本で会う このちゃん自身のこと、出演作品や所属映画会社について、書かれた本・アットランダム

まずは、入手可能な本
タイトルと著者 出版社
発行年月
              内容紹介
殺陣 チャンバラ映画史
永田哲郎
社会思想社(現代教養文庫)
93・02
大都時代から近衛びいきの、永田哲朗氏の書かれた本。
「どうして、これだけの実力ある役者を、映画界は生かし切れなかったのか!」というもどかしさは、近衛ファンなら誰でも共感の第十二章。
このちゃんのチャンバラへの姿勢が、本人の言葉で語られるのも魅力。
このちゃん関係では、一番のおすすめ本。
絶版になった三一書房の同名本を、新たに書き換えたもの。
蔵出し絶品TV時代劇
近藤ゆたか
フィルムアート社
97・06
テレビ時代劇番組別に、放送日、制作者、出演者、内容について余談を入れながらおもしろい説明やコメントがあるが、残念ながら、「素浪人月影兵庫」と「花山大吉」についての記述はない。
このちゃんの出演番組では、「忍法かげろう斬り」(最後の十兵衛役らしい)と「運命峠」。
ただし、コラムには、「近衛十四郎はTV時代劇の長島茂雄だ」のタイトルで、役者としてのこのちゃん、「素浪人シリーズ」についてたくさん(小さい字で2ページ)書いてあるし、もう一つのコラムにも、このちゃんの殺陣のうまさについて書いてある。(以上 じゅうよっつ)
川合伸旺様が「片目水月の剣」のシーンの事を話されていたのが心に残っております。
島津光久(弘樹)の御前で十四郎様の十兵衛に斬りつけるシーンが、まだ経験がないのに相手は十四郎様で、とても緊張したというような内容でした。(掲示板 中村半次郎さまより)
青春の日だまり 私の映画・テレビ熱中記
逢坂剛
講談社
97・05
「素浪人 月影兵庫」のスタート当初、それから、「花山大吉」に移行するいきさつなど。
「平凡」特別編集 20世紀のビッグスタア4 絢爛:時代劇まつり マガジンハウス
00・08
この本をお持ちのふみさとさまより伺いました。
役中の格好の写真が3枚(「女難屋敷」の格好で、「まだら頭巾剣を抜けば乱れ白菊」、題名不明)と、それぞれの紹介文。
テレビ時代劇のコーナーに、「月影兵庫」の格好で台本を見ている写真(隣半次)、野球のユニフォーム姿、自宅の庭で松方さんと犬と一緒の写真。
銀幕の百怪 本朝怪奇映画大概
泉速之
青土社
00・05
第5章「綾なす朽縄」で、「東海道四谷怪談」をあつかった映画を比較している。
このちゃんは「怪談お岩の亡霊」に直助役で出ている。
(余談:映画では、立ち回りが町人風になっている、さすが!)
ニッポン映画戦後50年 1945〜1995
森卓也監修
朝日ソノラマ
95・08
昭和40年の「時代劇の終焉と任侠映画の台頭」(半ページくらい)に、集団抗争時代劇の例として、「十七人の忍者」「忍者狩り」があげられている。
座頭市 勝新太郎全体論
平岡正明
河出書房新社
98・02
「座頭市血煙り街道」は、言わずとしれた、このちゃんと勝新の対決名場面のある映画。
映画をスローで回してさえ、速くてよく分からないが、それを言葉で語られても、う〜ん、こんなだったかなと確信が持てない私。
でも、勝新の逆手斬りの原理はよく分かった。
カツドウヤ繁昌記 大映京都撮影所
星川清司
日本経済新聞社
97・11
大都映画(のち大映に合併吸収される)について、約半ページ程書かれている。
すごく小さな会社だったのね、、。(98〜99ページ)
剣ー三隅研次の妖艶なる映像美
野沢一馬
四谷ラウンド
98・03
第六章「雷蔵、星川との盟約、そして破綻」で、雷蔵の遺作「博徒一代・血祭り不動」の立ち回りについて、雷蔵のことが、ちょっと書かれている。このちゃんのことは書いてない。
大友柳太朗快伝
大友柳太朗友の会編
ワイズ出版
98・01
「十七人の忍者」で、大友さんがやりたかったことが2つ、書かれている。大友さんらしい。
「危うし!!快傑黒頭巾」について風間杜夫さんのインタビュー、「十兵衛暗殺剣」評がちょっと。
当然ながら、あくまで大友さんが中心で、このちゃんは写真以外出てこないが、
これを読んで親近感を持った大友さんを、以来、密かに「柳ちゃん」とよんでいる。
チャンバラスターと時代劇監督
荷村寛夫
ワイズ出版
97・08
池田富保監督のところで、「近藤勇 池田屋騒動」が出てくる。
このちゃんについてはそこと、最後にちょっちょっと記述あるだけですが。
ちゃんばら藝術史
大井廣介
深夜叢書社
95・09
戦前作られた「浪人街」が主だが、
このちゃんの出た同名の松竹映画(’57年)についてもちょっとコメントあり。
日本映画発達史U 無声からトーキーへ
田中純一郎
中公文庫
89・09
第34節「中小プロダクションの廃合」で、大都映画社の設立経緯が1ページ弱書かれている。
日本映画発達史V 戦後映画の解放
田中純一郎
中公文庫
89・09
第43節「新しい映画美の創造」で、大都映画社の経営システムについて2ページ強、説明あり。
「決戦般若坂」のスタッフの紹介。
嵐寛寿郎と100人のスター男優編
荷村寛夫
ワイズ出版
96・07
「大友柳太朗 近衛十四郎の巻」で、新東宝の「右門捕物帖・からくり街道」「近藤勇・池田屋騒動」「鞍馬天狗と勝海舟」東映の「危うし!鞍馬天狗」について役柄など説明がある。映画界復帰当初で、脇も脇の筈だが、かなり褒められている。
このちゃんがアラカンのプロダクションにいたのは初耳だった。
石原裕次郎1956−1987 映画コレクション キネマ旬報社
94・10
石原プロ唯一出演作品「城取り」のあらすじとポスター。
話は別ですが、この映画の槍使い、目にもとまらぬ速さ!
松原智恵子さんが、このちゃんの娘役で、とーってもきれい。
任侠映画伝
山根貞夫・俊籐浩滋
講談社
99・02
「日本やくざ伝 総長への道」のタイトルだけ。
それと、「人間魚雷 あゝ回転特別攻撃隊」の打ち合わせ写真。
このちゃんはいないが、お若い松方さんが写ってます。
ベスト・オブ・キネマ旬報上 1950−1966 キネマ旬報社
94・12
1959年の「苦悶する老舗 松竹」記事に、当時の松竹映画は企画が悪い、脚本が悪い、俳優がそろってないと、悪いとこばかりあげられている中、このちゃんの「江戸遊民伝」だけ、成功作品としてあげられている。実に気持ちがいい!
松田定次の東映時代劇
畠剛
ワイズ出版
01・02
「赤穂浪士」と「中仙道のつむじ風」」「血と砂の決斗」。
「血と砂の決斗」の写真、あらすじと評がざっと。
「中仙道のつむじ風」で松方さん(主役)と敵方のこのちゃんのにらみ合うシーンについて、写真と観客の反応。う〜ん、こんなに入れ込んで見ていたのか!
別冊太陽 勝新太郎一周忌追悼記念 平凡社
98・06
「座頭市 血煙り街道」の写真が2枚と、有名な対決シーンについて。
逆手斬りの元祖として、このちゃんの「柳生シリーズ」(松竹、東映)での剣法が紹介されている。
伊福部昭の映画音楽
小林淳
ワイズ出版
98・02
「座頭市 血煙り街道」の音楽を担当した伊福部氏のギター音楽と、映画中に使われた中尾ミエさんの歌謡曲の異質さについて。
個性派 東映チャンバラ黄金時代
円尾敏郎・高橋かおる編
ワイズ出版
98・12
「柳生武芸帳 独眼一刀流」「柳生武芸帳 夜ざくら秘剣」「怪談 お岩の亡霊」「夜霧の長脇差」「祇園の暗殺者」「柳生武芸帳 片目水月の剣」「十七人の忍者」「砂絵呪縛」「血と砂の決斗」「浪人市場 朝やけ天狗」のスチール写真あり。
市川雷蔵出演映画作品ポスター集 栗田宗良コレクション
栗田宗良編
ワイズ出版
99・08
雷蔵遺作の「博徒一代 血祭り不動」の映画ポスター
東映チャンバラ黄金時代昭和30年代U
石割平・円尾敏郎編
ワイズ出版
01・05
「旗本と幡随院 男の対決」「きさらぎ無双剣」「祇園の暗殺者」「勢揃い関八州」「酔いどれ無双剣」「柳生武芸帳 独眼一刀流」「薩陀峠の対決」「勢揃い東海道」「中仙道のつむじ風」「十七人の忍者」「血と砂の決斗」「月影忍法帖 二十一の眼」「十兵衛暗殺剣」「忍者狩り」のスチール写真あり。
図説 時代劇小説のヒーローたち
縄田一男・永田哲朗著
河出書房新社
00・10
鬼平、半七、銭形平次・・と時代劇のヒーローたちと、それを演じた役者たち、作品・原作について書かれている。柳生十兵衛ではもちろん、近衛十兵衛に重点が置かれているが、ほかに、新撰組(「鞍馬八天狗」のりりしいこのちゃん)や宮本武蔵(「決戦般若坂」「巌流島前夜」)、遠山金四郎にも出ている。
時代劇博物館
島野功緒
社会思想社(現代教養文庫)
93・05
第五章「企業倒産のフィクサー・柳生但馬」と、、最後の対談の剣豪スターの番付に出て来る。
ちゃんばら回想
寺田博
朝日新聞社
97・01
時代劇小説60篇についての評論。「柳生武芸帳」に、「柳生武芸帳 剣豪乱れ雲」の写真のみあり。 
日本映画ポスター集 東映時代劇篇 佐藤隆コレクション
佐藤隆編
ワイズ出版
00・02
「危うし!!快傑黒頭巾」「片手無念流」「柳生武芸帳」「豪快千両槍」「柳生一番勝負 無頼の谷」「祇園の暗殺者」「旗本と幡随院 男の対決」「鳴門秘帖」の映画ポスターが含まれている。
日本映画ポスター集 東映時代劇篇U
円尾敏郎編
ワイズ出版
00・12
「遊侠の剣客 つくば太鼓」「鳴門秘帖」「鞍馬八天狗」「花笠道中」「唄祭り赤城山」「薩陀峠の対決」「利根の朝焼け」「柳生武芸帳 片目水月の剣」「同 片目の忍者」「同 片目の十兵衛」「血と砂の決斗」の映画ポスターが含まれている。
日本映画ポスター集 東映時代劇篇V
佐々木順一郎・円尾敏郎編
ワイズ出版
01・02
「朝やけ天狗」「嫁さがし千両勝負」「恋しぐれ千両勝負」「素浪人百万石」「夜霧の長脇差」「怪談 お岩の亡霊」「きさらぎ無双剣」「孤雁一刀流」「柳生武芸帳 剣豪乱れ雲」「雲の剣風の剣」血と砂の決斗」「月影忍法帖 二十一の眼」「三匹の浪人」「十兵衛暗殺剣「主水之介三番勝負」が含まれている。
日本映画ポスター集 第二東映、ニュー東映、東映
佐々木順一郎・円尾敏郎編
ワイズ出版
01・05
「薩陀峠の対決」「無法者の虎」「柳生武芸帳 夜ざくら秘剣」「水戸黄門 天下の大騒動」「地雷火組」「獄門坂の決斗」「照る日くもる日」「砂絵呪縛」の映画ポスターが含まれている。
日本映画ポスター集 新東宝篇 佐藤隆コレクション
佐藤隆編
ワイズ出版
01・01
「大岡政談 びっくり太平記」のポスターがあるが、名前のみ。しかも小さく。
戦後映画界に復帰したころの、このちゃんの苦労を偲んで、これもあげておこうっと。
ついでに、同ポスター集「新東宝篇U」には、「戦艦大和」のポスターがある。
こちらは寂しいことに、名前も載ってない、、、。
日本映画ポスター集 東映活劇任侠篇
円尾敏郎編
ワイズ出版
00・04
「悪坊主侠客伝」「日本やくざ伝 総長への道」が含まれている。
写真には出てないが、出演作品「明治暗黒街」「馬賊やくざ」のポスターもある。
日本映画ポスター集 東映総集篇
円尾敏郎編
ワイズ出版
01・09
「天保六花撰 地獄の花道」「ひばり捕物帖 折鶴駕籠」「怪談 お化け大会(3話のうちの怪談 お岩の亡霊)」「ちゃんばらグラフィティー斬る!(十兵衛の似顔絵はある)」「遊侠の剣客 つくば太鼓」が含まれているが、写真は最後の「つくば太鼓」のみ、あとは名前だけ。
日本カルト映画全集(2) 十七人の忍者
円尾敏郎編
ワイズ出版
95・07
映画「十七人の忍者」の台本。このちゃんのしゃべり口や背景など、想像できて、面白い。
巻末に、長谷川安人監督のインタビューがあり、「柳生武芸帳 片目水月の剣」作成の裏話や、「十七人の忍者」の里見浩太郎さんや大友柳太朗さんの裏話あり。
銀幕ロマン館 時代劇スター大行進
山根貞夫
淡交社
97・11
「疾風蜥蜴鞘」(←これだけ見たら絶対このちゃんと分からない)「雲の剣風の剣」「柳生武芸帳 独眼一刀流」「鳴門秘帖」の写真。
ごく簡単なプロフィールあり。
高田宏治 東映のアルチザン
高田宏治・西谷拓哉
カタログハウス
96・12
第一章「集団時代劇のアイディア勝負」では、「柳生武芸帳 片目の十兵衛」「十兵衛暗殺剣」「忍者狩り」の脚本をかかれた立場から語られる、裏話や解説がたくさん。映画の写真も何枚もあるが、「忍者狩り」のこのちゃんの立ち回り、一瞬をとらえた写真が、また、かっこいい!お薦めの一冊。
刺青絵師
毛利清二
古川書房
98・02
毛利氏は東映時代のこのちゃんの付き人をされていた。お正月興行の時の、近衛一座の台本の作り方が面白い。でも、もうちょっと、いろいろお話聞かせていただけたらなぁ。
どこかで誰かが見ていてくれる 日本一の斬られ役福本清三
小田豊二
集英社
01・11
このちゃんの立ち回りがうまくて、斬られるのが快感というお話しは、思わずにんまりしてしまった。抜き打ち、逆手斬り、スピードについて。むふふ、、。(じゅうよっつ)
「やはり近衛十四郎の殺陣はスピードが他の役者さんと違う」「本当に当てているようで、その寸前で刀の先が止まる」あの立ち回りの迫力とスピードの速さでそんな事が出来るのは近衛氏だけ・・・やはり凄いと話が載ってました。それとは対照的に大友柳太朗氏は本番でリハと違い、熱が入るあまり本気で当てられたり、違うところ斬られそうになったり、悪気はないけど斬られ役さんは怖い思いをしたそうです。(掲示板・ロイさまより)
日本映画スチール集 東映時代劇 十七人の侍
石割平・円尾敏郎編
ワイズ出版
02・01
このちゃんのプロフィール、スチール(「あらくれ大名」「旗本と幡随院 男の対決」「無法松の虎」「祇園の暗殺者」)とフィルモグラフィーあり。
テレビ50年inTVガイド
東京ニュース通信社
00・12
創刊号(1962年)から2000年8月までの表紙が全部出てます。
1968年6月28日の分で花山の旦那と半次が笑ってます。この表紙のために撮影したようです。で、その年毎の主要なTV番組について写真入りで説明があって、1965年に「月影兵庫」、1969年に「花山大吉」、それぞれ載ってます。(掲示板・ひろちゃんさまより)
昭和の劇 
映画脚本家 笠原和夫

笠原和夫・荒井晴彦・
つむぎ秀実
太田出版
03・02
脚本家・笠原和夫さんが担当された映画についてのインタビュー本。
「祇園の暗殺者」もその一本で、この脚本がいかにご自分も、周りも大満足で画期的なものであったか、それが最終的にいかに気に入らない映画になってしまったかというお話。それでもいい映画だと思うがなぁ・・・。
他に、「日本大侠客」のお話もある。いずれも、このちゃんの名前は出てこないが。
加藤泰映画華 ワイズ出版
95・06
加藤泰監督のこのちゃん映画は、「怪談 お岩の亡霊」と「車夫遊侠伝 喧嘩辰」。「お岩の亡霊」では、剣戟スターのこのちゃんが思わず渋い演技をみせてくれて嬉しかった、とある。「喧嘩辰」の方は、このちゃん関係のコメントは無し。
Japanese Film 1955-64-昭和のヒットシリーズ(下)
ネコパブリッシング
99・04
「柳生家のホームドラマ」から「集団抗争物」へと変遷する、このちゃんの一連の「柳生武芸帳」の紹介があるが、データが古いので、ビデオが未発売になっている。
星にスイングすれば
高平哲郎
晶文社
88・02
いろいろな俳優さんインタビューの中に松方弘樹さんあり(「ムービーマガジン第21号」から)。
別記あり。(thanks 中村半次郎さま)
東映大入り時代劇100選
岸田 一則
学研
03・10
巻頭は懐かしの時代劇ポスターがズラリ。50年頃から70年頃まで、よく近所に貼ってあったのばかり。初めの頃は書き絵ポスターが多かったんですね。
でこのちゃんは、「十兵衛」シリーズがしっかりありました。
本文は惹句によると、”錦之助、千恵蔵、右太衛門、嵐寛、橋蔵、千代之介、柳太郎、ひばりまで”−と書いていて、うぅぅ、このちゃんが無いぞ!!と思いながらめくってますと、ありました!やや後ろでしたが、十兵衛のアップとプロフィールが。そのさらに後に松方弘樹さんが。目黒さんは残念ながら・・・・著者は、東映の元宣伝マンなのでさすが詳しい。
(掲示板・ま〜さまより)

「今でも近衛のファンは多い」と書いてありました!この一言が嬉しくて買った本です。以前は、この手の本では、このちゃんの名前が載っていたらいい方で...、いつも腹立たしい気持ちになったもんでした。ところがこの本では、時代劇でご活躍の方々と同じ扱いで、見開きで片面に大きな写真、片面に紹介文が載っているのです。その紹介文の締めくくりが、「今でも〜...」なんですよ!ここに集う私達のことじゃないですか!やった〜!(掲示板・ひろちゃんさまより
時代劇(チャンバラ)への招待
逢坂剛、川本三郎、菊地秀行、永田哲朗、縄田一男、宮本昌孝
PHPエル新書
04・01
6人のチャンバリストによる座談会「時代劇を語る」と、後半は、各筆者のご興味や専門から時代劇について執筆されている。嬉しいのは、6人全員一致で「時代劇俳優マイベスト10」に、このちゃんを上げられていること!このちゃんについては、「柳生武芸帳」ほか十兵衛シリーズが詳しく分析されている他、「座頭市血煙り街道」「十七人の忍者」、結束信二関係として「月影兵庫」「俺は用心棒」などにもちらっと。「十兵衛暗殺剣」と「血煙り街道」の写真あり。
楽天楽観 映画監督佐々木康
佐々木康
ワイズ出版
03・10
監督ご自身の自叙伝・エッセイと、役者さんや親族のインタビューからなる。当時二軍落ちと思われていたテレビで初めて手応えを感じたのが「月影兵庫」というお話がちょっと(兵庫の”第2クール完成記念”写真もあり)。その他このちゃん関係は、監督のフィルモグラフィーと、TV作品に。
歴史群像シリーズ特別編集
圧巻!無頼派時代劇
学研
04・04
項目としてこのちゃんが取り上げられているのは「柳生十兵衛」と「近衛十四郎の殺陣」だが、永田哲朗氏が執筆に加わってらっしゃるので、当然、あちこちにこのちゃんのお名前やスチール写真、ポスターが出てくる。(thanks 快傑赤頭巾さま、中村さま)
座頭市 血煙街道のスチール(画面手前こちらに向いて倒れかけている市の右逆手の仕込み杖で右胸を刺された赤塚多十郎。)十兵衛暗殺剣のスチール(船の横。幕谷大休(大友柳太朗)の左片手の小太刀を、左肩に担いだ剣で受け止める十兵衛。) ・片目の十兵衛のスチール(アイパッチ十兵衛のアップ。右逆手に左手を添えて剣を構えてます。) ・柳生旅日記 竜虎活殺剣のスチール(神社の石段。手前に倒れている男に、右逆手左手添えの刀を突き付けている眼帯なし隻眼の十兵衛。後ろに右手を懐手に左手で太刀を持った着流しの若い男。) 十兵衛暗殺剣のスチール(湖水、背景に葦原。幕屋の小太刀を胸下まで水に漬かって棒手裏剣らしきもので受け止めようとする十兵衛。) 祇園の暗殺者のポスター まだら頭巾剣を抜けば 乱れ白菊のスチール(崖で水切源信(月形龍之介)に上から襲い掛かるまだら頭巾こと疾風龍之介。) ・十兵衛暗殺剣のスチール(上記のもののロングに引いた感じの写真。幕屋の頭上に踊りかかる湖族の姿が入っている。幕屋の小太刀は右手に移っているように見える。) ・照日くもる日のスチール(加納八郎(黒川彌太郎)と対決する白雲堂こと結城一郎太。) きさらぎ無双剣のスチール(道場で竜胆月之介(右太右衛門)と他一名と対峙する蒲生鉄閑) 砂絵呪縛のスチール(路地。勝浦彦之丞(品川隆二)の太刀を右肩に担いだ剣で受け止める森尾重四郎の後姿。) 十七人の忍者のスチール(忍装束の柘植半四郎(里見浩太朗)ともみ合う才賀孫九郎。アップ。) 座頭市 血煙街道のスチール(河原。笠を被って刀を抜きかけた赤塚多十郎。背後に同じく仕込み杖を抜きかけた市。〜因みにこのページに勝新の「月影兵庫 上段霞斬り」の写真があります。) 片目の忍者のスチール(前の発言で上げたもの。草むら。逆手二刀流で右手の大刀を切っ先を上に向けて背中にまわし、小刀を忍者の首に突き付けている。周りに忍者三人。) 十兵衛暗殺剣のスチール(夜の湖上。小船の中で、水中から襲い掛かる湖族と戦う十兵衛。) 片目の十兵衛のスチール(霞の千四郎(松方弘樹)と鍔迫り合いのアップ。)(絵ネタ掲示板・K.Sさまより)
映画論叢8 
木下亮その映画人生
樹花舎
04・03
「東映職人列伝第2回 長谷川安人監督に聞く」には、副題「時代劇スタア近衛十四郎とともに」が示すように、「柳生武芸帳 片目水月の剣」や「素浪人 月影兵庫」を通して、監督がご覧になったこのちゃん像がさまざま、計20ページ!ファンなら嬉しくなることがたくさん書かれている。このちゃんがますます好きになる事請け合い!ワイズさんから発売予定の近衛本にも載る予定。
時代劇マガジン Vol.7 辰巳出版
04・04
大地丙太郎監督の「十兵衛ちゃん2」で柳生十兵衛役の声を担当された目黒さんのインタビューあり。お父様の十八番を受けるに当たって思われたこと。大地監督との対談もあり。(目黒さんはもちろんだが、監督、かっこいいっ!(thanks 快傑赤頭巾さま)

映画・テレビ完全ガイド 燃えよ!新選組
たちばな出版
03・12
「鞍馬天狗」の映画紹介があります。(掲示板 中村半次郎さまより)
今日ものんびり都電・荒川線―チンチン電車でめぐる駅前銭湯と下町の風景
武相高校鉄道研究同好会(編)
竹内書店新社
99・11
東京で唯一残った都電の早稲田から三ノ輪橋までの各停留所とその周囲の銭湯と昭和の面影を色濃く残す木造住宅をリサーチ・紹介したかなりマニアックな面白い本ですが、早稲田から10個目の停留所「新庚申塚」紹介のページで冒頭「大都映画と近衛十四郎」という見出しの見開きページが忽然と出現するではありませんか!大都映画があった旧朝日中学校はこの停留所から300m弱。位置的にこの本で紹介するに十分値するわけですが…。
「その映画の撮影所は巣鴨にあった。「大都映画」。もうその名を知る人も少なくなった…(中略)ここの看板スターは兄弟俳優・松方弘樹と目黒祐樹の父、近衛十四郎であった」と書かれ大都時代の業績を紹介、締めくくりとして「晩年に主演したTV時代劇「月影兵庫」と「花山大吉」といった人情味溢れる素浪人役は絶品で大人気を得た」さらに品川隆二扮する蜘蛛が嫌いな「焼津の半次」の紹介、月影は猫が嫌い、花山はおからが大好物、花山の途中からカラーになった事など正確に2ページに渡って紹介しています。(掲示板 三太夫さまより)
映画論叢10 樹花舎
04・12
小野登監督のインタビュー「映画づくりのイロハは白井戦太郎組で学んだ。」には、このちゃんの性格(即決しないらしい、目黒さんがこのちゃん譲りとか)や大都時代の殺陣、奥さまの水川八重子さんの内助の功のお話など。大都映画社の自由奔放な社風の思いで話としても面白い。
映画論叢11 樹花舎
05・04
10号の続きで、小野登監督のインタビュー(下)が載っています。今回は近衛さんの話は少なく近衛さんはできれば弟子もとらず、身体ひとつでやれればいいと思っていたこと、しかし、阿波地大輔さん(監督はアパッチと言っています)は近衛さんが引退するまでの最後の10年間ずっと近衛さんの付き人を続けたこと、「柳生武芸帳」のロケーション中、通りがかりの人に「近衛さん、おれ、あんたを(昔)十銭劇場で見たよ」と言われた時、十銭劇場というのはほめ言葉とはどうしても言いがたいので、近衛さんは「ありがとう」とも言えず、面白いような、困った顔をしたことなどが話題になっています。近衛さん、品川さんが写っている写真は4枚で、兵庫の最終回の時、スタッフみんなで写したもの(小野監督と品川さんが近衛さんの両隣にいます)もあります。
本屋の棚を何の気なしに見ていたら、雑誌の方から目に飛び込んできました。その時「お前、ここだぞ」とこのちゃんが教えてくれたような気がしました。(掲示板 タキシードペンギンさまより)
「映像学」(73号)
日本映像学会
04

石塚洋史氏による「東映集団時代劇と近衛十四郎」という論文が掲載されています。
テーマは、崩壊する東映スターシステムの中における、近衛の位置。論文中では『柳生武芸帳』『仝・片目の十兵衛』、『仝・片目水月の剣』、『仝・片目の忍者』、『十七人の忍者』、『忍者狩り』、『十兵衛暗殺剣』が採り上げられています。
<市販されてないので、最寄りの図書館から国会図書館へ複写依頼で!>
国会図書館の「郵送用資料複写申込書」という用紙を貰って、以下の情報を記入して、申し込んで下さい。
論題=東映集団時代劇と近衛十四郎   著者=石塚 洋史  請求記号     Z11-727  雑誌名=映像学 出版者・編者=日本映像学会 / 日本映像学会 〔編〕 巻号・年月日 =(通号 73) [2004]ページ =66〜83  (掲示板 カミコロさまより)
時代劇マガジン Vol.11 辰巳出版
05・03
「柳生十兵衛特集」に、このちゃんのポスター、スチールが多数あり!(掲示板 大地丙太郎監督より)
時代劇マガジン Vol.12 辰巳出版
05・09
弘樹と市瀬秀和さんの対談が載っています。
その中で弘樹が「例えば父親との立ち回りはテストで殺陣師が相手してくれる。父親は本テスと本番しかやらないから、僕と殺陣師が手を合わせるのをずっと座って見てるだけで・・・・・・でも見てるだけで手を覚えてる。」「そう。父親は二度ぐらい見たらもう手を覚えるわけだよ。」と、言っています。(掲示板 中村半次郎さまより)
時代劇解体新書」 メディアファクトリー
93・04
(140Pより抜粋)第二東映制作による<柳生武芸帳>全九作(61〜64)に出演。自他共に認める、戦後No.1のチャンバラ役者でありながら、大スターの陰に隠れた存在だった十四郎が、得意の立ち回りを存分に披露した連作である。その豪快な剣さばきは、立ち回りで「ウケ」に回れる相手を探すのが大変だったほど。まさに不世出の剣豪・十兵衛を演ずるのにふさわしい。中でも六四年の「十兵衛暗殺剣」では、大友柳太朗を向こうに回し、ダイナミックな決闘の殺陣を見せつけ、時代劇史に残る名篇とした。(掲示板 WMさまより)
時代劇マガジン Vol.15  辰巳出版
06・11
殺陣師土井淳之祐さんのインタビューと山内監督の「忍者狩り」についてのお話が載ってます。(掲示板 ま〜さまより)
映画秘宝 2月号 洋泉社
06・12
「十兵衛暗殺剣」についての記事と、このちゃんのプロマイド(松竹時代)が載っています。(掲示板 快傑赤頭巾さまより)
スタアの花咲く昭和時代 昭和31年〜40年編 近代映画社
06・12
松方さんと一緒のご自宅写真が載ってます。(ZUNちゃんさま
品川隆二と近衛十四郎 近衛十四郎と品川隆二
(イメージ)
ワイズ出版
07・04
このちゃんと品川さんの映画スチール、品川さんのロングインタビューと、フィルモグラフィーが主な内容。特に、「素浪人シリーズ」撮影では奥さまといるよりも長く一緒だったという、このちゃんのお話、品川さんご自身の履歴などを語られたインタビューはかなりどきっとするようなことまで。
時代劇マガジンSPECIAL Vol.16 ムック
07・06
近衛十四郎特集「松形弘樹 父、近衛十四郎を語る」、「近衛讃歌」(大地監督と近藤豊さんの対談)、「素浪人シリーズの舞台裏」(上月プロデューサーインタビュー)、「検証・二大剣豪激突!」(春日太一さま文)がある。浪人姿のこのちゃんと遊びに来た風の松方さんの写真や、舞台「江戸の紅葵」のパンフレット表紙、「十兵衛暗殺剣」、「いただき勘兵衛旅を行く」「素浪人天下大平」、「座頭市血煙り街道」の写真がついている。松方さんのリメイク版「素浪人 月影兵庫」の紹介もあり。
木久扇のチャンバラスターうんちく塾 小池書院
07・10
アラカン、阪妻、三船とともに、近衛十四郎のことも書かれている。
まあ、内容はファンであれば誰でも知っていることに終始しているが、ただ木久扇自身は、『八州遊侠伝 白鷺三味線』の秋山要助の立ち回りを観て以来の近衛ファンだそうだ。(掲示板 三四郎さまより)

この本は、チャンバラ好きの木久扇師匠が、チャンバラスター20人ほどについて、一人ひとり項を設けて紹介したもので、近衛さんはP68〜73にかけて登場しています。
まず最初のページは木久扇師匠によるイラスト(柳生武芸帳・独眼一刀流より)で、次ページからは、師匠のラジオに松方さんがゲストで来られた時の話(これ)や読売新聞に掲載された、松竹の殺陣師、川原利一さんの話を引きつつ、近衛さんの俳優としての経緯や、師匠お気に入りの近衛作品などについてを4ページに渡って紹介しています(字はかなり大きいです(^_^;)そして最後のページは、近衛さんのプロフィールとビデオ(柳生武芸帳・片目の忍者) 紹介、という構成です。
ちなみに、師匠個人の意見として、近衛さんの東映時代の最高傑作は「十兵衛暗殺剣」だと書かれていました。(メール 南まさとさまより)
月刊京都 2007年8月号 No.673 白川書院
07・08
『時代劇の舞台「素浪人 月影兵庫」』の記事あり。(掲示板 あやこさまより)
時代劇の色気 講談社
07・08
ほんの1〜2行近衛十四郎のことが書いてあります。(掲示板 鈴雪さまより)
映画秘宝 9月号(83頁) 洋泉社
07・09
「忍者狩り」のスチールと文あり。(掲示板 快傑赤頭巾さまより)
映画監督・舛田利雄〜アクション映画の巨星 舛田利雄のすべて シンコーミュージック
07・10
石原裕次郎がはじめて本格的な時代劇に挑戦した『城取り』。
作品は日活の配給。しかし、製作自体は「石原プロ」なので、東映、東宝、大映、日活からスターを集めたのだが、今井健二がやった役は、宍戸錠がやる予定だったらしい。敵役の赤座刑部にすえられたのは近衛十四郎。大スターなので、とうぜん今井健二を殺すようなわけにはいかず、見せ場を作った。
剣戟スターである近衛には、独特の殺陣のスタイルがある。なので、「まずテストを見せてください」ということになり、殺陣師が直接指導することはなかった。 そして、ひとり黙々と殺陣の練習をしていた。これが、桝田利雄監督が目にした、最初の近衛十四郎の姿だったという。
ちなみに、『城取り』で殺陣を付けたのは、あの『用心棒』『椿三十郎』の久世竜だったのだが、東宝との兼ね合いから、テロップに名前を出さなかったらしい。
城取り』の原作本は、「石原プロ」の中井景の頼みによって、司馬遼太郎が裕次郎のために書いたもの。しかも映画の製作と同時進行で、中井が司馬のもとをたずねていちいちストーリーを聞き、それを池田一朗が脚本に仕上げていったのだとか。
そして舛田監督は、殺陣師の指導も受けず、テストを見ただけでぶっつけ本番に入った近衛には、正直ビックリしたそうです。(
掲示板 三四郎さまより)
週刊「昭和タイムズ」5号 ディアゴスティーニ
07・10
テレビ欄に「柳生武芸帳」の再放送の記載あり。(掲示板 鈴雪さまより)
週刊「昭和タイムズ」8号 ディアゴスティーニ
07・11
テレビ欄に「月影兵庫」の記載あり。(掲示板 鈴雪さまより)
週刊「昭和タイムズ」18号 ディアゴスティーニ
08・02
「月影兵庫」の記事と写真あり。(掲示板 鈴雪さまより)
七人の十兵衛
松本清張、隆慶一郎、笹沢佐保他著
繩田一男編
PHP文庫
07・11
松本清張、五味康祐ら七人の作家が書いた、柳生十兵衛ものの短編小説が収められている。
その各々の作品には繩田一男の解説が付されており、五味の『秘し刀 霞崩し』では、「五味は『柳生武芸帳』で、柳生を政治的暗殺集団と捉えた。したがって、この『秘し刀〜』のいくつかの場面で十兵衛が振るうのはとうぜん暗殺剣である。そして、ここで衝立越しに背後の敵を斬る場面には、東映の『柳生武芸帳シリーズ』で十兵衛を演じた近衛十四郎のそれとイメージが重なってしまった。これは、近衛が五味の描く柳生十兵衛を、完璧に自分のものとして演じ切っていた証左であろう(一部省略)。」ということを書いている。(
掲示板 三四郎さまより)
寄席放浪記
色川武大著
河出書房新社
07・02

「時代劇の役者たち」という一章では、このちゃんを含む大都映画の役者評、ミステリー小説家菊村到の対談(「江戸遊民伝」評、大都映画の面白い映画の作り方などが書かれている。
詳しいお話はプロフィール「思い出ばなし3 「寄席放浪記」」へ。(掲示板 三四郎さまより)
「平凡・週間平凡 スタアの40年」  マガジンハウス編集部
’88・06
近衛一家の腕相撲大会の写真あり。(詳細へ(掲示板 三太夫さまより)
「20世紀アイドルスター大全集」Part-1 近代映画社
’99・11
近衛父子の散歩風景の写真あり。(詳細へ(掲示板 三太夫さまより)
「週刊現代」2月2日号 講談社
’08
’60年代の近衛一家の写真(いつもの)あり。(掲示板 中村半次郎さまより)
「読売ウィークリー4月27日号」4月27日号
 
 
読売新聞社
’08・04
目黒さんのお話と近衛家の写真あり。 (掲示板 こみやんさまより)
極楽生活 壱の号
(白夜ムック295)
白夜書房
’07・12
特集が「チャンバラ大好き」で、その中の「斬られ斬られて50年」というタイトルのコーナーで、チャンバラトリオの山根さんによる、ご自身の経歴や、斬られ役としての美学などに加えて、スターさん達の殺陣の印象が
語られています。
で、意外だったのですが、その中の、「斬られ役泣かせのチャンバラ・スター」という小見出しで、大河内傳次郎さん、大友柳太朗さんと共に、近衛さんの名前が挙がっているのです。(ちょっとショック・・)以下、近衛さんについての記述を抜き書きします。
でも一番からみにくかったのが近衛先生でした。近衛先生は一騎打ちの闘いぶりが抜群でしたけど、我流が強すぎて僕らと呼吸が合いにくい。ご自身の勢いでもって刀を振り回すので、どこに来るのかわからない。
だから斬られる方はうまくかわさないといけない。ところが映画になってみると迫力ではナンバーワンなんです。そこが映画の面白いところですね。ということです。
他にも山根さんによる、剣で選んだベスト10という表があり、技の勘、上手な立ち回り、という項目で、近衛さんは9位で、大友さんよりも下です(^_^;ちなみに、1位から順に、右太衛門さん、錦之助さん、富三郎さん、橋蔵さん千恵蔵さん、千代之助さん、大友さん、近衛さん、大河内傳次郎さん、高田浩吉さん、です。で、逆に、撮ったフィルムになった結果、迫力ある殺陣になる方、では近衛さんが1位です。順に、近衛さん、大友さん、錦之助さん、大河内傳次郎さん、千恵蔵さん右太衛門さん、富三郎さん、橋蔵さん、千代之助さん、高田浩吉さん、でした。
使われている写真は、柳生武芸帳・夜ざくら秘剣のビデオパッケージです。
このムック本、他にも、木久扇師匠のインタビュー(その2の本を紹介)、加えて、近衛さんの立ち回りが早くて見事だったという記述あり)や「時代劇うっかりキャラ図鑑」なんていうコーナーもあって、そこでは焼津の半次もイラストと共に紹介されていたりして楽しいです。でも、2500円と、値段は高いです(^_^;(メール 南まさとさまより)
時代劇マガジンVol.18 辰巳出版
’08・05
「素浪人シリーズ」で記録を担当されていた、野崎八重子さんのインタビューにこのちゃんネタあり。(掲示板 春日太一さまより)
オールアフレコで、撮影現場ではお二人の付き人さんも野崎さんもお二人のしゃべるせりふをメモしていたが、いざアフレコの日には、正確ところが誰にもわからず、あんな風に口と音があわないものとなった。(中村半次郎さまより)
東映キネマ旬報 2008年夏号
’08夏 縄田一男氏の「鳴門秘帖」(今月発売)につての写真と記事あり。
0120−1081−46にて無料で申し込めます。(ただし、当号があるかどうかは・・・)
素浪人月影兵庫 徳間文庫
08・04
南條範夫氏著からのオムニバス。
巻末に縄田氏の解説で、このちゃんに触れられている。(掲示板 三四郎さまより)
マキノ雅弘 映画という祭り
山根貞男著
新潮選書
08・10
「ヒーローの見せ方」に『浪人街』がかなり詳しい(掲示板 三四郎さまより)
一場の夢−二人の「ひばり」と三代目の昭和−
西木正明著
集英社
05・12
二代目美空ひばりと、埋もれた初代美空ひばり(山本富久子)、山口組三代目の関わりの中で、山本と彼女の夫ともどもに関係の深かったこのちゃんのことが語られている。(掲示板 三四郎さまのお話より要約)
月間スカパー 12月号 ぴあ
08・
東映チャンネル関連ページに、このちゃんの写真あり。(掲示板 花鳥風月さまより)
(CS放送にあたって)
時代劇は死なず!〜京都太秦の職人たち
春日太一著 
集英社新書
08・12
素浪人シリーズの製作秘話などあり(掲示板 春日太一さまより)
東京人 2月号 都市出版(株)
09・01
「剣豪特集」にこのちゃんの写真や松方さんのインタビューあり(あやこさま)
内容についての記事が、「プロフィール 思い出ばなし3」にあります。 
幻のB級!大都映画がゆく
本庄彗一郎著 
集英社新書 大都映画時代のこのちゃんの記述もあり!(掲示板 三四郎さまより)
「時代の狼火」「大空の遺書」の写真も。
星を喰った男ー名脇役・潮健児が語る昭和映画史 早川書房
96・09
松方さんがデビューしたころ、このちゃんが挨拶してまわったエピソードあり。(掲示板 中村半次郎さまより)
内容についての記事が、「プロフィール 思い出ばなし3」にあります。 
「殺陣」という文化―チャンバラ時代劇映画を探る 世界思想社
07・04
対談で、中島貞夫監督が「近衛十四郎と若山富三郎は殺陣に自信をもっている」と語っている。(掲示板 三四郎さまより)
三四郎さまのお話は「プロフィール思い出ばなし3」にあります。
時代劇マガジンVol.19 辰巳出版
’08・12
荒井岱志監督のインタビューあり。
監督はマキノ組の助監督時代に「浪人街」で近衛さんと顔を合わせていて、その時「馬に乗れるか」と聞いたマキノ監督に、近衛さんは 「上手くはないですけど乗れます」と仰ったそうです。で、乗ってみたらやっぱりとても下手で、口の悪い(笑)マキノ監督に、「何をやっても鈍やなぁ」と言 われたそうで。で、見本に監督本人が乗ったら、流石タタっと走らせたんだそうですが、止まった途端に馬から落とされてしまい、近衛さんに曰く「これはマネすんな」と(^o^)なんかその場の様子が目に浮かんで、めちゃ微笑ましいエピソードだと思いました。
このインタビュー、聞き手が春日太一さまで、近衛さん関係のエピソードにはかなりページが割かれていて(全4ページのうち1ページ弱)他にも兵庫撮影時の興味深いお話が色々載ってます。居酒屋のセットで、スタッフがうっかりと立てかけてあった近衛さんの刀を倒してしまい、近衛さんが激怒した こととか、セリフをあんまり覚えてなくて、いい加減なところで終わったりするんで、品川さんが陰で「ちゃんと覚えてくれないとやってらんないよ」と愚痴っ ていたとか(笑)、せっかくロケに来たのに、そこにあった柿の木を見て近衛さんが「帰る!!」と言ったとか・・(笑)あと、少し切ないお話も含めて、とても価値あるインタビューだと思いました。(掲示板 南まさとさまより)
「映画を見ればわかること(2)」
川本三郎著
キネマ旬報社
07・10
P99に「鳴門秘帖」のお十夜孫兵衛あり (掲示板 快傑赤頭巾さまより)
巣鴨撮影所物語
渡邉武男著
西田書店
09・01
P215〜にこのちゃんと大都映画の記述あり(掲示板 快傑赤頭巾さまより)
亜細亜映画「叫ぶ荒神山」で小崎主役を譲ってもらったいきさつから大都に移りそこでアイドル的存在になった矢先、従軍(その人柄と人気で「壮大な見送り」をうける)、結婚、実演のころのエピソードなどがある。「宮本武蔵 決戦般若坂」の写真が2枚。
記述から拾い読み:「いつもにこやかで如才がなく義理堅い人で・・・先輩の阿部九州男やその妻の木下双葉に大変愛され、基本の姿勢、刀の持ち方と殺陣の指導には手を執り足を執って指導してくれた」「『(小崎を兄、阿部を師』と思うのであった」「(巡業中)『近衛十四郎、水川八重子さんたちですね・・サインしてください・・お米なんかいくらでもあるから・・小魚や野菜の天ぷらもうんと食べていってください』と言って、この非常時に大都ファンが物心両面から助けてくれ、一同は感謝にくれたと言うのであった」近衛十四郎は体格もよく、朗らかで、義理堅く、だれにも愛される人であった」(thanks 中村半次郎さま)
近代歌舞伎年表京都編別巻 昭和18年〜昭和22年補遺・索引、第1巻
国立劇場近代歌舞伎年表編纂室
八木書店
05・03
このちゃんの実演時代の舞台の興行日、演目などが載っている。
(このちゃんの分については、「このちゃん本 戦争中の実演」参照)(thanks 三四郎さま、中村半次郎さま)
天才 勝新太郎
春日太一著
文春新書 10・01 第3章「勝プロダクションの設立 座頭市のサービス精神」に、ほんものの殺陣に飢えていた勝新さんがこのちゃんに出演を依頼した経緯と、このちゃんが2つ返事でそれを引き受け、酒断ちしてその日に備え、お二人が殺陣師をほったらかしにして殺陣の段取りを嬉々としてうち合わせたと言うエピソードが2ページにわたって、同章「雷蔵の死」では雷蔵さんの不調で『博徒一代 血祭り不動』のコンテやカットが変更を余儀なくされたこと、第4章「オレは座頭市だー『新・座頭市』 勝新太郎一家」では、東映京都テレビプロに充てられる予算が少ないために、例として、「素浪人月影兵庫」では二話同時撮影を十日で仕上げるハイペースで進められたというお話がある。(thanks 中村半次郎さま)
大宅壮一全集
大宅壮一著
蒼洋社
82・03
「戦雲下の蒙古草原」に、大都映画「地平線」のロケの様子が書かれている。(ただし、映画のタイトルや出演者の名前はなし)映画「映画のお話 地平線」に関連したお話があります。(thanks 中村半次郎さま)
「ウィークリーブック 週刊真説歴史への道
22号 柳生十兵衛 剣豪の里剣の道」
小学館
10・07・27
11ページに「柳生旅日記天地夢想剣」のポスターとスチル写真あり!(花山蔦吉さま)
みんなのテレビ時代劇 アスペクト
98・03
ペリー荻野さんによる川合伸旺さんへのインタビュー記事があって、斬られ役として初めて斬られた相手がこのちゃんで、立ち回りは「重厚で華麗な方」、初めて斬られたときは、「もう、怖くてぶるっちゃいましたよ。」「剣豪俳優・近衛十四郎大先輩と立ち合うなんて、しかも居合いでいきなり斬り付けるなんて・・・、想像してみてください。正座して、大会議をしている50人近くの家臣居並びのなか、突然立ち上がりざま近衛さんに斬りかかる・・・もう、頭に血がのぼって顔は真っ赤ですよ。座った足は石のように硬くなって動けない・・・、何がなんだかわからないうちに「エイッ、ママヨ」と斬るには斬ったーマネはしたようです。しぶしぶかかる「カット!!」の監督の声がして、まわりの剣友会の先輩たちの冷ややかな笑いの視線を背中に感じていたたまれなくなって、セットの外に飛び出してしまいましたよ。」
とのことです。
悪役・斬られ役の帝王(お代官様かな)川合さんも、こんなウブな時があったんですね
(掲示板 こーじさまより)
おこりんぼ さびしんぼ
山城新伍
廣済堂出版
08/08
内容は故若山富三郎の門弟の彼が、若富の奔放な生き様を綴ったとても楽しいものでした。その本で、ごくわずかですが興味深い一節があったので、こちらにアップしておきます。
「当時、東映京都撮影所は、どこもかしこも野球だらけだった。どのくらい映画会社で野球が盛んだったかというと、野球が上手い人を、それだけの理由で映画会社の社員にするのである。古くは亡くなった名優・曾我廼家五郎八さんや松方弘樹さんのお父さん・近衛十四郎さんも、野球が上手くてスカウトされてから、役者としての才能を見いだされた方々だった。云々…」
もちろん野球だけで東映に来たのではないでしょうが、前から知られた野球の腕が良い方に作用したのは間違いないのでしょうね。 (掲示板 トプ・ガバチョさまより)
「隔週刊東映時代劇傑作選DVDセレクション」 デアゴスティーニ このちゃん関係は以下。
「片目の十兵衛」(12号) 「勢揃い東海道」(15号) 「怪談お岩の亡霊」(38号) 「赤い影法師」(42号) 「忍者狩り」(43号) 「十兵衛暗殺剣」(52号) 「花笠道中」(60号) 「天保六花撰 地獄の花道」(58号) 「続 次郎長三国志」(59号)
(掲示板 傳ジャラス大河内さま、白鳩さま、中村半次郎さま、南まさとさまより)
「菊池寛と大映」
菊池夏樹著
白水社
11・02
菊地寛のお孫さんである菊地夏樹氏の著作です。
戦時下の映画会社の統合でスタートした大映の初代社長としての菊池寛に焦点をあてて書いておられますが、その中で菊地寛が白井戦太郎監督と会ったときの記述がありました。
数行でしたが、白井監督が近衛十四郎を深く愛しておられたと感じさせるもので、最後に
近衛十四郎のために作品を書いてほしいと頼まれたというようなことが書かれています。このとき、既に近衛さんは実演に移っておられ、監督は大映にいらしたのですね。(掲示板より レンスキーさま)
映画論叢33 国書刊行会
13/07
小笠原弘(省吾)さんの1996年のインタビューが載っていました。その中で新東宝にいらしたころなどの近衛さんの話がちょっと出ています。
(掲示板より レンスキーさま)
「あかんやつら 東映京都撮影所血風録」
春日太一著
文藝春秋
13/11
映画の本にこれほどまで没頭したのは、永田哲朗さんの『殺陣』以来ではないでしょうか。とにかく、テーマと構成がよく、それの的を射た取材が徹底されているので漫然としたところがなく、文章力と相俟って読ませるんですよ。流石はプロ!
詳しくは触れられませんが、近衛十四郎に触れた話もよく、ウン、ウンと相槌を打ちながら読みました。(掲示板より 三四郎さま)
「戦後忠臣蔵映画の全貌」
谷川健司著
集英社
13/11
銘々伝として、近衛十四郎の『元禄名槍伝・豪快一代男』と、森美樹の『忠臣蔵・暁の陣太鼓』の内容と解説がされているんですよ。
いずれも近衛が俵星玄蕃の役で主演し、または助演しているんですけれども、『元禄〜』は近衛の俵星がすべてであり、脚本構成も俵星の人物像を際立たせていると、批評はかなり好意的です。また『暁〜』も、森の堀部安兵衛は全く剣豪らしくないが、近衛の槍さばきが時代劇映画としてのクオリティーを高めていると、絶賛!

忠臣蔵映画全てのポスターも収録されています。当然、近衛が堀部安兵衛で出演した昭和二十九年の松竹のポスターもあり、二種類紹介されているんですが、ひとつには近衛の名前が載っていないんですね。
昭和二十九年といえば、近衛が正式に映画俳優として再スタートを切ってから間もなくで、端役に近いところでの出演から脱却し、ふたたびクローズアップされはじめた頃。ひょっとして、すべてのキャストがまだ決定していなかった。だから、ひとつには近衛の名が載っていなかったのかも知れませんが、もう少し後であれば最初の段階で近衛には重要な役が割り当てられたのは間違いなく、いずれにしても、ある意味で浮き沈みの激しかった近衛の役者人生を目の当たりにしたようなポスターでした。(掲示板より 三四郎さま)
実録 テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル 1953〜1998
能村庸一
筑摩書房
14/1
同題名の東京新聞出版局版に加筆されたものが出版された。(掲示板 ひろちゃんさまよりの情報)
日本映画美男俳優 戦前篇
石割平著
ワイズ出版
14/1
スチール写真集とデータ篇の構成ですが、勿論掲載されています。初々しいカワイイ一枚が。最近話題になっていた大乗寺さんや阿部さん他、大都で活躍された美男俳優の皆様も、戸上さんも大河内さんもいらっしゃいました。プロフィールも戦前中心でフーンと思うようなことも。(掲示板より レンスキーさま)
アクション映画バカ一代
谷垣健治著
洋泉社
13/2
著者はジャッキーチェンに憧れ単身香港へ行き、苦労に苦労を重ねスタントマンからアクション監督に登りつめた人です。最近では「るろうに剣心」や「カムイ外伝」の殺陣を担当してますが、本人は殺陣師ではなくアクション監督と呼称してます。
剣心の時はあの気むずかしい京都のスタッフが、「にいちゃん、これおもろいわ。わしらこんな時代劇みた事ないわ。」と認めたそうです。
早くて、迫力のある殺陣をという事で、鍔迫り合いを避けて刀を本当に当ててたそうです。
昔、大河内傳次郎も相手に刀を当ててたそうですが・・・
そんな谷垣さん、「速い殺陣とはなんぞや?」で、座頭市血煙り街道と座頭市千両首をみまくったそうで、自身の著書、「アクション映画バカ一代」で、
座頭市血煙り街道、近衛十四郎は松方弘樹のお父さん。勝新との対決は必見!
と書いています。やはり近衛さん、世代を超えてますねー。(掲示板より 久米仙人さま)
役者は一日にしてならず
春日太一著
小学館
15/2
(松方弘樹さんのインタビューより)
思った通り、お父上、このちゃんのことがたくさん出ていました。
こちらで既に紹介されていることばかりでしたが、
・父親から教えてもらったことはない。
・楽屋で話しかけても振り向いてさえもらえなかった。
・このちゃん「俺は演技は上手くないが、立ち回りは日本一だ」
・斬るときは、手首の力を抜け
というのが印象に残りました。
他にも、杉良太郎、夏八木勲、蟹江敬三、平幹二朗、千葉真一、伊吹吾郎、田村亮などの時代劇でおなじみの方々のお話が載っていて興味深かったです。(掲示板より こーじさま)
映画論叢43 国書刊行会
16・11
(永田哲郎氏の)論文のタイトル「対決とは本来なにか」で、座頭市の話に及びます。
十四郎さまが「血煙り街道」に出演するきっかけですが。
以下、書き写してきました。
勝(新さん)に(永田氏が)インタビューした時、「もう(「座頭市」の)相手がいないんだよな。誰か斬られてくれる人いないかな」というから「近衛十四郎」の名を出したら、「だって、いまテレビの『月影兵庫』の人気者だからダメだろう」「いやいや、近衛さんは勝さんのことを凄く買っているし、腕には自信あるから大丈夫、相手役になりますよ」といったのだったが、ひと月ぐらいたって「おかげさまで出演OKとれました」と連絡が入った。
このあとは永田氏著「殺陣」か永田氏の新聞記事に書かれていたのか記憶がはっきりしないのですが、十四郎さまに「若手で誰が立ち回りが一番上手いか」と質問したら、勝新さんの名前をあげたという話が書かれています。
論文の他の内容は、加藤泰監督の「宮本武蔵」、大河内伝次郎vs月形竜之介、海江田、黒川vs”天狗”、そして市川右太衛門唯一の名勝負で「きさらぎ無双剣」「髑髏銭」についてです。
「きさらぎ無双剣」は勿論十四郎さまの名が出てきます。
(掲示板より 中村半次郎さま)
時代劇役者昔ばなし
能村庸一著
筑摩書房
16・02
近衛十四郎の時代劇俳優としての足跡が纏められています。(掲示板より 三四郎さま)
(補足:内容的には明らかな間違いありとか・・)
「無冠の男 松方弘樹伝」 
松方弘樹・伊藤彰彦共著
講談社
17・02
1月に亡くなられた松方さんの、松方さんご自身、周囲の方々のインタビューを混じえた伝記。このちゃんのお話は主に第一章に出て来る(たとえば、赤羽のお宅のお話〜これについては、プロフィール「思い出ばなし2 大都時代の近衛邸と撮影所」にもあり〜とか、このちゃんが戦争から復員してきたとき(松方さん1歳〜4歳のとき)父親と分かるはずもなく、「いきなり知らないおじさんが家に来て・・」長髪のチリチリ頭のこのちゃんが「ターザンみたいな人だな」と思ったとか)が、もちろん、松方さんのお父様だから、あちこちで思い出話(このちゃんがことごとく事業に失敗した話とか、このちゃんが亡くなったあと、松方さんの周りからすーっと人が去っていった話とか)も。近衛家は二代にわたって”無冠の男”なのかも。でも地面にしっかり足をつけて歩いてこられた”無冠”だ!
リアルの追求 映画監督小澤啓一
小澤啓一著・,千葉慶編
ワイズ出版
19・09
先日「リアルの追求 映画監督小澤啓一」(ワイズ出版)なる本を購読しておりましたところ、石原プロ制作「城取り」でのこのちゃんに関する記述がありましたので、ご紹介いたします。(監督は舛田利雄氏ですが、著者の小澤氏はチーフ助監督を務められておりました)
「……石原プロの制作だから混成部隊で、(中略)東映からは近衛十四郎さんが出演されていたんだよね。撮影所文化の違いだなあと感じたのは、近衛さんは常にお付きの人が五〜六人いて、床几に座ったままの近衛さんに付き人が脚絆や甲冑をつけていくんだ。東映ではそれが当たり前だったんだろうけど、初めて見てびっくりした。裕ちゃん(注・石原裕次郎)なんかは最初はやり方がわからないから、東宝の美術(衣装)の人に着せてもらっていたけど、草鞋なんかはすぐにやり方を覚えて自分でつけていたし、そっちの方が普通だというのが僕らの感覚だった。……」
この小澤氏は、「城取り」から37年後にVシネマ「修羅のみち」シリーズで、哀川翔演ずる主人公の敵役に松方弘樹を迎えて監督を務めることになるのでした。(掲示板より とーしろ−さま)
絶版(あるいはそれに近い状態)だが、古本屋さんにはあるかも
懐かしの大都映画 もう一つの映画史 写真集 ノーベル書房
92・05
水島道太郎さん、雲井三郎さん、東龍子さんなど、元大都俳優と、大都映画ファンのエッセー、大都俳優の写真と紹介、大都映画社の変遷、撮影風景写真、作品一覧。
このちゃん関係は、紹介写真(「疾風蜥蜴鞘」)、軍服姿の写真、数人の方のエッセー、「帰ってきた銀平」のロケバス内の写真(刀を肩にかけている)、「伊達姿元禄頭巾」セットスナップ(前列真ん中で片目をのり付けした役の格好で)、映画のスチール(「国柱日蓮大聖人」「子守唄赤城嵐」「浪人斬風剣」「疾風蜥蜴鞘」「真田十勇士」「剣侠不知火」「京洛遊侠伝」「忍術千一夜」「薩南大評定」「怪傑紅蜥蜴」「忍術水滸伝」「天保水滸伝」「建設一代男」「黄金蟻地獄」「大空の遺書」「決戦般若坂」)がある。
このサイトに、このちゃんの写真・資料をたくさんいただいた、稲田博さまも参加されてます。(エッセー、作品一覧)
改訂版のようなものが、2002年末〜2003年春、ワイズ出版さんから発売予定。
生きているヒーローたち東映TV30年 講談社ヒットブックス
89・12
このちゃん主演のテレビ版「柳生武芸帳」の写真と解説あり。
「一話完結で、そのヤマ場を十兵衛と敵方との対決シーンとし、斬新なカメラアングルはもとより脚本も視聴者をグイグイ惹きつけるように実によく計算されている。
さらに、時代劇に間々ありがちな悠長なテンポでの描写を極力排し、1カット1カットを速いテンポでまとめ、現代人の呼吸に合うような演出が心掛けられた。」
「月影」「花山」の写真と解説、「天下」の解説もあり。 (掲示板 岡野さまより)
松方弘樹の泣いた笑ったメチャクチャ愛した
松方弘樹著
日之出出版
89・06
目次から推察して、映画関係と釣りのお話のようで、第3章が、「趣味の師匠・父・近衛十四郎」になっている。
その中のエピソード:ダムに落ちた十四郎様にロープを投げ、必死の綱引きの結果、十四郎様を引き上げたとき、十四郎様は「こういうこともあるから、注意が第一なんだ」と、煙草を吸いながら、いささか照れくさそうに弘樹に注意した。(掲示板 中村半次郎さまより)
別冊太陽
時代小説のヒーロー100
平凡社出版
93・10
「片目の忍者」の珍しい縦長のポスターと「十兵衛暗殺剣」のスチール、「砂絵呪縛」森尾重四郎、「素浪人月影兵庫」のスチール写真が載っています。 (掲示板 岡野さまより)
映画秘宝 男泣きTVランド
洋泉社
96・07
「月影」「花山」についてそれぞれ書かれたコラムあり。それ以上に興味深いのが、「月影兵庫」のソノシートと「風来坊笠」のレコードジャケットの写真が載っていること!ソノシートジャケットには、兵庫と半次の絵が描かれており、「大迫力時代劇 危険な道連れ」のタイトルがある。「風来坊笠」のジャケットには焼津の半次が微笑んでいる。B面は北島三郎さんの「浪人まかり通る」で、端っこに小さく、写真が載っている。天下のサブちゃんがB面! (掲示板 岡野さまより)
栄光の三流映画ー子供五銭の活動
御園京平編著
不明 近衛十四郎の大都映画について。自費出版本で希少本につき、非常に手に入りにくい。 (掲示板 快傑赤頭巾さまより)
別冊宝島
「この時代小説を読まずに死ねるか!」
宝島社
96・12
「剣豪乱れ雲」と「素浪人月影兵庫 赤い渦が捲いていた」のスチール写真と永田哲朗氏による解説あり。それによると十兵衛の眼帯を柳生鍔で覆うようにアドバイスしたのは原作者の五味康祐氏だそうです。(掲示板 岡野さまより)
テレビドラマ全史 東京ニュース通信社
94・
昭和40年のページに素顔の写真が載っています。「「柳生武芸帳」のヒットで火がついた剣豪ブーム。「素浪人月影兵庫」で時代劇のファン層をさらに広げたのがこの人。剣豪スターの持ち味が存分に生かされていた。」と解説あり。
月影兵庫のスチール写真と解説。「正統派剣豪スター近衛十四郎が、素性は知れないが剣をとればやたら強い浪人・月影兵庫を演じて時代劇ファン層を広げた。品川隆二扮するユーモラスでおっちょこちょいの渡世人・焼津の半次とのコンビもひょうひょうとした味を出して好評だった。」
特集企画の時代劇コーナーに品川隆二さんの写真と解説あり。「もともと映画中心に活躍していたが、テレビの「素浪人月影兵庫」「素浪人花山大吉」で近衛十四郎の相手役を好演して人気を得た。素早い動きとコミカルな表情、とても上手い役者さんだった。」(掲示板 岡野さまより)
別冊宝島
ブシドウブレード弐完全制覇読本
宝島社
98・05
はっきりとは覚えていませんが、月影兵庫のスチール写真と解説が載っていました。この本は「ブシドーブレード弐」というプレイステーション用ゲームソフトの解説本なのですが、主眼がゲームの攻略法ではなく、チャンバラ全体に置かれていまして、流儀や武器の解説と歴史、永田哲朗氏による時代小説の紹介、チャンバリストクラブの入会法、主な映画、テレビ時代劇それぞれの説明と殺陣についてのコラムが書いてあり、テレビ時代劇では他に「隠密剣士」「仮面の忍者赤影」「木枯らし紋次郎」なども載っていました。(掲示板 岡野さまより)
モーレツ野郎 IN AMERICA 
目黒祐樹
日芸出版
69・07
日記を中心に留学体験が書かれています。
この本には「オヤジの弁」として十四郎様が、「兄として一言」として弘樹が文を書いています。
別記あり(掲示板 中村半次郎さまより)
松方弘樹いいたい放談 きつい一発
松方弘樹
八曜社
75・12
雑誌「週間ポスト」で連載していた「対談」がほとんどです。(掲示板 中村半次郎さまより)
別記あり

さまざまな旅
逢坂剛
講談社文庫
97・11
テレビ時代劇考というエッセイがあり、近衛さんのことと品川さんのことがしっかり評価されて書かれています。どうやら逢坂さんはリチャード・ウィドマークと近衛十四郎をごひいきにされているようです。どちらも主役でも悪役でも魅力を発揮するという共通点があると思います。「ゴーストタウンの決闘」を以前テレビで見たとき、迫力がまるで違うのでどうしてロバート・テイラーにリチャード・ウィドマークが最後に負けてしまうのか腑に落ちませんでした(その時の解説者、南俊子さんもそのようにおっしゃってました)。
さて、このエッセイの中から1つだけ引用させてください。近衛さんについての言及です。「わたしの見るところチャンバラの迫力という意味では、この人の右に出るものはないと断言してよい。」分かっている人には分かっているのですね!(掲示板・タキシードペンギンさまより)
「宇宙船」別冊「懐かしのソノシート世界」
朝日ソノラマ社
96・11
朝日ソノラマが過去、発売したほとんどのソノシートをオールカラーで紹介したカタログ本です。
その中に燦然と輝いて「素浪人月影兵庫・危険な道づれ」が掲載されています。
脚本/森田新 音楽/阿部皓哉 効果/篠原利夫。ジャケット画は表面/柳柊二、裏面/堀江卓。
出演は旦那と半の次は勿論、その他の声は三郎/太田淑子(ジャングル大帝のレオやリボンの騎士のサファイアですね)、お菊/山口奈々、忍者/富田耕吉・北川邦彦となっています。
ドラマは…「呑気な旅を続ける二人のもとへ、向こうから一人の少年がやって来て謎の木箱を押し付けた…」と前置きを紹介しています。「あづかった木箱の中味は恐ろしい火薬玉と調合書だった」それを奪いに来た忍者と争奪戦が展開といったストーリーの様です。(掲示板・三太夫さまより)
「甦る名優たち 戦後時代劇史ー東映」 櫂書房
78・4
東映の各俳優さんの略歴と、スチールが載っています。
このちゃん関係は、「獄門坂の決斗」「柳生武芸帳」「地と砂の決斗」「豪快千両槍」「地雷火組」「赤い影法師」「祇園の暗殺者」「無法者の虎」「続 次郎長三国志」「十七人の忍者」のスチールとたくさん!
品川さんももち、「柳生武芸帳」などのスチールがでてます。(メール・ZUNちゃんさまより)
品川隆二さんのロングインタビュー 08・02 「映画監督佐々木康生誕100年祭」の会場(新文芸坐)のみの販売(’08年2月2〜8日)
このちゃんのこと、月影兵庫のはなしもあり。
(掲示板 佐々木順一郎さまより)
活劇の行方
山根貞男
草思社 84・10 「東映集団時代劇 苦悶する時代劇映画の闘い」という一章があり、そのうちの半分ほどが近衛の出演作についての記述に充てられています。採り上げられている近衛出演作は『柳生武芸帳 片目水月の剣』『仝 剣豪乱れ雲』『仝 片目の忍者』『十兵衛暗殺剣』『十七人の忍者』『忍者狩り』。
『十兵衛暗殺剣』の件の場面については、「十兵衛はうろたえ、素手をかざして、断末魔のごとき叫びとともに、あとずさってゆく。だが、そのおびえの姿はめくらましであって、うしろへさがった十兵衛は、さきに突き立てておいた剣をとり、大休を圧倒する。」
と書かれており、山根氏は「策略説」を採っています。(掲示板で最後の代休との対決シーンで十兵衛が本当に怖がったのかわざとだったのか、と話題になってことで カミコロさまより)
キネマ旬報増刊
テレビ時代劇傑作選
キネマ旬報社
68・5
時代劇のシナリオ集で61話「だました奴が泣いていた」72話「君子が墓穴を掘っていた」が入っている。
兵庫と半次の会話って、結構アドリブもあるのかと思ってたけど、シナリオの段階ですでにあのノリ、あの口調で書き込まれてたんですね〜(←むろん現場でちょっと変えたりというのはあったかも知れませんが)
以前に品川さんがご本の中で、シナリオの量がハンパじゃないというような事を仰っていたと思うのですが、実際に目にしてみて、確かにこれを全部覚えるとなると大変やわ・・と実感しました。
冒頭では他時代劇に混じって兵庫と半次の立ち姿のスチール写真が1ページ、シナリオのページにも見出しとして別写真で1ページと、本文中にそれぞれの話のスチールが各2枚ずつ載っていて、そちらも楽しめます。
それと、冒頭写真の方には「ごぞんじ視聴率ナンバーワン時代劇。常にベストテンの5位を下らないから立派。モニター調査によると半分が女性ファン。近衛十四郎の、よれよれの羽織、袴スタイルがうけるゆえん。(後略)」てな文章が添えられ、シナリオ中にも囲み記事として、毎週30パーセントから40パーセント近い、驚異的な視聴率を上げているアチャラカ(←この言葉に時代を感じるっす)時代劇で、ストーリーのはこびはまるで御都合主義、と断じつつ(笑)、最初主婦層から人気が出てきたこと、ウケる理由は近衛さんと品川さんの明るい個性と、ネコとクモが弱点というギャグが母性本能をくすぐったのかも・・としながら、やはり近衛さんの正統派の見事な殺陣で、チャンバラシーンの面白さを主婦層に教えたのは大きかっただろう、と論じ、最終的に、良かれ悪しかれ、テレビのシリーズものという、現代の産物の特質を、もっとも良く現している作品の1つだろう、と結論づけるという、ある意味いかにもキネ旬らしい!?番組紹介もあります(笑)(掲示板より 南まさとさま)
実録 テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル 1953〜1998
能村庸一

筑摩書房版は入手可です)
東京新聞出版局
99・01
「素浪人 月影兵庫」の兵庫と半次の役柄設定の裏話がおもしろい。兵庫と半次の写真が一枚。巻末に、1953年〜1998年のテレビ時代劇放送記録と、た〜くさんの参考文献がある(でも、絶版もある)。(以上 じゅうよっつ)
(PART II 昭和四十年〜昭和四十九年 テレビ時代劇の黄金時代)
「 (前略・・当時を象徴する大スターの出ない集団時代劇ではあるが・・)企画は意欲的で、劇場映画では不可能な、シリーズで放送できるテレビならではの人間味たっぷりの内容だった。 いずれも東映京都テレビプロの制作で、NETは上月信二がプロデュースしている。その一つ「素浪人 月影兵庫」(南條範夫原作・脚本森田新ほか)は、素性不明ながら剣をとれば無敵だが猫に弱い浪人月影兵庫とオッチョコチョイの渡世人焼津の半次の道中記。同じ旅ものでも「三匹の侍」よりユーモア度アップの大らかな痛快篇である。(中略)実は原作では松平伊豆守の命を帯びた侍が京都へ行く道中記。上月は「近衛のおっさんと女中のデレデレは面白くない」として、原作の腰元を旅人(たびにん)に置き換えて、「忍びの者」が終わって失業中? の品川隆二を起用。当時ビキニ・マグロで騒がれた焼津の町に名を借りて焼津の半次とした。(中略・・テレビ朝日史上に輝く最高視聴率番組となるが、原作から乖離するばかりで、その後原作を返上し、「素浪人花山大吉」に・・・)ところで月影兵庫・花山大吉を演じた近衛十四郎は戦前から剣豪スターとして活躍した人。「柳生武芸帳」などで知られている。松方弘樹・目黒祐樹の父だ。長い刀を豪快にスピーディに捌く近衛十四郎の殺陣の素晴らしさは万人が認める所で、名コンビの品川隆二も「迫力・スピード・テクニックどれをとっても超一流」と絶賛する。近衛十四郎も品川隆二も「第二東映」で夢破れた映画スターであったが、その結果東映テレビ時代劇映画の草分けとして、確実に一つの歴史的足跡を残した人達といえよう。」
以上が昭和40年のページでの「兵庫」に関する記述ですが、残念ながら昭和48年のページでは天下太平もいただき勘兵衛も書かれていませんでした。でも、昭和39年のページには品川さんの「忍びの者」の記述があり、そこではドラマの内容よりも上月・結束W信二&河野寿一の“テレビトリオ”ができた経緯が書かれていました。(掲示板より トプ・ガバチョさま)
時代映画
(昭和33年9月号 
No.40)
時代映画社
● ポスター「浮世風呂」「お江戸名物丹前風呂の湯女の生態!笑いと、お色気、涼気満点の裸女百景!」の文句と、伊吹友木子さんを抱きとめる浪人姿のこのちゃん。
● “新人すいせんシナリオ“として、「巌流島前夜(梅林貴久生)」のシナリオ
それによると、玄蕃の年齢は、44歳→51歳(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和34年2月号 
No.45)
時代映画社 ●囲み記事「新人は創らねばならない(八尋不二)」
「巌流島前夜」を時代映画から採用したのが、不振にあえぐ松竹だったため、映画化に踏み切るまでの余裕も自信もないらしい、だから今年は別のもっと景気のいい会社に・・と、なかなか映画化されないのを批判している。(それを受けて、11月号↓の座談会で、八尋氏が前置きしている)(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和34年11月号 
No.54)
時代映画社 ●表紙は「巌流島前夜」で戦う武蔵と小次郎
スチールのうち2枚が「巌流島前夜」で、うち1枚は、武蔵と談笑する玄蕃
●座談会「新人作品の魅力」<「巌流島前夜」の映画化をめぐって>
出演:大曾根辰保、梅林貴久生、北上弥太朗、近衛十四郎、森美樹 司会:八尋不二
*司会の挨拶で、映画化まで随分かかった(S33年掲載〜1年の準備)、映画化が決定してからだいぶかかって松竹に八つ当たりしたこともあったが、今となってみるとじっくりゆっくり練り上げたのだと見直しているという前置き。
*このちゃんは、「私がやりたい、やらしてくれなければ松竹をやめてしまうと、それくらい本気でやりたかったんです」
*小次郎を怖がる武蔵を評価
*玄蕃のような役は初めてですね、という問に、「そうです、何か、“人間の味わい”といったものが出てますしね。この玄蕃には。」
*「(殺陣は)「テレビ武芸帳」の解説をやっている、中島先生に来てもらって、大体正規の剣道でやったわけです。あんまり出鱈目やらないようにね。(笑)」「今まで来てもらった先生とは違って大変映画的ですよね、迫力があって」「いろんな手を憶えましてね、将来の立ち廻りにも役立つようにね」(「やるんだったら面白くとってくれんとね」という話で、「殺陣師だけでもいかんし、剣道の先生だけの意見でもいかんですしね。」
*「玄蕃は出てくる人物の中でも一番年ですね。それに一番悩みの多い男だ。最初から最後まで悩んでいる。(笑)」「シナリオを読んで、惚れ込む役なんてのは、なかなかないのですね。玄蕃にはほんとに惚れ込んでしまった(笑)」
●「巌流島前夜」のポスター(このちゃんは名前だけ)(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和32年9月号 
No.28)
時代映画社 ●ポスター「次郎長外伝 石松と追分三五郎」に、大きな次郎長役のこのちゃん
●写真「松竹京都撮影所の俳優陣」に、浩吉さん、瑳峨三智子さんの下にこのちゃんの顎に指をのせてポーズした顔写真(そのとなりは北上弥太郎さんと名和宏さん)
●記事「松竹京都のスターたち(谷村錦一)」
*松竹は人不足でスターの好敵手がいない。松竹時代劇で一座を作ってみると、“高田浩吉一座”“伴淳とアチャコの合同一座”“近衛十四郎と名和宏一座”だが、2つ目と3つ目は“浩吉一座”の演しものの1つだ。
*「スター一人ひとりを見渡すと・・・」と、高田浩吉、伴淳三郎、近衛十四郎、北上彌太郎、名和宏、戸上城太郎、小笠原省吾、森美樹、と評価している。このちゃんは、「よくカンバックしたものだ大きな欠点だったナマリもどうやら“持味”といったものになりつつある。顔といいガラといい、時代劇スターの要素は十分。これで“芸”にハバがでてくるよう勉強すべきだ。今のところではまだまだ“主演スター”というには力不足、ワキでの巧さが、主演ものではでてこない。」とあって、「まだら頭巾」の写真が載っている。
●記事「「大忠臣蔵」の話題」
*最も長いカット(259フィート2分50秒)が、このちゃん(平右エ門役)の「一力茶屋のシーンで、足軽ゆえの悲しさ。仇討ち連判に加えてもらえない平右エ門が、肉親の妹お軽が大石の大切な手紙を読んだと知って、たとえ妹でも秘密を知ったうえは己の手にかけて仇討連判に加わりたいと、お軽の前に手を合わせて命をくれと頼むところで、一力茶屋の豪華なセットをスッポリとグランド・スコープのカメラにおさめて舞台そのままの効果を生かしていた。この場面は、篇中の1つの見せ場であるだけに大曽根監督の演出も慎重でわずか3カット撮っただけで夜の12時撮影を終了した・・・」(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和30年6月号 
No.2)
時代映画社 写真なしのポスター「獄門帳」(このちゃんの名前はあるが、近衛三四郎=松方さんの名前はなし)
●映画評「妙法院勘八(本田昭義)」
映画の意図が不明、人物関係の構成がかなり古風で曖昧、独りよがりなリアリズム(このちゃん=町奴で、勘八と男の友情で結ばれるが殺される場面の不必要などぎつさを例に)、登場人物の生活や生活環境が鮮明すぎるくらい類型化(その中で、「同じ類型なら、年期の入った助演者のほうが光ってくるのも当然の結果であろう。この映画では近衛十四郎が、まだしも光っているうちに入るのだが、彼が気をつけなければならないのは、大友柳太朗がすでに経験しているところの“キャラクターの先走り”の深みにはまりこむ危険ではないかと思う。」とある)と、かなり厳しい評価。(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和30年7月号 
No.3)
時代映画社 ●映画評「風雲日月双紙」
新人監督(酒井辰雄)にしては演出技工が古めかしいし、通俗的な人間追求でテーマが曖昧になっていると、厳しい。このちゃんに関しては特に評価なし。(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和31年2月号 
No.9)
時代映画社 ●写真「始業式風景」(正月5日と6日の、各撮影所恒例の始業式の風景)
このちゃんは、「新年のあいさつをかわす人々」と題して輪の真ん中に。(背広姿で微笑む、りりしい!)(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和32年新春号 
No.20)
時代映画社 ●記事「競花時代劇俳優(きそうはなちゃんばらスター)新版いろは加留多お見立」
おなじみのいろは加留多の文句にあわせて、俳優さんのお見立て。このちゃんは“ま=まてば海路のひよりありで、「悪家老やら色敵やらの”渋い“脇役に甘んじていた好漢「まだら頭巾」シリーズで松竹チャンバラ陣の第一線へ4.しっかり頼ンまッせ!!」(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和32年4月号 
No.23)
時代映画社 ●寄稿「お正月 旅」
その年のお正月、はじめて実演のために親元を離れた山鳩くるみさんの寄稿の中に、「(実演で各地を回ってそれぞれに趣があって面白かったという話で)「久留米などは大変おとなしいのでこちらが戸惑った様な感じでした。と云うのは、京都の実演の次が久留米だったのですが、近衛先生はじめ私達がむこうへついて、いざ幕を開けようとしたのですが、衣装や小道具の荷物がいくら待っても来ないのです。」
荷物は京都で駅員さんがのせるのを忘れていて、待たされたお客さんは文句も言わず。「そこで近衛先生が舞台に出てそのわけを言って謝られ私もおかしな花嫁衣裳のような着物を着せられて一曲歌い第一回目はそれで我慢していただきました。」(資料 レンスキーさま)
これに関連して、以下のコメントを、掲示板で三四郎さまより頂いています。

近衛十四郎は昭和二十九年に松竹京都の専属となり、もう一座を組んでの巡業とはスッパリ縁を切ったとばかり思っていました。しかし、映画会社では正月から十五日までスターの巡業公演を行っていたようで、以下に、これと関係した近衛の話があります。(地方興行で「まだら頭巾参上」というタイトルで、近衛十四郎氏や山鳩はるみさんたちの一行と山陽・九州を回ったとある)
時代映画
(昭和32年10月号 
No.29)
時代映画社 ●ポスター「侍ニッポン」(名前だけ)
●スポットライト「名和宏」
「時代劇俳優の少ない松竹にあっては、近衛十四郎や北上彌太郎とともに、すでになくてはならない人となっている」の記述あり。(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和34年6月号 
No.49)
時代映画社 記事「松竹映画の可能性<主としてポリテカルな面からの考察>(滝沢一)」
戦前、東京の現代劇に従属する形だった松竹時代劇は、女性中心の現代劇に追随するように、どこか女性的なカラーが濃厚だった。スターの顔ぶれも、長谷川一夫、高田浩吉、坂東好太郎と女性的。戦後も、無茶・冒険をしない、排他的な空気は変わらず、その突破口は「「修羅桜」の自主性であっては困る。これはかりにも松竹三千本記念と銘打った大作である。それが大船スターの移入もなく、ほとんど京都だけの持駒で作られていることがまず奇怪である。これは自主的企画というより閉鎖的企画である。この1本に大船の若手スターを結集できなかったことが、かえって企画のオリジナリティの喪失を物語る・・・・「花の生涯」の成功は原作とシナリオに最高の金をかけていたからである。企画の自主性の回復は原作とシナリオに金をかけることから始まる。第二に外部から人材を求めることである。・・・第三に現在のスタッフ、スターにもっと仕事への意欲をもたせることである。・・・近衛十四郎を中途半端に使い、森美樹をつまらないメロドラマに腐らせてしまっている。」の記述あり。
●写真「江戸民遊伝」と「修羅桜」「紀の国屋文左衛門」「伝七捕物帳」があるが、このちゃんは写ってない。
●対談「新人監督の見た松竹京都の現状(的井邦雄、酒井欣也、永塩良輔)」
*「大盗小盗」について
酒井「シナリオをもらったのが1本めも2本目の時も撮影に入る1週間前でしたね、「大盗小盗」の時、シナリオをもらったら、とても厖大だったんですよ。それに人間の性格もそうですが、話そのものがわかりにくいんですよ。演出で深みをまして。話は単純な方がいいでしょう。そういう意味で本直しにかかったんですが、それに5日かかっちゃいましてね。すると準備が2日しかないんですよ。あの時は、的井さんと東京に挨拶に行ったこともあって、準備時間は少なかったですね。」
永塩「「大盗小盗」などは酒井さんにも云ったんですけど、面白いがむつかしい題材ですね」
的井「やろうと思ったら、いろんなことができるんだけどね」
永塩「いちばんむつかしい題材だったね。松竹京都の最近のものでもむつかしいもんじゃないんですか。」
的井「あの雰囲気がね、いままで松竹時代劇にないんですよ。東宝みたいに、現代劇のような、風刺的な面を持ってるんですよ。」
永塩「そう、シニカルな面があるんです」
的井「それをうちでやったって、そうはいかないものね」
永塩「松竹が取り上げたのは、そういうところに果たして興味があったかどうかという点に疑問があるし、それと、酒井さんの持った興味とのギャップ、これに困ったんじゃないかしら、一番。」
酒井「それとね、何をやっても、自分でねる期間というのが欲しいわけですよ。演出者としてシナリオを再検討する時間ですね。それで自分のイロというものを出していかんならんのですからね。撮影そのものは追い込まれてもいいから、シナリオを暖める時間はほしいですね。」
*実現しなかったこのちゃん主演作品について
永塩「(ライターと監督の興味の持ち方が違って困ることがあったか?という質問に)いろいろありましてねえ、僕は。(笑)はじめは近衛さんの(主演)時代劇でした。第一稿も出来上がって、読ましてもらったんですけど、どうにもならないんですよ、原作も古いもので、林不忘さんのものなんですが、それもつまらないんです。どうしてこんなものを取り上げたんだって、プロディーサーに聞いたんです。すると題名に営業部が惚れたったわけなんですね。「闇の白頭巾」というんですがね。それでしょうがないから、その題名からなにか作ってくれって云うんですよ。ライターをたてて書いてもらうにしても、時間はないし、さしあたってライターもいないって云うんですよ。で、僕にやれというわけなんですが、腹がたちましてねえ、興奮してたんですね。つい、じゃ、僕がやるって云ってしまったんです。・・・そしたら幸か不幸か、時代劇の本数を減らせという声が東京に出まして、その第一号になったらしくて、それはペシャったんです。」(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和35年1月号 
No.56)
時代映画社 ●記事「「第二東映」をめぐる諸問題(南部僑一郎)」
興行的に映画は下降線をたどっている中で、この年3月に発足する第二東映について。この年の正月作成のテレビ映画「源義経」でのセットの規模、俳優陣やその周囲をみるととても安い制作費では上がりそうにないものだったが、その裏には第二東映の構想があったのだろうという話のあと、第二東映の作品として、「次郎長」「風小僧 悲愴呼子鳥」・・・4月に入ると、第一週に近衛十四郎主演の「砂絵呪縛」・・・」が挙げられている。
●記事「住めば良いと都 京都よいとこ(野口鶴吉・松竹京撮所長)」
*「松竹京都は古く下加茂撮影所の頃より時代劇で歴史を飾っているものだから、社長一時代劇に力を入れることに異論はないが・・・「よさこい時雨」「月夜に消えた女」における田村高広の新感覚の軽妙な演技、また、「天地無双剣」「巌流島前夜」の近衛十四郎、森美樹の剣優としての価値など今後の時代劇に新風を送る優秀なタレントであり、今年こそスターを大いに作り京都作品のブームを引き起こしたい。」
*「(時代映画に発表された)「巌流島前夜」を映画化した松竹では、近来にない傑作だと各方面より好評を得、優秀な新人ライターが出現したこととともに、作者並びに審査員の方々に市場をかりまして深く感謝する次第である。」(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和35年2月号 
No.57)
時代映画社 ●ポスター「あらくれ大名」(名前だけ)
●記事「今年はどんな時代劇が作られるかー1960年の時代映画界展望― 時代劇と現代劇の二本立て製作 ―松竹京都―」
*「今年度の、大きな課題は、やはり若手スターの養成にある。これまでの、高田浩吉、伴淳三郎、近衛十四郎と言った人たちに続く、田村高広、森美樹、津川雅彦らの若手を、度の線まで引き上げられるか、それによって、時代劇の製作方針もきめられるわけである。」
*「「柳生旅日記 天地夢想剣」に主演した近衛十四郎は、その続篇「続柳生旅日記」を同じ荻原遼監督で撮る。第一作が剣戟ものとして好評だっただけに、その線は変わらない。
(資料 レンスキーさま)
時代映画
(昭和35年3月号 
No.58)
時代映画社 ●ポスター「柳生旅日記 竜虎活殺剣」「危うし十兵衛!殺生自在の魔剣ひた迫る!」の文句。十兵衛の横顔写真あり。
●写真「3月の時代映画」「柳生旅日記 竜虎活殺剣」で、このちゃんが森美樹さんの剣を後ろ手で受ける写真あり。 (資料 レンスキーさま)

時代映画
(昭和37年6月号 
No.85)
時代映画社 ●ポスター「祇園の暗殺者」「暗黒の幕末に、人間として生きんとし、志士失格した一人の武士の流転を近衛十四郎が綴る東映時代劇の異色作」という文句に、刀を振ったあとぐいとこちらを見るポーズのこのちゃん。(資料 レンスキーさま)
「旗本退屈男まかり通る」
市川 右太衛門著
東京新聞出版局
92・09
●古書店で市川右太衛門さんの自伝エッセイ「旗本退屈男まかり通る」というのを購入しました。新聞に連載された自伝を一冊の本にまとめたようですが、これは若々しい情熱を感じるおもしろい本でした。その中で右太プロに所属した俳優で後年活躍した人に触れておられる箇所で、阿部九州男さん達とともに近衛さんに触れ「・・・戦後は松竹から東映に移り、堂々の主役を張った。B級映画出身では珍しい例です。(後略)」と称えておられます。余談ですが菊池寛さん(注:「菊池寛と大映」の本と同時にご紹介いただいた)はこの本にも登場されています。(掲示板より レンスキーさま)
別冊 近代映画 
花笠ふたり若衆 特集号 6月下旬号
近代映画社
61・06
南部僑一郎氏の「市川右太右衛門、近衛十四郎のデビュー時代」という記事の中で、このちゃんの”非運”なデビュー(亜細亜映画、大都映画)と華やかだった右太衛門さんのデビューについての、氏の記憶によるお話。(詳細はこちらへ)(資料 中村半次郎さま)
私を斬った100人
山根 伸介著
レオ企画
82・04
山根氏の十四郎さまの立ち回りについての感想、山根氏がサントリーオールド(ダルマ)を初めて口にしたのは十四郎さまの家だった。
そしてサイトの「思い出ばなし」に三四郎さま、vendmillさまが話された「でも、やっぱり先輩の前では緊張?『基い!』」の話が載っていました。


前ページへ
 / 次ページへ /
 ホームへ