫は兵庫で、自分のことをいっぱしに批判したり評価したりする半次を愉快そうに受け入れている。器の大きさが感じられますね。この物語は、半次の視点で描かれていることも多々あって、たとえば「旦那はいい人だ」としみじみ独白させたり、「あじなまねしやがる」と(嬉しそうに)つぶやかせたりしています。半次は、ホームズに対するワトソン的なスタンスにいるのではないでしょうか。ですから、兵庫と半次を「弥次喜多コンビ」と形容するのには、私はちょっと抵抗があるのです。(2010年7月23日 キンちゃんさま)


「赤い渦が捲いていた」 (第一シリーズ 第12話)

<キャスト> 大原麗子=お里 原健策=小野木重エ門 波田久夫=石崎治太夫 西岡慶子=おきみ 加藤恒喜=弥一 大木勝=菊地剛太夫 岡玲子=おちか 大邦一公=久原源之丞 大月正太郎=源助 浅野公恵=おみつ 島田秀雄=太一

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷俊夫 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康

兵庫と半次は、兵庫と相部屋だった駆け落ちした若いカップルお里と弥一を、役人からかくまい、追い返す。
お里は、70歳になる殿様に目をつけられて城にあがれと言われたが、この二人は夫婦になる約束をしていて、逃げている。
殿様は、側役の小野木が来てから、こんなになってしまったそうだ。これを聞いた半次は二人を無事、逃がしてやる決意をする。
兵庫は、「3万5千石を相手に喧嘩するつもりか、俺は仏になるのは御免だ」と、乗り気ではなさそうだったが、半次達が旅籠から抜け出す時に、手引きをする。方法は一つ。山沿いに天領まで急ぐしか、助かる道はない。
しかし、思いの外警備が厳しく逃げ切れず、半次達は、今日祝言があって営業してないもう一つの旅籠の、若夫婦の寝室に潜り込む。
半次達と別れた兵庫もまた、桶屋や元の旅籠の台所に隠れるが、上手く突破できない。
兵庫は、花嫁が乗ってきた馬に乗って逃げようと、半次らは、カップルの話に同情した旅籠の若夫婦の案内で逃げようと、出てきた庭で会う。が、既に遅く、半次らと若夫婦の話を聞いていた役人が、大勢を引き連れてやってきた。
兵庫らは、役人の一人を人質にこの場を逃れようとするが、小野木は、平気で部下を撃たせた。
兵庫、半次ら4人は、側にあった荷車を押して、強行突破をはかる。あとは、天領まで、ひたすら走るしかない。
途中、腹痛で気弱になったお里をしかりとばす兵庫を見て、半次は、「旦那、さっきはすまなかったな。ついぽんぽん言っちまってよ。
だけど旦那が悪いんだぜ。あんまりひねた口の利き方するから」と、謝る。「ひねてて悪かったな」笑う二人。
あと、もう少しで天領というところまで来た。半次と兵庫の先導で、隠れていた鉄砲隊も、無事切り抜けた。
しかし、あくどい小野木は、それであきらめてはいなかった。
半次らをかくまった旅籠の若夫婦を連れ出し、この場で処刑すると脅す。お里、弥一が、家老達の元へ行こうとするのを止め、怒った兵庫は俺が片をつける、と、家老の方へ歩き出す。「撃つなら撃て。自慢じゃないが、俺の小柄は鉄砲玉より速いんだ。」
そこへ、馬に乗った家老が来る。昨日逝去した殿が、小野木にこのようなことを命じるはずはない、と、小野木の悪行をとがめ、城へ引っ立てようとする。それでも兵庫は、「こいつをぶった斬らなきゃおさまらない」と、小野木らを斬り、家老に、自分の処遇を求める。
家老は、代官に身柄引き渡しを要求するまで天領にとどまれ、と兵庫に命じる。半次は、「粋なさばきをしやがったもんだ」と感心するが、兵庫は、「きざな野郎だ、こうなる前に女狂いの殿様をいさめ、小野木の首を切らなきゃならなかった。それができないで、今頃になっていいかっこしやがって。だから宮勤めはいやなんだ。」と言う。「ひがみじゃねぇぞ」「わかってるよ」
兵庫は、お里らに何も言わず立ち去る。半次「おいおい、旦那、またかい。言いたいことだけ言いやがってよ」(じゅうよっつ)
見どころ:まさに視聴者をグイグイ引きつけるって感じですね。殺陣も宿屋のシーン、障子に隠れて鉄砲隊を真っ先に斬り捨てるなど
合理的に動きますね。血路を開くために敵中に斬り込んでいく兵庫のカッコいいこと!(岡野さま 2002年4月16日



「女は聞いていた」 (第一シリーズ 第13話)

<キャスト> 二階堂有希子=八重 八代真矢子=お浜 小柴幹治=井原 小川孝=喜十郎 国一太郎=倉橋孫之丞 五十嵐義弘=刈屋三蔵 東竜子=お種 川浪公次郎=番頭 香月涼二=川村 中村是好=刈屋弥平太 山本耕一=沼部軍太夫

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=脇武夫 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 語り=玉川良一 監督=佐々木康

街道で、旅人から50文とって通行させる浪人がいる。そこに、旅姿の侍がやってきて、浪人の振る舞いに腹を立てるが、この刈屋三蔵、200両の御公金を江戸から運ぶ大事なお役目をうけていた。お役目優先で刈屋が50文払ったのを見て、他の旅人も浪人に金を払って通っていく。最後に通ろうとした若い娘、八重が、浪人にからかわれ、休んでいた刈屋の所へ逃げ込む。
それが縁で、刈屋は八重と同行してやることになった。
夜、旅籠の庭で、兵庫は月を見ながら酒を飲んでいた。と、そこに、ボロボロの着物を着た浪人が入ってくる。声をかけると、慌てて出ていった。兵庫がこの浪人の方を気にしていると、旅籠で女の悲鳴が聞こえ、その直後、別の浪人が、走り去っていった。
刈谷が殺されていた。一刀両断に斬られていることから、同じ旅籠に泊まっていたもう一人の侍である兵庫に疑いがかかる。
兵庫、たまたま50両の金をもっていたから、なおさら都合が悪い。「俺が犯人だとすれば、150両隠して50両懐にもって来たということになる。疑われるのを承知で50両持って旅籠に戻るバカに、俺が見えるか。」
しかし、埒があきそうにない。こうなったら、自分で身の証を立てるしかないと役人達に当て身を喰わせ、役所を出ていく。
宿場では、この3年間に、複数名の仕業と思える4件の公金強奪事件が起きていた。
まずは、1年前から宿場にいるという、ボロの着物を着た浪人の居場所を突き止める。だが、浪人の家の中は、位牌が一つだけ。
とても物取りの家とは思えない。この浪人は、1年前に、公金を運んでいた父親が殺されて以来、仇を捜していたのだ。
事件当夜刈屋の部屋に近かったのは、八重と、兵庫にこの旅籠に泊まるなと言った、三味線を持った粋な女お浜。
殺された刈屋の部屋の手すりには、夜目にも分かる白い手ぬぐいがかかっていた。下手人は複数、手引きをしたものは旅籠内にいた筈だ。
兵庫を犯人とかかってくる役人と浪人を一喝し、真犯人をとらえるために、兵庫は一計を案ずる。
兵庫が、役人殺しの犯人として籐丸かごに乗せられて、やってくる。旅籠の旅人達の足止めも解かれ、三味線のお浜、八重も、旅立つ。
と、前と同じ浪人が、街道で旅人から通行料を取っている。そこに、兵庫の案どおり、役人、沼辺が来る。
「こいつだ。月影殿の言うとおりだ。」通行料を払って進む。他の旅人も続く。浪人はまた、八重の後を追いかける。
お浜は、前と同様、黙ってそれを見ている。八重は、刈屋の時と同じように、沼辺に助けを求め、同道させてもらう。
夜、沼辺の隣には、お浜が部屋を求め、隣りの様子をジッとうかがっている。反対の隣の八重は、お茶を沼辺に勧める。
寝静まった頃、昼間の浪人が来る。手すりの手ぬぐいで、部屋の位置を確かめながら、忍び込む。お浜は、物音に目を覚ました。
浪人が布団の中の沼辺を刺そうとしたとき、布団の兵庫が起きあがる。部屋に八重が入ってきて、「早く殺しておしまい」と浪人に命令する。
兵庫が手引きとにらんでいた八重は、浪人の親分だったのだ。隣の部屋からお浜が入ってくる。手には十手。
「この女がくさいのはにおっていたが、姉御の懐から十手が飛び出すとは思うても見なかったぜ。」
浪人を斬り、八重の持つピストルを刀ではねのける。八重は強奪団をおっていたお浜のお縄になる。
すべてが片づいたとき、役人達が入ってきて、兵庫に非礼をわびる。
「おなごは怖いのぉ、ご一同。わしもこれで気が済んだよ。」開いた雨戸の外を見やる。「今夜もいい月だ」
コメント:今回は、半次は全く出てこない。


「友の情けは遠かった」 (第一シリーズ 第14話)

<キャスト> 北竜二=宮島頼母 新城みち子=おすみ 永井柳太郎=民蔵 尾形伸之介=遠藤文次郎 江木健二=清吉 河村満和=横山大二郎 香月涼二=宮島左馬之助 辻鏡二郎=三吉 長田健二=文次 大木実=大内新兵衛

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=結束信二 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=井筒俊彦 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 監督=佐々木康・林伸憲

半次は、昔世話になった民蔵親分を訪ねていた。すでに足を洗って心臓病で床に伏せている民蔵だが、息子の清吉には、やがて迎える嫁も決まっており、幸せそうだった。しかしそこに、突然、家老の道楽息子によって斬られた清吉が運ばれてくる。
息子が無礼討ちと称しひどい仕打ちで殺されたことを知り、ショックで民蔵まで亡くなり、半次は、仇を討つために、家老の息子らが酒を飲む料亭に乗り込む。大暴れの半次を制したのは、兵庫だった。兵庫はたまたま、剣友・大内新兵衛と何十年ぶりかで会うために、ここに来ていたのだ。目付役をしている新兵衛の話では、家老は侍らしい侍、清吉を斬った家老の息子はダメなヤツで新兵衛も手を焼いているらしい。
「侍らしい侍か、まずいな」兵庫はいやな予感を覚える。その予感通り、新兵衛の事情説明を待たずに、面体を傷つけられたままで帰って来るなと、家老に家を追い出された息子とその仲間は、兵庫と半次に襲いかかり、兵庫は峰打ちのつもりが、間違えて、家老の息子を斬ってしまう。
新兵衛の尽力で、家老も非が息子にあると認め、ことは収まったかに見えた。兵庫と新兵衛は、明日の別れを前に、最後の晩を飲み明かす。
しかしその早朝、新兵衛は、城から至急登城せよとの命をうける。どうやら、この一件が殿の耳に入ったようだ。新兵衛は、なるべく早く城下を出た方がいいと、兵庫に道を教え、城へ向かう。
予想通り、家老と兵庫、新兵衛のあいだでは納得済みのこの一件で、殿から、新兵衛以下7名に、藩の面目をかけて兵庫を討てと主命が下っていた。
しかも、殿の送った鉄砲隊が、すでに兵庫らを待ち受けているというのだ。新兵衛は急ぐ。
国境を目指す兵庫らの前に、新兵衛らが立ちふさがった。侍の兵庫には、新兵衛がここにいる意味に察しが付いた。
「やむをえん、主命を持って討ち取る」「ゆくぞ。あれから何十年、無駄飯は食っておらんぞ」「俺も同じだ」二人は、刀を抜き、構える。
数回激しく刀をまじえたあと、短いうめきと共に新兵衛が倒れる。「これでいいのだ、俺は満足だ。武士として最高の相手と戦った、かたじけない」新兵衛は最後の力をふり絞り、兵庫に、この先に鉄砲隊が待ち伏せしている、気をつけろと伝える。
「そうだったのか、新兵衛は戦うためでなく、鉄砲隊の前に俺たちをさらしたくなかったのだ」花を手向けて新兵衛を拝み、兵庫と半次は発つ。
しかし、無事に、鉄砲隊を避けて城下を出る直前、兵庫は、別の浪人と旅人が、何も知らずに街道を歩いてくるのを見つける。
このままではあの二人が撃たれる。半次の制止をふりほどき、鉄砲隊に斬り込む兵庫、半次もそれに続く。
しかし、相手は鉄砲隊だ。腕を撃たれ、足を撃たれ、動けなくなった兵庫に鉄砲が突きつけられる。バーン!
「旦那あ!」動かなくなった兵庫に、半次が駆け寄る。低いうめき声と共に、兵庫が動いた。「旦那!」「ああ・・・もう終わったよ」
ゆっくりと起きあがろうとする兵庫。瀕死の怪我を負った兵庫と、兵庫の倒れそうになる体を支える半次が歩き出した。
コメント:最後の銃撃シーンで、撃たれて草むらに転げるところは、このちゃんじゃなくてスタントさんのようだった。(以上 じゅうよっつ)
涙が出そうになりました。兵庫と新兵衛の友情は素晴らしいけど、悲しすぎました。そして、最後の「関係のない浪人と旅人を犠牲にするわけにはいかない」と自らを投げうって切り込んでいく兵庫。「やめて〜」と心の中で叫びました。でもそれが兵庫なんだ。(鈴雪さま 2009年2月8日)
ラストで半次が兵庫に肩を貸して歩く場面には感動しました。泣けましたね・・・ただその前に兵庫が倒れて至近距離から鉄砲を撃たれる場面でどうして兵庫が助かったのか不思議でした・・その場面は映っていなくて、鉄砲の音だけが聞こえたので半次と同じく私もやられた・・と思ったのですが(あの場面ではだれでもそう思いますよね・・・さすがの剣豪でもあんだけ近くに鉄砲があるんじゃ・・・)私としては できれば弾をさけて相手をやっつけた場面を見たかったです・・・(たとえば例の百発百中の小柄を投げたりして・・・)なんか音だけしていつのまにか相手が倒れていて、兵庫が助かったのが、なにかわざとらしく思えて・・・(わたしだけでしょうか?そんなこと考えたのは^o^ ただせっかくのいい場面だったので起死回生の兵庫がの活躍を見たかっただけです。)(天童左近さま 2009年2月9日)
(↑の天童さまのコメントに対して)私も同じように思いました。「なんだなんだ、どうやって助かったんだ??」って。でもそこは、あえてファンのみんなに想像させたのかな…って思うことにしました。「おかしいな」と思う気持よりも、「あ〜兵庫、助かってよかった」と思う気持ちの方が強かったので…だから「ま、いいか」と思うことにしました。(^_^)(鈴雪さま 2009年2月9日)
玉川氏(玉川さんのナレーションについては、第一話にもあります)が語り手を降りた「友の情けは・・・」から、それが合図ででもあるかのように、毎回おなじみのラストの「これでおしまい」の文字がいくぶん小ぶりになっちゃいました。それにしても、「友の・・・」は兵庫の魅力を遺憾なく発揮した秀作であることにわたしも異論はありませんが、永井柳太郎さんが死ぬ時のお顔、あれ何とかなりませんかねぇ。ご本人は熱演されていることはわかるのですが、うちの豚児はあの顔を見て「くくっ」と笑いをこらえていました。しかもあのサインペンで書きましたと言わんばかりのソバカス。あそこは半次の大恩ある親分の死というヘビーな場面なのに。けれど、こういうところも私、大好きです。(2010年7月25日 キンちゃんさま)


「法華太鼓が響いていた」 (第一シリーズ 第15話)

<キャスト> 吉行和子=おたみ 荒木雅子=おしの 明石潮=利平 入江幸江=おせん 牧田正嗣=作次郎 楠本健二=石塚猪十郎 源八郎=伍作 村居京之輔=森右エ門 賀川泰三=太助 真木祥次郎=徳兵エ

<スタッフ>
 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

兵庫は、「今夜暮れ六つに命を頂戴する」という庄屋の喜右ヱ門宛ての脅迫状の犯人に間違われ、それが縁で庄屋の用心棒を頼まれた。喜右ヱ門は、町の人々から慕われている人徳者だ。竹槍を持った町人と兵庫が待ちかまえる中、法華太鼓の音が聞こえてきた。
が、それは日蓮宗を装った浪人達だった。兵庫が気づいて、町人達に「持ち場を離れるな!」と叫ぶがとき既に遅く、庄屋は殺されていた。
傷は二カ所。一カ所は凄腕の切り口。もう一カ所、とどめを刺したのはなまくら腕だ。
おかみさんに「浪人まで雇うとは、よほどの恨みを持っている奴だ」と心当たりを聞くが、おかみはどうしても喋ろうとしない。
一方、半次は、街道で、凄腕の浪人に脅されて、この町に手紙をもって来て、町を去ろうとしていた兵庫に出会う。手紙はまたもや脅迫状。
今度はおかみさんの命を頂戴するというものだった。兵庫は、浪人が斬ったという木の切り口をみて、庄屋を斬ったのと同一人物だと見抜く。
兵庫と半次は、犯人を推理する。なぜ、わざわざ予告までして人を斬るのか?犯人はうちの中をよくしっている腕の立たない奴だ。
もしかして、喜右ヱ門の弟、作次郎が庄屋の地位を狙ったのか?
二人は、喜右ヱ門のうちで女中をしているおたみに作次郎のことを聞く。おたみは目の見えないぜんそく持ちの父親と二人暮らし。
医者に見せようと旅をする途中でこの村で倒れたのだ。おたみの話では、作次郎は15年ぶりにこの町に戻ってきたそうだが、庄屋夫婦との仲は悪かったらしい。
二人が庄屋のうちへ戻ってみると、おかみが自害していた。おかみの死体のそばには、娘のおせんへ宛てた脅迫状があった。
兵庫らは、喜右ヱ門の弟・作次郎を問いただす。作次郎は、15年前の事件を話し出した。
喜右ヱ門は町のためにつくす庄屋であったが、一方、名誉欲が強く、当時、名字帯刀を強く望んでいた。そんなとき、キリシタン迫害があり、この町に逃げ込んできたキリシタンの親子4人を、喜右ヱ門が手柄にしたいために改宗させようとムチで痛めつけた。
妻と子供一人が死に、喜右ヱ門もさすがにろうばいし、父娘は逃がしたのだった。作次郎はその事件をきっかけにこの町を出た。
喜右ヱ門はこのことを隠すために、使用人に暇をだし、もう、この事件を知る町人は自分しかいない。
その話を部屋の外で聞いていたおたみは、15年前のムチの音を思い出していた。家に戻ると、目の見えないはずの父親が小刀を持っている。
庄屋殺しの犯人は父親だった。今まで、目の見えない病人のふりをして娘さえ欺きながら、復習の機会を狙っていたのだ。
おたみはお嬢様まで殺すのはやめて、と頼むが、キリシタンを捨て、復讐の鬼と化した父親は聞く耳を持たない。
やがて、暮れ六つが来る。兵庫らが警備に当たる中、悲痛な面もちのおたみがおせんのいる部屋に入っていく。
「おたみはお嬢様をお守りします」兵庫がおたみを止めようとしたそのとき、法華太鼓の音が鳴り響いた。
兵庫らは浪人達と戦う。最後の凄腕の一人を斬ったとき、おたみの父親が、おせんのいる部屋に入ってっていき、後ろ姿の女に刀を刺す。
「おとっつぁん」とようやくおたみが声を上げる。父親はそれが自分の娘だったと気づき、自害。兵庫らは間に合わなかった。
兵庫は、作次郎に用心棒代の10両を渡して、「せめて成仏できるように立派な墓を建ててやれ」と言い残して去る。
「焼津の、一杯やるか。嫌な夢を吹き飛ばすのは酒が一番だ、もっともおれはからっけつだが、その方はよろしく頼むぞ」半次が力無く笑う。。
見どころ:浪人3人に後ろ横、前を囲まれたこのちゃんの殺陣がすごい。他の二人に注意しながら、後ろの浪人にすかさず刀をむけて脅す、後ろからまず斬る、横!最後の凄腕の浪人との殺陣は特に気合いがはいっている。


明日が待っていた」 (第一シリーズ 第16話)

<キャスト> 須藤健=伊藤代治郎 岸本教子=お絹 早川純一=喜一郎 有川正治=塚原伝十郎 市村昌治=甚吉 小美野欣二=小野安之助 高松錦之助=飯屋のおやじ 唐沢民賢=正三郎 土橋勇=沖太 宮城幸生=村上三十郎 北川俊男=松吉 大江光=老婆 岡嶋艶子=母親おかね

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=小滝光郎 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

兵庫は妙に陰気くさい村にやってくる。
役人に追いかけられた娘をかばい、逆にその役人に、助けを求められる。
この村では、低く抑えた年貢さえも納めず山に立てこもっている百姓たちがいて、その者たちを説得してほしいというのだ。
出された12両のうちの1両を受け取って、兵庫は山へ行く。が、百姓たちの話を聞いているうちに、現実との違いに気づく。
後日、同じ村に来た半次は、同じく、村役人に援護を求められる。
しかし、役人と上役の話を聞いてしまった半次は、ことの次第を知り、役人を振りきって、兵庫のいる山へ向かう。
兵庫と半次は、百姓たちを避難させ、2人で山に来た役人や浪人たちと戦う。
「おれは、百姓がこの国を支えていることを忘れるところだった」 百姓グループと兵庫たちのあいだのわだかまりが解ける。
「旦那いいとこあるね」「おまえこそ、こんな山のなかまで来るなんておまえくらいのもんだ」
2人は、笑いながら、再び旅を始めた。
コメント「法華太鼓が響いていた」「明日が待っていた」両方とも、庄屋や代官に苦しめられる百姓・村人たち・・がテーマでしたね。軽い気持ちで見始めたら、いつの間にか真剣な顔になっていました。「明日が待っていた」の最後の兵庫と半次の会話「だんな、いいとこあるねー」「おまえもなかなかいいとこあるぞ。わけもわからずやみくもに山まで知らせに来るなんてお前じゃなきゃできねえからなあ。はっはっはっ」「ちぇっ、それでも誉めてるつもりかよー。うわっはっはっはっー」と二人で笑いあうお顔が最高でした。この回の半次兄さん、なかなかの機転のきかせかたでした。(鈴雪さま 2009年2月15日)


「真赤な花が咲いていた」 (第一シリーズ 第17話)

<キャスト> 小林哲子=万姫 加藤三紀子=おきく 林彰太郎=九鬼新八郎 上野山功一=梶田四郎兵衛 大邦一公=結城忠政 笹みゆき=おはな 藤沢徹夫=世之助 毛利菊枝=多門

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

兵庫は、覆面侍に男が殺されるところを目撃する。旅籠の女中の話では、結城家の跡取り娘、万姫の差し金だという。
万姫は、縁談話がこわれて以来、強い男や美男を呼び、求婚を断られては、その男を殺して、これで9人目だそうだ。
翌朝、兵庫のもとに昨夜の侍が来る。結城家の家臣、梶田だった。
兵庫は、姫の武芸指南役に請われ、通された部屋で、口封じのために梶田らに襲われるが、万姫が止める。
万姫は兵庫のことを知らなかった。姫が呼んだ男達が殺されたことも知らない。誰も信じられない、と兵庫に話す。
破談の傷が深まるばかりだから、男を御殿に呼ぶのはやめなさいと臆せず意見する兵庫を、姫は気に入ったようだ。
その夜、御殿女中のきくが姫の寝室を狙っていた。きくは、姫に呼ばれて殺された兄の仇を討とうとしていたのだ。
兵庫から、犯人は姫ではない、真犯人を教えてやるからと言われ、、一旦、姫をあやめるのを思いとどまるが、姫のお側仕えの多聞にそそのかされて、再び寝室に入り込み、姫の腕に怪我をさせる。
翌日、兵庫を心配して御殿に忍び込んだ半次に姫を託し、兵庫はきくの後を追う。梶田らに斬られかかったきくを救い、きくの話から、姫をやれとそそのかした多聞が、男9人を殺した真犯人と見当をつける。
多聞は息子、新八郎を江戸から呼び寄せていた。新八郎は殿と多聞の間にできた子、多聞は乱行をでっち上げて万姫を失脚させ、息子に結城家の跡目を継がせたいのだ。天井裏で様子をうかがっていた半次が見つかり、兵庫と半次は家臣に取り囲まれる。・・・
梶田が兵庫と半次に鉄砲を向ける。万姫が出てくる。兵庫が万姫を見る。だが、万姫は止めようとしない。多聞から、兵庫はきくに気があると言われ、嫉妬していたのだ。その瞬間、きくが兵庫の前に走り、撃たれて死ぬ。恋に死んだきくに負けたと言う姫に、ことの真相を話し、きくを許してやるように言う。多聞は自決した。
「姫さま、つい長逗留になりましたが、これでお別れします」「そなたのことはいつまでも忘れぬ」「お姫様も楽じゃねぇなぁ。」
二人の晴れ晴れとした表情で、おしまい。
コメント:前半の鞘を使った二刀流の殺陣シーンにご注目下さい。兵庫の持っている大刀、本身だと思います。部屋を出て両手を広げた時の刃の輝きが模擬刀とは明らかに違いますし、庭に下りた直後、横から斬りかかってきた敵に上段で刀を交えた所で火花が散っているのが確認できます。本身でもほとんど太刀捌きのスピードが変わらないのが凄い(岡野さま 2002月2月2日)


「浜の千鳥が啼いていた」 (第一シリーズ 第18話)

<キャスト> 南廣=鹿沼の勝蔵 天津敏=間弥十郎 小林重四郎=鎌田の仁吉 佳島由季=おみつ 島田秀雄=疾風の喜市 川浪公次郎=鬼三 名護屋一=浅吉 

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

半次はどの旅籠も閉まっている港町で、しようがなく二足のわらじを履く鎌田の仁吉の世話になろうと出向くと、そこで、顔見知りの鹿沼の勝蔵がやられているのに出くわした。勝蔵は、おみつのことを訊いただけなのに、こんな目に遭った。
その場を取りなして仁吉の所を出て、半次は勝蔵にわけを聞いた。
勝蔵は3年前、仁吉の賭場で壺を振り、覚えのないいかさまで争い、浜に倒れていたところをおみつに救われた。
2ヶ月の看病ののち、勝蔵は、きっと堅気になって迎えにくるからと、1年待ってもらう約束をしておみつを残し江戸に発った。
しかし、5つのときから振っていた壺をやめることはできず、「商売に励んでいるからもう1年待ってくれ」と、結局2年待たせてしまった。
そして、今日、おみつに謝ろうとこの港町にやってくると、おみつは煙のように姿を消していたというわけだ。
半次は、勝蔵に同情して、おみつ捜しに協力することにし、勝蔵と共に、岬に一軒開いているという旅籠に向かう。その旅籠は、先ほどの港町とはうってかわって、わけのわからない格好をした連中がどんちゃん騒ぎをしていた。
一方、兵庫も、港町で泊まれなくて、岬に向かう途中だった。仁吉らと海賊がなにやら取引の相談をしている現場に出くわすが、海賊の頭と呼ばれる若い女に、「早く行け」と言われて、無事岬の旅籠にたどり着く。
「お前と相部屋とはついてないなぁ」相部屋になった兵庫は、半次らの話を聞き、おみつは遠い国に売られてしまっただろうと推理する。
上で騒いでいる奴らは、先ほど兵庫が取引の現場に出くわした海賊の連中だった。これからおみつのように女を売るつもりなのだろう。
女達を救うために取引の現場を押さえようと、半次と勝蔵は、仁吉を見張る。夜、仁吉の元に海賊の第一の子がしら、間弥十郎がくる。
かしらのおみつは、2年前、仁吉から海賊に売られた娘の一人だった。それが、当時のかしらに気に入られ、いったんは拒んだものの、逆に色目を使ってかしらに取り入り、その後、かしらを撃って、自分がかしらになったのだ。しかし、いままで見事に海賊達を裁いてきたおみつは、この港町へ来て、様子が変だという。弥十郎はおみつを殺し、自分がかしらになろうと企てている。
半次は、仁吉の元を出た弥十郎をつけていき、おみつらしい女にあう。兵庫はそれを聞いて、なにか思い当たったようだ。
「勝蔵にはいうな」と半次に言い、二人で勝蔵が一人残った見張り場所に向かう。
朝、いよいよ仁吉が取引のために動き出した。兵庫は勝蔵に、「何が起こっても腹を据えてかかれ」といい、3人は仁吉の後をつける。
仁吉らが女達を隠しておいた場所に来ると、見張り役のヤクザ達が一人残らず殺されている。
そこからおみつが姿を現す。女達を逃がしたのはおみつだった。
おみつは、自分を売った仁吉らに復讐するために、海賊になってまで機会を狙っていたのだ。おみつは仁吉を撃つ。
おみつの声に、勝蔵は「おみっちゃん」と近寄るが、「あたしゃぁおみつじゃないよ」と言い張る。そこに、弥十郎が来た。
おみつを追ってきた勝蔵に、弥十郎のピストルが火を噴こうとしたとき、おみつが弥十郎をかばって倒れた。
兵庫らが、弥十郎ら海賊を倒す。そして兵庫によって腕に傷を負った弥十郎に、勝蔵はとどめを刺した。
急いでおみつを抱き起こす勝蔵。「勝蔵さん会いたかった。おみつは幸せだよ。」といっておみつは息を引き取った。
兵庫「おみっちゃんは死んだんじゃねぇ。おまえの胸の中に生きてるんだ。お前は幸せな奴だぞ。俺の胸なんか、空っ風が素通りだ。」
「分かったよ、泣いちゃいねぇよ。」と勝蔵。半次も、鼻をすすって、兵庫の後に続く。


「見知らぬ国のことだった」 (第一シリーズ 第19話)

<キャスト> 中山昭二=青葉源三郎 香川良介=白崎紋十郎 小柴幹治=苗木左近 園浦ナミ=おしま 相原昇=幻の六兵衛 那須伸太朗=近藤重兵衛 壬生新太郎=工藤 白川浩三郎=杉山

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=石倉元一 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=高橋清彦 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=桧垣久恵 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

静まりかえった夜、ある城下町、侍達が誰かを追っている。半次が酒を持って歩いていると、呼び止める声が。
「酒を飲ませてくれ」と頼む男は、瀕死の重傷。男は幻の六兵衛と名乗る泥棒で、半次に紙切れを渡して死ぬ。
今度は紙切れを持った半次が追われる羽目になるが、折良く兵庫に出会い、その凄腕に侍達は半次をあきらめる。
紙切れは丑蔵という男の犯科帳。犯科帳を500両で盗めと頼んだのも六兵衛を斬ろうとしたのも、立花藩城代家老・近藤。
どうやら、盗ませた後、500両が惜しくなって六兵衛を斬ろうとしたようだ。
兵庫の企てで、半次は近藤家に出向き犯科帳をネタに500両をゆする。翌日、近藤家用人・青葉が約束の場所に来るが、その場には、もう一派、侍達が来ていた。兵庫がつけると、侍達が戻った先は、同じ藩のお側用人・白崎家だった。
今度は、半次は白崎家に向かう。が、半次は逆に、犯科帳を出せと、こっぴどくやられ、縛られ監禁される。
半次を救いに白崎家に来た兵庫が、半次と引き替えの偽の犯科帳を地面に放り、後ずさると、近藤家の青葉がきてその場は両家の争いになる。それに紛れて兵庫と半次は、川番の番小屋に身を隠すことができた。
「ひでぇことしやがる。お前に危ない橋を渡らせた俺が悪かったよ」横になった半次の血を拭いてやりながら兵庫が言う。
「いいんだよ」「本当にすまなかったなぁ」「もう言うなよ、俺とお前の間柄じゃねえか」
でも、もう500両はあきらめようという半次に、兵庫は、金じゃない、泥棒に欲しいものを手に入れさせといて、泥棒をやっつけてそれを手に入れようとする了見が気に入らないんだと、本音を話す。「旦那には恐れ入ったよ、ハハハ」目をつぶる半次。
「半次、傷は痛むか?」半次は応えない。「ふっ、寝付きのいい奴だ」と兵庫も座って目を閉じる。半次が目を開ける「旦那はいい人だ」
数日後、兵庫が犯科帳の謎を解いて番小屋に帰ってきた。ことは、立花藩の跡つぎ問題に関わっていた。死んだ立花藩の殿様には、正室の子供がいなかったが、下女に生ませた男の子がいた。ところが犯科帳の丑蔵は、この下女の父親。父親が罪人では家名に傷が付くと反対する城代家老の近藤一派と、お家安泰のためにその子を跡取りにしようとする白崎の一派が対立していたのだ。
双方が、それぞれの目的達成のために、犯科帳を手に入れたがっていた。
兵庫らは、双方を番小屋に呼び、犯科帳の入札をさせようとするが、失敗。その後、白崎が、再び兵庫らの元を訪れる。
白崎の、決して自分の野心からではない、これが最後の奉公で、跡取りが決まれば引退する、という話を聞いて、兵庫らは納得する。
が、半次が白崎に渡すために犯科帳をとりに行くと、そこに番小屋での話を盗み聞きしていた近藤家の青葉らがきて、半次から、犯科帳を取り上げた。
兵庫は、近藤家に行き、明日の評定のことを話している城代家老から犯科帳を取り戻す。用人達が襲ってくる。が兵庫は庭のたいまつに犯科帳を近づけ、下女の子供も同じ人間だろうが、と言って犯科帳を燃やした。用人達はなおも襲いかかろうとするが、家老は、「やめい」と一喝し引き上げる。用人達も続く。最後に残った青葉が兵庫に言う「拙者も素浪人になれば同じ事を言うかもしれん」近藤家から出てきた兵庫に、外で待っていた白崎らが頭を下げる。
二人はまた、旅を始めた。
コメント:何度見ても感動しました!特に半次が痛められて、傷ついて寝ている時の兵庫が心からの半次へのやさしい言葉がけに深い情愛を感じました。半次も寝ているふりをして、旦那へのやさしさをすなおに受けているのが印象的でした。(残念ながら花山大吉では、ここまで心の中を映し出しているシーンはありません・・・)2年前に同チャンネルで月影の第一シリーズを見た時は、花山大吉を見慣れていた私にとって、あまりにもかけはなれた設定で(第二シリーズではだいぶん大吉に近づいてきましたが・・・)またシリアスな場面が多くて、少し物足りなさを感じていたのですが、今回改めて第一シリーズを見ていくと、これはこれでとてもいい雰囲気だなと思ってきました。花山と月影第一シリーズは好対照ですが、どちらもいいですね!第一シリーズもファンになりました^o^(きざくら&ようめいしゅさま 2009年3月2日)



「くるみを鳴らしていた」 (第一シリーズ 第20話)

<キャスト> 大川栄子=お秀 千葉敏郎=阿座上弥九郎 近松克樹=荒尾 大木勝=島田 青木勇嗣=市松 荒城開司=勇 春路謙作=兼秋 大河内伸介=松吉 佐々木孝丸=亀井十太夫

<スタッフ> 企画=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=森常次 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=浜崎敬三 結髪=浜崎喜美江 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

兵庫は10数年ぶりに江戸の道場で先輩だった亀井十太夫に会う。
亀井は道場をやっていたが、修行から帰って来て自分を負かした養子の阿座上弥九郎に道場を譲り、隠居の身だと、嬉しそうに話す。
翌日、兵庫は、刀研ぎ師の娘お秀と息子市松らに、刀盗人と間違われる。市松らの父親は、5年前、大田原の城下で殿から預かった刀を奪われて以来探し求め、その為に苦しみ死んだ。母親は、刀が戻るまで夫の代わりに、牢屋に入れられている。
盗まれた刀の銘は兵庫の刀と同じで、しかも刀盗人は、クルミを鳴らしていた。
兵庫は、何度違うと言っても分かってもらえないので、市松らを、兵庫の刀の仲介をしてくれた亀井に引き合わせる。
ぬれぎぬは晴らされたが、兵庫と市松らが、道場の門を出てきたとき、出先から帰ってきた弥九郎がクルミを鳴らしていて、一同は、顔色を変える。刀を見せてもらわねば、とせく市松たちを、ひとまず先の旅籠で待たせ、兵庫は弥九郎について再び門をくぐる。
亀井は、兵庫の懸念を晴らそうと、昔、修業時代に弥九郎が譲り受けたという刀について、弥九郎にただす。弥九郎は、刀を手に入れたのは江戸で、刀を盗まれた大田原、奥州街道には、行ったことがないという。
兵庫が、納得して門を出ようとしたとき、半次に出会う。
半次は昔、病身の弥九郎を介抱して顔見知り。久しぶりに会った弥九郎に招待されたのだという。兵庫が「介抱したのはどこだ?」
と訪ねると、「奥州街道だったなぁ」という。これはおかしい。再び、兵庫は、半次と共に亀井の元へ戻る。
半次が、弥九郎には奥州街道で会ったという話を、弥九郎はかたくなに否定、ついには、自分を盗人に仕立てようとしている兵庫の策略だと怒りだす。亀井はまだ、弥九郎を信じているようだ。
「あの男はヤクザですが、ウソは言わん男です。今の俺は、早くこの道場にある刀をあの三人に渡してやりたい、それだけです。
旅籠で待っている。」と、亀井に言い残して去る。
一足先に旅籠に行った半次が、娘達の話を聞き、刀泥棒は弥九郎に間違いないと言っているところへ、道場の腕利き達が。
戻ってきた兵庫が、やむなくその数人を斬る。そこに、亀井も。門弟を差し向けたのが弥九郎と知り、道場へ急ぎ帰る。
亀井が弥九郎に問いつめる。天の啓示を受けて奪ったのだという。この刀を持ったときから腕が上がった。全く返すつもりはない。
弥九郎が、亀井にさえ、刀を向けるのを辞さないのを見て、兵庫が叫ぶ。「弥九郎、庭へ出ろ」
兵庫と弥九郎の刀がぶつかったまま力比べになる。兵庫がだんだん劣勢になり、後すざりしていく。
その勢いにまかせて、兵庫がかわし、兵庫の刀は地面に、弥九郎の刀は柱に突き刺さる。すかさず、脇差しをとり弥九郎を刺す。
「兵庫・・」亀井が何か言おうとする。「もう何も言われるな」苦しそうな兵庫の顔。
街道、「しかし、十太夫の旦那もまた道場やる気になって良かったなぁ」「ああ」「あの、坊主達も、大田原目指して急いでいるんだろうなぁ」
「ああ、急ごうにも当てのないは俺とおまえぐらいのもんだよ」「ちげぇねぇ」二人が笑って、街道を歩く。
見どころ:弥九郎との対決での力比べ。このちゃんの力の入った表情がいい。
大川栄子さんの当時のお話が第二シリーズ28話にあります。


「お城に危機が迫っていた」 (第一シリーズ 第21話)

<キャスト> 細川俊夫=建部門左エ門 松本染升=島右膳 島景子=菊野 佐藤綾子=綾 鈴木金哉=溝口 五十嵐義弘=木村 河野秋武=沢井玄庵

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所監督=小野登

医者の玄庵と娘は、外の見えない駕籠に出迎えられ、2日がかりできた場所で、顔に白布をかけた患者を診るように言われる。
玄庵の手の施しようがないうちに、患者は息を引き取る。玄庵が死因を調べるというのも断られ、別室に連れて行かれる。
兵庫と半次が、言いがかりを付けてきた侍達ともめているところへ、城の大目付・建部がやってくる。兵庫に丁寧に侍達の無礼をわびたあと、頼みがあるから来ていただきたいと言う。2人はやはり、外の見えない駕籠で連れて行かれる。
兵庫は、これから3ヶ月、高貴な人の着物を着て布団に寝ていろ、断ると医者と娘、半次の命もないといわれ、玄庵らと共に監禁される。
どうやらここは城の中。兵庫が代理を頼まれたのは、病気だとか聞いていた、殿様のことらしい。
殿様が危篤で玄庵が呼ばれたが助からずに死んだため、顔の似た兵庫を連れてきた。城の存続のために、あと3ヶ月、跡取りが生まれるまで、兵庫を身代わりに使うというのだろう。
殿様の世話をしていた女中でさえ、口止めのために斬られたのだ。いづれにせよ、殿の死を知った4人は殺される運命にある。
夜が明けたら逃げるしかない。
兵庫らはうまく見張りの侍達をかわして、城をでるが、町へ進む道は、先回りした大目付らに既に包囲されたいた。
兵庫は、向かってくる侍達をやっつけていくが、最後に残った大目付の様子がおかしい。玄庵がその様子に気づき、兵庫を止める。
大目付は流行病にかかっていた。殿様の病がうつったのだ。このままでは、城の存続どころか、城の全員が死んでしまう可能性もある。
「わしは医者だ」と城に戻ろうとする玄庵に、兵庫と半次もついていく。玄庵が、病にかかりそうな者に薬を処方し、兵庫が「何もしゃべりはせんよ」と言って4人で帰ろうとしたとき、「待たれい」と家老に止められる。
「恩は恩、殿の死は別」という言葉で、双方、刀に手をかけたところに瀕死の大目付が入ってくる。
「この上、騒ぎを起こせば、殿の死を城内、ひいては世間に知らせるも同じです。この4人は覚悟をして戻ってきてくれた人たちだ、分かってくれる。このたびのこと、ご内聞に。心おきのう死なせてくれ」と、兵庫と家老に話す
「約束は必ず守る」と兵庫。家老もうなづく。そこに、家臣が一人来る。「二の丸さまが殿様のご様態にお変わりはないかと聞いておられます」
「殿には何らお変わりはない。それから、玄庵殿一行4名がこれより帰られる。駕籠のしたくをせい。」と家老。
無事に城から出た兵庫と半次。「旦那、世の中には突拍子もないことがあるもんだねぇ」「旅をしていればいろいろなことに出くわすもんだ。
おめぇのような突拍子のねぇやつにもな」「旦那が殿様なんかに似たつらしているからいけねぇんだよ」二人は笑って歩き出した。


「野にウグイスが啼いていた」 (第一シリーズ 第22話)

<キャスト> 天野新士=常吉 御影京子=お静 遠藤辰雄=富五郎 徳大寺伸=政吉 松浦築枝=さわ 市川男女之助=善兵衛 遠山金次郎=仲蔵 汐路章=清次 波多野博=浅太郎

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=桧垣久恵 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

半次が自分を助けて死んで行った渡世人の恩に報いるため、その渡世人の弟を堅気にさせる話です。
その「渡世人の弟」とは、今やとんでもない極道者。半次はそいつを堅気になるように説得するために、そいつの配下になる。
過去に半次とケンカしたことがあるその極道者は、さんざん半次に嫌がらせ(?)をする。でも、誠心誠意、そいつに誠をつくす半次。
ケンカっぱやく、曲がったことが大嫌いな半次のそんな姿は、見ていて痛々しい。
さんざん問題を引き起こしたその極道者に対して、月影は「お前が堅気になる気がないなら、俺は今お前を斬る!」と、迫る。
すると半次は「旦那、こいつを斬るなら、その前に俺を斬ってくれ。」と言い、極道者の前に出てかばう。半次の言葉ははったりではなく本気。
さんざん自分に迷惑をかけた極道者を、命がけでかばう半次。そんな半次を見て、兵庫は極道者に対して一喝!
「お前のような奴でも、そんなお前のために命をはってくれる人がいるんだ!」目に涙を浮かべ、極道者を叱る兵庫は抜きかけた刀を納める。
見どころ:あの月影兵庫が涙を浮かべた!半次の心意気に!普段、がらが悪く、人をくったような笑い方をする兵庫。そんな兵庫とケンカばかりしている半次。普段の二人の悪態をつきあったやりとりも、心で繋がっているからこそ。男同士、認め合っているのです。
それを証明するような感動のシーンでした。兵庫が泣くシーンなんて、初めて見ました。個人的に月影史上に残る名シーンだと思っています。
兵庫が半次を思い、ふるえる涙声で極道者を叱る・・・兵庫もかっこよければ、半次の男っぷりもしびれました。いよっ、日本一の名コンビ!
(タンバリンマンさま 2002年5月7日)
半次は、速馬をよけようとして危うく崖から落ちるところを、政吉に助けられる。その政吉と半次は一宿一飯の世話になった一家の出入りに加勢し、ケガをした半次を置いて政吉は命を落とした。半次は、政吉のお骨を持って、政吉の家族の元に向かう。
お骨を渡して帰ろうとしたとき、政吉が一番心配していた弟の常吉が戻ってきた。母親も、政吉も、常吉が堅気になるのを願っている。
それを知った半次は、常吉が代貸しをしている富五郎の一家に向かう。
その一家では、兵庫が用心棒をしていた。じつは兵庫は、商人の善兵衛から、富五郎に貸した500両の取り立てを頼まれていたのだ。
半次が、どうしようもない常吉をなんとか堅気にしようとしているのを最初は笑って「無駄だ」といっていた兵庫だが・・・(じゅうよっつ)
コメント:何と言っても半次が格好いいんです〜(^_^)大吉の時の、おっちょこちょいで少々お馬鹿(笑)な彼ももちろん好きなのですが、ここ(第一シリーズ)での半次は、男気があって仁義に厚く、しかも純粋かつ一本気で、見ていてもう惚れ惚れっす。そしてそんな半次と兵庫の、お互いに対する気遣いや思いやりが、かなりストレートに描かれているところもこのシリーズならではの見どころだと思います。その意味で、19話「見知らぬ国のことだった」も良かったのですが、「野にウグイスが啼いていた」にも感動しました。半次の、自分がヤクザ家業に身を置くどうしようもない人間だからこそ、この身を捨てても常吉だけは真人間にしたいという、その思いの強さに打たれた兵庫が思わず涙ぐむシーン、近衛さんの演技の絶妙さも相まって、このシリーズ屈指の名場面になっていたと思うっす。なので、もうすぐ始まる第2シリーズも楽しみではあるものの、実のところもう少しこの路線での兵庫&半次も見ていたかった・・という、今ちょっと複雑な(笑)心境です・・。(南まさとさま 2009年3月9日)


「女は夜明けを待っていた」 (第一シリーズ 第23話)

<キャスト> 伊吹友木子=月江 田浦正己=仙吉 原健策=紋十郎 杉狂児=由造 阿上一夫=久兵衛 飯沼慧=弥一郎 近江佳世=おきみ 有島宏治=六兵衛 大城泰=源太 中村伸子=おひろ 

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=結束信二 撮影=脇武夫 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=小林勝 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=道畑真二 助監督=岡本静夫 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=丸本晃 制作=NET・東映京都撮影所 監督=佐々木康

誰もが寝静まる夜更けの城下町。やくざや浪人に追われている女を一杯気分の兵庫が助ける。
しかし、女は、逃げていったやくざに斬られ、「店が危ない、おかみさんが」と言い、気を失った。
兵庫が女を背負って医者を捜していると、おでんやの屋台のオヤジとオヤジの厚意で一夜の宿を借りる半次に出会う。
兵庫と女も、オヤジのうちへ行くことになる。オヤジは、この女をどこかで見たことがあるらしいが、思い出せない。
3人が女のことを推測していると、外に怪しい気配、半次が出てみると、浪人とやくざが斬りかかってきた。
「オヤジ、ここは危ない、どこか身よりはないのか?」「はい娘が・・・あ!思い出した!」この女は、娘おきみと同じ泉屋で働くおひろだった。
その足で、半次は泉屋へ、兵庫は2足のわらじを履く、紋十郎親分のところへ行く。
ところが、半次がおきみに会い、おひろのことを告げた時、なかで「ぎゃー」という悲鳴。大番頭が殺された。
取り調べに来た紋次郎親分は、泉屋のおかみさんに、2番番頭、3番番頭が怪しそうだとほのめかす。
おかみさんがこの泉屋にのち添えに来て1年もたたないうちに旦那が亡くなり、それ以来、殺された大番頭も加えて、店のものが互いに告げ口したり、おかみさんに言い寄ったりして、美しいおかみさんと莫大な泉屋の身代を狙っていた。
そうこうするうち、おひろは兵庫に見取られて息を引き取った。
親分の「なにか言い残してなかったか」との問いに、「ほんのちょっとな、たいしたことではない」と兵庫は教えようとしない。
さらに「どうせ明日は龍神渓へ行く」のだから、自分には関係ないと言う。親分はしぶしぶ帰っていく。
半次は、旦那の態度を水くさいと責める。「御用聞きに言いたかねぇのは分かるけどよ、おれにもおしえねぇのは、どういうことだ」
それは、「おきみが死の間際に何か言ったことは言ったが、唇が動いただけで何を言ったか分からないからだ」と言う。
「それじゃぁ何も聞かないのと同じじゃねぇか」「あ、言い方を変えるとそうなるね」ととぼける兵庫。
そこにおかみさんのことを心配して、おきみが兵庫らに助けを求めてくる。渋る兵庫に、半次は、「よし、俺だけでも・・」と胸を張ろうとするが、「おまえは龍神渓に行くんだ」「俺はそんな岩やら川やら面白くもねぇ」「もっと面白いものも見れるぞ」
兵庫は、おきよの頼みで、泉屋のおかみさんに会う。兵庫が店の状況を尋ねても、おかみは店のことは全く人任せで、何も知らない。
「あんた、案外つまらない人間だな、店のことは何にも分かろうとしない、それでいておかみには違いないが飾り物だ、人間のすることじゃない」と、女中たちが店を何とかしようとしているときに何もしないおかみを責める。「そのうちもっと人を殺すことになるかもしれんぞ」
兵庫の言葉に発奮したおかみは店を閉じることに。店のものを集めて、希望に添うお手当を出す、店は小さくするがそれでも良ければ残ってくれと話すと、番頭二人はさっさとそろばんをはじいて、手当をもらって出ていった。「今夜のうちにカタは付くさ」と兵庫。
夜、おかみの寝床に忍び込む手代と下男。だがそこにはおかみさんではなく兵庫がいた。「誰だ、何のまねだ」「そうだな、色男のまねかな」「番頭らはさっさと行った。本当に身代とおかみさんを狙ったのは・・」と言いかけたとき、半次が戻ってくる。
半次は龍神渓で、兵庫を待ち伏せる紋十郎の手下達を見た。兵庫のかけたカマにかかったのだ。庭には紋十郎親分と手下。・・・・
城の役人が来る。
兵庫はおかみさんに最後まで残った3人の女中とともに本当の暮らしを始めろと励ます。
おかみさんが役人に会って戻ってくると、もう兵庫の姿はなかった。「前触れもなしにいらっしゃって、お別れもなしに行ってしまわれるなんて」
「黙って行っちゃ、ちょいと罪だよ、おかみさん寂しがるぜ」「ならおまえが行ってやれよ、俺は行くところがあるんだ」「どこに?」「龍神渓」へぇ、といって立ち止まり首を傾げる半次。先を行く兵庫。
見どころ:半次と兵庫のやりとりが抜群。それにおでんやのオヤジさん(どなたでしょう?)が加わって、また面白い。
主題歌の一部「前触れなしに・・」をさりげなくおかみさんに言わせたりしているところが憎い。


「子守唄が剣を呼んでいた」 (第一シリーズ 第24話)

<キャスト> 高森和子=おゆき 高田次郎=弥助 江見俊太郎=良斎 中村錦司=井筒屋孫兵衛 小田部通麿=村岡半五郎 園千雅子=お吉 波かつ恵=おかよ 雲井三郎=仙波 西田良=畄吉 毛利清二=良泉 福本清三(NC)=仙波とともに偽の脅迫で井筒屋をゆする一派

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=森田新 撮影=森常次 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=河野節子装飾=道畑真二 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

ある宿場町で半次は、ヤクザになりたての頃知り合った弥助に再会するが、懐かしがる半次とは反対に、弥助は迷惑そうだ。
それもそのはず、今では弥助は、街道筋でも有名な井筒屋で働く、かたぎなのだ。その、井筒屋の息子がさらわれた。
事件に乗り出した半次は、兵庫にこの話をする。兵庫は、ついさっき赤ん坊を抱いて走って通り過ぎていった若い女のことを思い出す。
女が落としていった赤ん坊の足袋は、井筒屋の息子の物だった。
そこに、500両を引き替えに息子を返すという脅迫状が届く。井筒屋と弥助は金を持って約束の場所へ。兵庫と半次も影で見ている。
そこに現れたのは、浪人とヤクザ者。しかし、赤ん坊は連れてない、女のことも知らない、どうも様子がおかしい。
彼らが誘拐騒ぎに便乗した偽物だと見抜いたのは、弥助だった。半次は、弥助の眼力を嬉しそうに褒める。
兵庫らは、誘拐犯を推理する。誘拐当時、赤ん坊は昼寝中で足袋ははいていなかった。それを誘拐犯が履かせたのか?おかしい。
そのとき隣りの部屋で寝ていたのは妻のおゆきだった。心労で倒れたおゆきに様子を聞こうと部屋を見ると、そこにおゆきはいない。
女中の話では、おゆきは目を覚まし「行かなければ、まさか良斎さまが・・」といっていたそうだ。
茶の湯の師匠として3年前から井筒屋と付き合いのある良斎は、今日、ここに来ていた。良斎には身の回りの世話をする若い女もいる。
兵庫と半次、井筒屋が良斎のうちに行くと、もぬけの殻のうちの中には、一人、おゆきがいた。
誘拐は、井筒屋の浮気を懲らしめようと、良斎に相談したおゆきの狂言の筈だったのだ。それが実際には、良斎は子供を連れて行方をくらました。そこに弥助が、3000両と引き替えに子供を渡すという、良斎の脅迫状を持ってくる。
半次とおゆきは指定された場所に金を持っていく。
良斎は、金とおゆきを連れて行く。

半次のアイデアで、荷車から白い粉が落ちる仕掛けになっている。兵庫と半次がそれをつけるが、見破られていた。
どうも、井筒屋の内部事情を知らせる人間がいるようだ。しかもそれは弥助らしい。
半次は、井筒屋に帰り、おかみさんと金をとられた、旦那もやられた、こうなったら向こうの言うことを聞くしかない、役人にも手を引いてもらおうと、ウソの進言をする。それを聞いた弥助は、良斎の元に連絡に走る。
橋の上で兵庫が待ち伏せ、弥助の後を追ってきた半次も追いつく。「こいつの始末は俺にまかせてくれ」と半次が弥助を斬る。
二人は、弥助が言った良斎一味のいる船小屋に向かう。一か八か、弥助の帰りにしびれを切らして出てきた一味を斬るしか手だてがない。やがて、一味が出てくる。兵庫と半次は小屋の裏から二手に分かれて、一味を斬る。母子は無事だった。
橋の上に座った兵庫。半次が走ってくる。「まいったよ、井筒屋がどうしても旦那に礼をしたいから連れてきてくれって離さないんでよ」

「子供を助けて礼をもらうほど落ちぶれちゃいねぇよ、それより、疲れ休めにいっぱいやろうか」「珍しいな、旦那がおごってくれるのか」
「バカ言え、勘定はおめぇ持ちだ」歩き出す兵庫。「ちぇっ、どうだろうねぇ、まったく。わかったよ、おごりゃぁいいんだろ」と後を追う半次。
見どころ:偽の誘拐犯には、このちゃんの親友、雲井三郎さんが出てらっしゃる。二人は対決。なんか、こう言うのって好きだなぁ。
もしかして、こんな風にケンカしてたんだろうか、とか想像してしまう。チャンバラの場面が多くて、いろんな手を見せてくれる。
良斎の雇った用心棒と戦った後、刀をさやに収めるところで、兵庫の鍔のトレードマーク、トンボがはっきり見える。(以上 じゅうよっつ)
弥助と入った居酒屋の中で半次が「ああ、亭主、勘定だ」と言っていました。居酒屋の店主を「おやじ」と呼ばずに「亭主」と言うのを初めて聞きました。実は、大吉も半次も、居酒屋の「おやじ」に対してあんまり失礼だ…といつも感じているのですよ(^_^)。だから紳士的な半次にちょっとホッとしたりして。兵庫と大吉との共通点はいろいろありますが、「子ども(赤ちゃんも含め)に向ける優しいまなざし」もその一つですよね!子どもが出てくるたびにそう思います。(鈴雪さま 2009年3月15日)


「怒り虫は笑っていた」 (第一シリーズ 第25話)

<キャスト> 小松方正=藤井東兵衛 沢村宗之助=宇川甚十郎 戸上城太郎=野呂瀬東馬 国一太郎=吉村造太郎 加藤三紀子=たか 玉生司郎=松崎屋 有島淳平=番頭 入江幸江=きく 香月涼二=三輪善蔵 稲野和子=いと 福本清三(NC)=このちゃんの後(44:27)

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=松村正温 撮影=玉木照芳 照明=松井薫 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=寺島孝男 編集=岩本光司 衣装=池田勝彦 美粧=上田光治 結髪=河野節子 装飾=高橋清彦 助監督=福井司 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=中久保昇三 制作=NET・東映京都撮影所 監督=小野登

直情的だが気のいい侍・藤井東兵衛の親友、吉村が何者かに殺された。吉村の恋人だったというきくの話では、吉村は上役の普請奉行の不正を命がけでやめさせようとしていたらしい。藤井は、家老に吉村殺害の捜査を依頼するが、その後、きくも殺された。
藤井は再度、家老のもとに出向き、さらなる普請奉行に対する取り調べを要求するが、家老は、あやしいことはなかったといい、それどころか、証拠もないのに軽々しいことを言うなと、藤井を戒める。
不満な藤井は、居酒屋でしきりに「けしからん」を連発しながら、家老や普請奉行の悪口を大声で言っている。側で酒を飲んでいた兵庫は、おもしろがってつまみの豆を「けしからん」が聞こえるたびに1つ並べていたが、豆がなくなり、「失礼だが、怒り虫どの」と藤井に声をかける。
藤井は、怒り虫と呼ばれて一度は腹を立てるが、兵庫の忠告に礼を言う。藤井は、すっかり兵庫が気に入り、その晩、兵庫を自分のうちに泊めた。
翌朝、昨夜のことはすっかり忘れている藤井は、兵庫が泊まっていることに驚き、自分の出仕中、美人の妻と兵庫が二人きりになることを心配して、「急ぎの旅ではないのか」と兵庫に暗に出ていくように促すが、兵庫は、もっとうわて。「貴殿が気に入って、2、3日滞在しようと思うが」といい、すかさず「あ〜、差し支えござらんか、ありがたい」とさっそく、朝湯と朝酒、朝寝を所望する。
ところがやはり、藤井の悪口は、普請奉行の元にも届いていた。証拠もないのに、言いふらしていると奉行から問いつめられる。
家老が中に入り、10日のうちに、藤井が自ら調査して証拠を出すことになった。証拠が出ない場合の責任を問われ、藤井は、切腹を約束する。
何の手がかりもない藤井、兵庫に相談するが、「手助けのしようがないぞ」と人ごとのように言われる。
半次が、やっと助けに乗り出した兵庫に声をかける。「飯ぐらい喰わしてやる」という羽振りのいい兵庫に驚くが、それが7〜8日のうちに切腹の危機が迫っている藤井のうちのことだと知り、半次も手伝いに乗り出す。兵庫はきくを斬った犯人が左利きだと見抜いていた。
半次は、居酒屋で器用に左手で箸を使う浪人を思いだした。二人は、その侍の出現を居酒屋で待つ。
とうとう、侍が見つかる。兵庫はその腕前を確認し「一献かわしたい」と侍を誘うが、侍は兵庫の意図を見抜いていた。自分が用心棒をしている松崎屋に兵庫を連れて行き、短筒で脅し、兵庫の腕と足を縛った。
旦那の帰りを待っていた半次は、帰りが遅いのが心配になって翌日、木こりに変装して松崎屋に来る。「ちょっくらごめんよ〜」と、まるでいなかものと安心させて玄関に入っていく。同じ松崎屋の奥で、兵庫は短筒を向けられ、藤井の味方はやめて用心棒になれと脅されていた。
「素浪人でも武士だ、悪徳商人のいいなりにはならん」と断る。既に腕の縄を抜いていた兵庫、侍に立ち向かうが、足が不自由。
危機一髪のところに、半次が入ってくる。半次から受け取った短刀が侍の胸に命中する。「旦那、やったね」「おまえが来てくれなかったらすんでの所でやられるところだ、ハハハ」「旦那には借りがあるからな、1つくらい返しておかないとな」
二人は、松崎屋と普請奉行との密約書を探し出し、奉行所へ向かう。
その頃、まるっきり手がかりのつかめない藤井は、妻から子供のできたことを告げられ、一晩考え、武士を捨てても親子3人でやっていこうと、普請奉行に謝りに行くlことを決心した。藤井が家老に「御家老から普請奉行殿に・・」と言い出したとき、松崎屋から、兵庫が密約書と松崎屋の主人を連れ出したという知らせが入る。家老は焦るが、時遅し、藤井は、家老もこの不正に絡んでいたことにやっと気づいた。
そこに兵庫が来る。・・・藤井の家、藤井と妻、兵庫と半次が鍋を囲んでいる。「さぁ怒り虫どの一杯行こうか」「その怒り虫はやめろ、けしからん」「久しぶりに貴殿のけしからんを聞いたな」「そういえばあの時は23べん・・」「いやぁ26ぺんだよ」
見どころ:兵庫と半次の掛け合いと、兵庫と藤井(小松方正さん)のやりとりが、おもしろい。
兵庫のチャンバラは少ないが、家老と奉行を一度に刀の柄と反対側で峰打ちにするのがカッコいい。(以上じゅうよっつ)
コメント:「乙女心はふるえていた」と「怒り虫は泣いていた」の二作は、それぞれ「次郎太仇を討つ」、「高崎の怒り虫」という題名で、南條範夫の『月影兵庫 独り旅』中にあります。 この小説書かれたのは、昭和43年であるという解説者の言葉を信じれば、ドラマを小説化したものであることは明らかです。(三四郎さま 2004年11月17日)
小松方正さんが良かったです。直情径行なんだけど、根は実直で友思いで・・兵庫もそんな彼の人柄に惹かれて一肌脱ぐ気になったんでしょうね。けどそんな彼が美人の妻との間を心配して、何とか兵庫を帰そうとするところは可笑しかったです。結局、兵庫があっさりと先手をうって居座っちゃうんですよね。兵庫って、普段は大吉よりだらしなくて、身なりなんかもかまわない感じ(常に懐手)だし、いかにもあんな風にちょっと厚かましいこととかを言いそうなんだけど、そこがたまらなく魅力的なんですよね。(南まさとさま 2009年3月22日)


「みんな夢を持っていた」 (第一シリーズ 第26話)

<キャスト> 町田祥子=おみね 三原有美子=おみつ 楠本健二=きすぐれの弥三 小川孝=鬼念佛の松五郎 近松克樹=新助 美坂公子=おしま 芦田鉄雄=源辰 川路誠=びん十 丘路千=三造 世羅豊=六助 佐々木松之丞=茶店の親爺 平沢彰=権次 藤川弘=口入屋 有島淳平=町人A 前川良三=町人B 徳大寺伸=市助 阿部九州男=三原重兵衛 

<スタッフ> 企画
=上月信二・田辺嘉昭 脚本=結束信二 撮影=玉木照芳 照明=谷川忠雄 録音=小金丸輝貴 音楽=阿部皓哉 美術=中島哲二 編集=岩本光司 衣装=小林勝 美粧=林三郎 結髪=河野節子 装飾=紙山昭一 助監督=古市真也 擬斗=谷明憲 記録=森村幸子 進行主任=秋田実 制作=NET・東映京都撮影所 監督=佐々木康

木曽の宿場の居酒屋で、鬼念佛の松五郎一家にからまれた兵庫に、「短気は禁物だよ」と、らしからぬ事を言いながら半次が来る。
半次になにやら耳打ちされると、兵庫も「まずいなぁ、こいつぁ」といって、ケンカを後回しにして半次とその場を去った。
2人がいった先は、番小屋。そこには、居酒屋の女将おみね、左官屋の新助、目明かしがいた。
鬼念佛の一家は、ここいら一帯の木材切り出しの口入れ屋の顔役で、ほとんどの人足を扱い、言う通りにならない口入れ屋のゆすりたかり、人殺しまでやっていた。7年前、彼らの悪事を申し立てたのが新助で、そのために彼らは島送りになった。
誰もがもう帰って来るまいと考えていたのに、誰かが裏から手を回して呼び返したのだろうか、舞い戻ってきたのだ。

一家に逆恨みされた新助は、もらったばかりの女房・おみつを一家にさらわれている。
しかも、一家が今居座っている居酒屋は、7年前、松五郎に言い寄られ、断り続けてきた
おみねの店。店で働く、おしまが、まだ店にいる。
これで人質は2人だ。人質がいては下手に一家に手をだせない。5人に打つ手もなく、じりじりしながら時が過ぎていく。
おしまはやがて、隙を見て店から逃げ出す事に成功、番小屋に駆け込んできた。おしまの話しでは、おみつは店にはおらず「間違いのない例のところにおいてきた」と話していたらしい。店には続々、口入れ屋たちが鬼念佛一家の元に挨拶に来ているらしい。
しかし、これでもう人質は居酒屋にはいない。兵庫は、おみつの居場所を探りに、一家のいる居酒屋へ向かう。
松五郎に、自分たちはまだここに挨拶に来ていない口入屋たちに味方する、と脅して居酒屋を出ていくと、案の定、それを確かめに手下が兵庫と半次のあとをつけてきた。2人が、この手下を捕まえ痛めつけ、おみつの居場所をはかせると、それは、なんと材木奉行の役宅、材木奉行がグルだったのだ。さっそく、役宅へ向かう。
兵庫が奉行に会い、奉行の悪事を暴いている間に、半次はおみつを上手く救い出す。兵庫はそのまま居酒屋へ向かい、一家をたたき斬った。
そこに、目明かしが御陣屋から帰ってくる。「おわったよ、夜が明けるというのに、みんな眠っちまった。役人に渡すといい」
しかし、御陣屋の役人は、浪人が一人で一家をやっつけるなんてと、信用しなかったそうだ。
「役人が信用しないのもあたりめぇだ」と半次。「俺はこの半年ばかり旦那とずっとつきあってきたけどよ、実のところ俺にもな。」
さらに、ただの浪人がどうして旅を続けているのか、と訊く半次に、わけを耳打ちする旦那。「ホントかよ!」半次は嬉しそうに大笑いする。
おみねと新助、おしまとおみつ、目明かしに別れを告げて旅立つ。「あの、旦那は?」「これでもう?」
「ああ、行かなくっちゃならんのだ。ああ、夜明けだなぁ。」
峠で花を見る兵庫、後ろを見て笑って歩き出す。後から半次が走ってくる。
見どころ:これで第一シリーズが終わり、約9ヶ月間、月影兵庫がお休みになる。ここで終了の予定だったのか、続きになっていたのか、どちらともとれる終わり方だが、最後に兵庫は半次に何と耳打ちしたのだろう?
猫とクモはまだでないが、第一シリーズ始めではまだあまりはっきりしていなかった兵庫と半次の掛け合いの型が、もうはっきりしている。 (以上じゅうよっつ)
ラストの立ち回りの楠本さんとの殴り合いシーンですが。兵庫が後姿で楠本さんに殴られるところ、十四郎さまでなくて吹き替えぽかったのです。左手にくるみがなかったし、ちょっと体つきが細いような・・・。(中村半次郎さま)
第1シリーズ最終話、見ました。ラストの殴り合いのシーン、半次郎様のご指摘どうり確かに別人に見えますね。それに楠本さんに投げられた時少し顔が見えるのですが、スローで見るとやはり十四郎様ではない様ですね。でも、鬼念仏一家の連中を次々に斬っていく立ち回りのシーン、胸のすく思いでした。やっぱ、十四郎様ってカッコイイですネ!(vendmillさま)
シリーズ最後ということもあってか、そんな兵庫の魅力が全開でした。もう何をやっても格好よくて(笑)、特に材木奉行の役宅で啖呵をきるところと、ワルのラスト1人と殴り合うところなんかはもう惚れ惚れ。もちろん半次との息もぴったりで、次回からの第2シリーズに思いを馳せつつも、この第1シリーズがもう少し続いていたら良かったのに・・などと矛盾したことを考えてました。(南まさとさま 2009年3月22日)





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