近衛年表 敬称は略させていただきました。
年齢(数え)・年月・世の中   出来事  作品など
 (出来事にも載せています)
0
1914年
(大正3年寅年)
第一次世界大戦勃発



4月10日 新潟県長岡市西新町(にしあらまちthanks元長岡在住さま)で、父多七、母ミカの長男・目黒寅一(のち寅彦)として生まれる。

 
 15  
1929年
(昭和4年)

世界恐慌 

*「’10年 米百俵まつり」松方さんのインタビューより

工業学校卒業後、長岡鉄道建設事務所に勤めるが、時代劇映画俳優にあこがれ、母や姉妹の強い反対を押し切り上京。

 
18
1932年

(昭和7年)

5・15事件、桜田門事件

*1929年と言う説もある



工業学校卒業後鉄道会社に就職。
しかし時代劇俳優になる夢捨てがたく、母や姉妹、親戚の強い反対を押し切り、
9月 
奈良あやめ池の市川右太衛門プロダクションに研究生としてはいる。当時の芸名は長岡秀樹

*中島尋常高等小学校卒業後というプロフィールもある
*上京後、工業専門学校二に入るというプロフィールもある(思い出ばなし5 「今週のスター」

 
19
1933年
(昭和8年) 
日本は国際連盟から脱退、準戦時体制へ 


日活京都に、野球の腕(映画界きっての名ショート)を買われて、引き抜かれるが端役。

 
20
1934年

(昭和9年)


白井戦太郎監督に、律儀さと将来の大成を認められ、近衛十四郎と改名

4月
 亜細亜映画で、同映画社第一回作品の『叫ぶ荒神山』が公開され、主役(吉良の仁吉)デビュー。

しかし、亜細亜映画社は、メジャー映画社に対抗できずにつぶれる。

白井監督が、第一映画社を作り、彼につづく。

映画=4本
『上州巷談 ちりめん供養』 『曲斬り街道旅』 など


6月
 『天保からくり秘帖』
に主演。 が、ここも資金難でつぶれてしまう。


21


1935年

(昭和10年)


白井監督とともに、大都映画社に移る。 たちまち看板スターに。

のち妻となる水川八重子(本名:角西ヤイ)が、友人の紹介で大都に入社。


映画=15本 
『銀平崩れ格子』 『
浪人斬風剣
』 『阿修羅八萬騎』 『疾風蜥蜴鞘』 など

22
1936年

(昭和11年)
2/26事件


1月6日
  入営準備の為午後十一時半上野発帰京。
1月10日 新潟の新発田歩兵第16連隊に入営
これらの情報は「1936Daitoeiga」より。「殺陣 ちゃんばら映画史」では、3月入隊となっている。


映画=6本 
『疾風蜥蜴鞘』 『双龍一殺剣』 『百万石 加賀の若殿』 『北時雨戀の旅笠』 など

23
1937年
(昭和12年)
日中戦争勃発


   
25
1939年
(昭和14年)
第二次世界大戦勃発


1月 除隊して大都映画に復帰、前にも増す活躍を始める。


映画=17本 
『真田十勇士 前・後篇』 『京洛遊侠傳』 『帰ってきた銀平』 『忍術千一夜』 『絵本忍術道場』 『薩南大評定 前・後篇』 『怪傑紅蜥蜴 前・後篇』 『忍術水滸傳 など

26
1940年

(昭和15年)
 
映画=14本 
『隠密三国志 前・後篇』 『天保水滸傳』 『渦巻く浮雲城 前・後篇』 『修羅八荒 前・後篇』 『隠密縁起 前・後篇』
 など

27
1941年

(昭和16年)
真珠湾攻撃により太平洋戦争勃発 


4月15日 水川八重子と結婚。


映画=11本 
『建設一代男』 『柘榴一角』 『愛憎乱麻』 『花火の舞』 『大空の遺書』『江戸の鷹』 『次郎長封印切』 など

28
1942年

(昭和17年)


1月 戦時映画会社統合で、日活、新興、大都が合併、大日本映画(大映)になる。

近衛は、夫人とともに、一座を組んで、実演を始める。

映画=1本

舞台=沢山あったはず!


2月 最後の大都映画『決戦般若坂』が公開される。



7月 長男・目黒浩樹(=松方弘樹)誕生。

29
1943年

(昭和18年)

舞台=本数不明
『宮本武蔵 一乗寺決闘』 『ふるさとの風』 『次郎長外伝 森の石松』など
30
1944年頃

(昭和19年頃)

舞台=本数不明
『宮本武蔵 二刀流開眼』 『征け北太平洋』 『信州路の忠治』など
31
1945
(昭和20年)
太平洋戦争終わる



3月 再び、招集を受ける。

朝鮮・羅南で終戦を迎えるが、捕虜になり満州・延吉に。
 

 
32
1946年

(昭和21年)


10月 赤羽に復員、実演を再開する。

舞台=沢山あったはず!
33
1947年
(昭和22年)
日本国憲法施行



8月 次男・目黒祐樹誕生。

舞台=沢山あったはず!
36
1950年

(昭和25年)
映画界にチャンバラ復興の兆し、時代劇スターが銀幕にカムバックし始める

  舞台=沢山あったはず!
37
1951年

(昭和26年)
女剣戟ブーム


映画界復帰をかけて、映画の自主制作に取り組むが、資金を持ち逃げされる。


舞台=沢山あったはず!
38 1952年
(昭和27年)


東映と連合映画の提携作品『遊侠一代』に、戦後初めての映画出演


映画=1本
39 1953年
(昭和28年)

2月 嵐寛寿郎の綜芸プロダクションで端役にちかいところから再出発。 大河内伝次郎主演の新東宝映画『名月赤城山』に出演。

映画=11本 
『鞍馬天狗と勝海舟』 『近藤勇 池田屋騒動』 『戦艦大和』 『鞍馬天狗と勝海舟』 『危うし!鞍馬天狗』 『荒川の佐吉 遊侠夫婦笠』  など

10月 松竹に入社し、『花の生涯』に、初出演(1人2役)。


40 1954年
(昭和29年)

1月 『お役者変化』 が公開され、以後、高田浩吉の敵役として売り出す。


映画=12本 
『素浪人日和』 『傳七捕物帖シリーズ』 『忠臣蔵 花の巻 雪の巻』 『七変化狸御殿』
 など

41

1955年
(昭和30年)


1月 『八州遊侠傳 白鷺三味線』公開され、秋山要助役で注目される。

映画=11本 
『喧嘩奴』 『風雲日月双紙』 『八州遊侠傳 源太あばれ笠』 『大江戸出世双六』 など


6月 『獄門帳』が公開される、長男・松方弘樹が”近衛三四郎”の芸名で子役出演(別シーンで)。

同月公開の『元禄名槍伝 豪快一代男』で、復帰後初の主役を演じる。

42

1956年
(昭和31年)


4月 『流転』
が公開される、次男の目黒ユウキとともに出演(別シーンで)。



映画=13本 
『傳七捕物帖シリーズ』 『のんき侍大暴れ』 『花笠太鼓』 『京洛五人男』 『紀州の暴れん坊』 『相馬の唄祭』 など

43 1957年
(昭和32年)


1月 『まだら頭巾剣を抜けば 乱れ白菊』が公開される、次男の目黒ユウキと共演。


映画=9本 
『浪人街』 『勢揃い桃色御殿』 『侍ニッポン』 『赤城の子守唄』 など

44 1958年
(昭和33年)
 
映画=15本 
『傳七捕物帖シリーズ』 『江戸群盗伝』 『天保水滸傳』 『女ざむらい只今参上』 『太閤記』 『女侠一代』 『大盗小盗』 『忠臣蔵 暁の陣太鼓』
 など

45

1959年
(昭和34年)


3月 『江戸遊民伝』公開、キネマ旬報で高い演技評価を受ける。

映画=13本 
『朝焼け雲の決闘』 『修羅桜』 『傳七捕物帖シリーズ』 『巌流島前夜』 『晴れ姿勢揃い 剣侠五人男』 など

10月 『柳生旅日記 天地夢想剣』
が公開され、ライフワークとなる柳生十兵衛を演じる。

46 1960年
(昭和35年)


3月 『柳生旅日記 竜虎活殺剣』が公開される。

東映に移籍、すぐに第二東映の中心スターになる。
初主演作『砂絵呪縛』が公開される、品川隆二と初共演。


映画=23本
『あらくれ大名』 『浪人市場 朝焼け天狗』 『照る日くもる日 前・後篇』 『遊侠の剣客 片手無念流』  『ひばり捕物帖 折鶴駕籠』 『危うし!! 快傑黒頭巾』 『獄門坂の決斗』 『嫁探し千両勝負』 『恋しぐれ千両勝負』 『地雷火組』 『遊侠の剣客 つくば太鼓』 『水戸黄門 天下の大騒動』 など


テレビ=1本


6月 『スター千一夜』
で、テレビ初出演。


47 1961年
(昭和36年)


1月 主演の鶴田浩二をびびらせた『鳴門秘帖』が公開される。


映画=15本 
『柳生十兵衛シリーズ』 『夜霧の長脇差』 『鞍馬八天狗』 『豪快千両槍』 『怪談 お岩の亡霊』 『無法者の虎』 『幽霊島の掟』 など


テレビ=1本 
『火曜プレゼント 花吹雪三社色彩 殺陣田村(第一回俳優まつりの録画)』



3月 代表作の1つとなる『柳生武芸帳』が公開される。


同月、『創立十周年記念 赤穂浪士』で、近衛・松方親子初共演。


48 1962年
(昭和37年)
 


映画=14本 
『きさらぎ無双剣』 『祇園の暗殺者』 『勢揃い関八州』 『酔いどれ無双剣』 『柳生十兵衛シリーズ』  『稲妻峠の決斗』 『唄祭り赤城山』 『薩陀峠の対決』 など


テレビ=1本 
『スター登場 堀部安兵衛』

49 1963年
(昭和38年)
このころより、東映はヤクザ映画路線へ


3月 『中山道のつむじ風』
が公開され、親子対決が注目される。



映画=14本 
『勢揃い東海道』 『柳生十兵衛シリーズ』 『夜霧の上州路』 『弧雁一刀流』 『十七人の忍者』 『雲の剣 風の剣』 
『血と砂の決斗』  など

テレビ=1本 
『スター千一夜』

50 1964年
(昭和39年)
東京オリンピック

10月 最後の柳生十兵衛シリーズ『十兵衛暗殺剣』が公開される。

    


映画=6本 
『三匹の浪人』 『車夫遊侠伝 喧嘩辰』 『悪坊主侠客伝』 『忍者狩り』 など


舞台=2本 
『ハワイ公演』 『第三回東映カブキ』


テレビ=6本 
『剣 第三話竜尾殺法』 『戦国の剣豪』 『それからの武蔵』 『つむじ風三万両』 など

51 1965年
(昭和40年)
松竹京都撮影所閉鎖


1月 最初の主演テレビ『柳生武芸帳』が始まる。


映画=3本 
『城取り』 『主水之介三番勝負』 など


舞台=1本 
『第五回東映歌舞伎』


テレビ=8本 
『それからの武蔵』 『つむじ風三万両』
 『風雲真田城』 『水戸黄門』 『龍馬が行く』 
『佐々木小次郎』 など


7月 テレビ『柳生武芸帳』終了



10月 テレビ『素浪人 月影兵庫』第一シリーズが始まる。

52

1966年
(昭和41年)


4月 テレビ『素浪人 月影兵庫』第一シリーズ終了。



映画=2本 
『十七人の忍者 大血戦』 など


舞台=2本 
『松方弘樹ショー』 『大川橋蔵新生歌舞伎第一回公演』


テレビ=2本 
『桂小金治アフタヌーンショー』

53

1967年
(昭和42年)


1月 テレビ『素浪人 月影兵庫』第二シリーズ始まる。



映画=1本 


舞台=2本 
『第八回東映歌舞伎』 『東映劇団公演』


テレビ=4本 
『俺は用心棒』 『スター千一夜』 『野次馬が行く』 など

12月 大映映画『座頭市 血煙り街道』で、勝新太郎と迫真の殺陣シーンを繰り広げる。
54 1968年
(昭和43年)
三億円事件


9月 初孫・七重が生まれる。


映画=2本 
『馬賊やくざ』 など


テレビ=4本 
『木島則夫モーニングショー』 『げんこつとペン』 『恒例 笑って笑って大合戦』



12月 テレビ『素浪人 月影兵庫』第二シリーズ終了。

55 1969年
(昭和44年)
アポロ11号が月面着陸


1月 テレビ『素浪人 花山大吉』が、前作『月影兵庫』から間髪入れずに始まる。


映画=2本 
『博徒一代 血祭り不動』 『めくらのお市 地獄肌』


テレビ=3本 
『スター千一夜』
 など


56 1970年
(昭和45年)
万博


12月 糖尿病によるドクターストップで、『素浪人 花山大吉』終了。

    


映画=0本


テレビ=1本

57 1971年
(昭和46年)


5月 最後の映画出演作『暴力団最武装』が公開される。


映画=2本 


舞台=3本 
『松方弘樹芸能生活10周年記念公演』 『江戸の紅葵』 など


テレビ=7本 
『徳川おんな絵巻』 『柳生十兵衛』 『大岡越前第二部』 『弥次喜多隠密道中』 など


58 1972年
(昭和47年)
 


映画=0本 


舞台=2本 
『北島三郎特別公演』 『松方弘樹奮闘公演』


テレビ=3本 『ハイヌーンショー』 『忍法かげろう斬り』 『父子鷹』


59 1973年
(昭和48年)
石油危機、金大中事件、魚介汚染


4月 病後始めてのテレビシリーズもの、『素浪人 天下太平』が始まる。

同月、初の男の孫・目黒大樹が生まれる。

映画=0本 

舞台=1本 
『北島三郎特別公演』


テレビ=3本 
『スターのお宅訪問』 など


9月 テレビ『素浪人 天下太平』終了。


10月 最後の主演テレビとなる『いただき勘兵衛旅を行く』が始まる。


60 1974年
(昭和49年)


3月 テレビ『いただき勘兵衛旅を行く』終了。


映画=0本 


舞台=1本 
『秋の大型喜劇公演


テレビ=4本 
『スター千一夜』 『3時にあいましょう』 『運命峠』

61

1975年 
(昭和50年)


2月 『松方弘樹奮闘公演』の『いのちある日に・同期の桜』に出演、最後の舞台となる。



映画=0本 


舞台=1本


テレビ=3本 
『運命峠』
 『特集!ザ☆スター 逆襲!女軍団きつ〜い一発・松方弘樹』 『徳川三国志』

62 1976年
(昭和51年)
ロッキード事件


6月 松方弘樹主演の現代劇『あがり一丁!』で、最後のテレビ出演。


映画=0本


舞台=0本


テレビ=2本 
『徳川三国志』



7月 ヤイ夫人の死去後、芸能界を引退

63 1977年
(昭和52年)


5月24日 脳出血で死去。


ファンの心の中に永遠に生き続ける、数多くの仕事を残す。

 


参考文献

「殺陣 チャンバラ映画史」 永田哲朗著

「近衛十四郎へのオマージュ」 永田哲朗著
「ふるさと 長岡の人びと」
 (編集・発行 長岡市 H10年3/31発行)石川徳男(長岡郷土史研究会員)著
「近衛十四郎フィルモグラフィー」 (最上敏信さまより、当サイトのフィルモグラフィーにいただいたもの)
「このちゃん本」 (皆さまより、近衛本作成のためにいただいた情報)

「ザ・20世紀」 (同時代の出来事)
「近代歌舞伎年表京都編別巻 昭和18年〜昭和22年補遺・索引、第1巻」 国立劇場近代歌舞伎年表編纂室 (三四郎さま、中村半次郎さまより)
「ファミリーヒストリー 松方弘樹・目黒祐樹 〜芸能一家の歳月 兄に送ったエール〜」(NHK 2017年2月2日放送)
「1936Daitoeiga」(大都映画宣伝部 S12・5・3発行 国会図書館thanks 中村半次郎さま


協力

中村半次郎さま





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