プロフィールに載せた写真資料は、すべて、北海道古典映画研究会の稲田博さまが収集されたものです。 稲田さまのご好意により、使わせていただいておりますので、無断転載はご遠慮くださいませ。 |
||
大都時代1大都映画移籍から実演に移るまで。 |
大都時代2へ 3へ 4へ | |
「阿修羅八萬騎」(’35/10) (浅香新二郎) |
大都に移籍(21歳)してからは、たちまち看板スターとして、「奇人豪傑三人旅」(’35/4)「銀平くづれ格子」(’35/5)にはじまり、数多くの時代劇映画に出演し(’35年に15本)、170cmの大型青年剣士として、少年ファンを魅了する。 しかし当時の日本は、 国際連盟を脱退(’33) 準戦時体制にはいっていた。 近衛も’36年(22歳)、新潟の新発田歩兵第16連隊に入隊する。(thanks 中村半次郎さま) ’39年(25歳)除隊して、映画界に復帰した。 (この年、第二次世界大戦勃発) |
|
「子守唄赤城嵐」(’35/10) (板割浅太郎) (写真上下 近衛十四郎・飯塚小三郎 |
||
「妖雲怪奇城」(’35/11) (町の浮浪士 敬太郎) 憂国の念やみ難く、鋭い幕府の監視の目を避けて、北端國備調査に船出した一行は、途中難破して、一孤島に漂着、古城のメソジノル博士から大砲と砲弾を譲り受けんとしたが、博士の目的が日本侵略にあると知って敢然之れを倒した。 |
近衛二等兵 |
|
「疾風蜥蜴鞘」(’35/11’36/1) (蜥蜴鞘)昼は飴屋、夜は怪盗 (写真同列+下7枚) |
||
近衛十四郎・*三条輝子・水島道太郎 *三条輝子は、別資料(→のキャストからも)から、橘喜久子と思われる。 また、この写真は刀の差し側や着物の袷から、裏表反対に撮られていると判明。 (thanks中村半次郎さま) |
大都映画主演代表作 「疾風蜥蜴鞘」全3編(’35/11’36/1) (映画広告) 原作 若杉伴作 脚色 浮雁新八 監督 白井戦太郎 出演 近衛十四郎 大河百々代 桂木輝夫 橘喜久子 飯塚小三郎 特別出演 水島道太郎 大都が放った大衆興味横溢篇 トカゲザヤ千慮の一失一侠賊の自負は彼と千絵を生駒の陥穽に墜し入れ救いに走った黒淵と彼を狙うおせんは隠密石子組の重園に落ちた。一平とお幸の奇智に依って活路を見出したトカゲザヤは・・・・ 同時上映 吉村操監督 「捨児」 |
|
近衛十四郎・東龍子 「伊達姿元禄頭巾」(’35/12) (下男 石松) |
海江田譲二・近衛十四郎 「大岡政談 双龍一殺剣」(’36/1) (天一坊) |
「百万石加賀の若殿」(’36/2) (前田利章) 近衛十四郎・東龍子 |
「京洛遊侠傳」(’39/3) 原作 カリオカ・サンゴ 監督・演出 佐伯幸三 撮影 金森利之 (深山佐次郎) (写真下4枚) 近衛十四郎・大乗寺八郎 大谷傳次郎・近衛十四郎 近衛十四郎・水川八重子 |
「北時雨戀の旅笠」(’36/3) (小旦那 佐吉)(写真下2枚) 近衛十四郎・三条輝子 | |
’39年(25歳)、除隊後、大都映画に復帰し、前にもます、活躍を始める。 (’39年に17本、’40年14本、’41年11本) 従軍中、近衛に代わって大都に迎えられたのが、大乗寺八郎だった。 近衛復帰後、二人はかなりライバル熱を燃やしたらしい。 北海道古典映画研究会の方 数名から、別々に伺った同じお話 「近衛が大乗寺の鼻にかみついた」 多分酒の上での悶着だが、 新聞記事*にもなり2人は謹慎。 そのため「隠密三国誌 後篇」 の放映は遅れ、 近衛十四郎の声を別人が やっているところが大部分。 復帰当時は、大乗寺の方が給料が上だったが、’41年(27歳)には、近衛が上回る。 |
大都映画復帰後第二作目 「真田十勇士」前後篇(’39/3)(オールスター) (真田大助) (写真上下3枚) 東龍子・近衛十四郎 阿部九州男・近衛十四郎 |
|
*「大都スターの珍喧嘩 前代未聞’鼻噛み事件’ 鼻を切られた上首もチョン」 大都ファン間に、映画界でも前代未聞と言うべき鼻噛み事件が勃発した。主人公は時代劇部のスター大乗寺八郎と近衛十四郎で、二人はしばしば同一映画に競演している癖に、芸道のことでとかく意見が合わず、かねて反論しあっていたが、「隠密三国誌」後篇の鴨川ロケーションの際、この対立が爆発し大喧嘩のあげく、ついに近衛が大乗寺の鼻柱を噛み切るという不祥事をおこした。 大都では、「第一線スターがかかる倣舞をなすとは、所員の統制にもゆゆしきことである」とすぐに喧嘩両成敗の建前から三月限りで両スターを断固?首処分に付し、鼻を切られて首を切られた大乗寺は、目下某病院に入院加療中であるが、両スターとも非行を悔いて改心の情著しいので、大都でも最近にいたり、心境の変化を来し、今月いっぱいの謹慎程度で復社を許すこととなりそうである。(出所不明) |
||
参考資料(プロフィール部分) キネマ旬報 「殺陣 チャンバラ映画史」永田哲朗著 「ふるさと 長岡の人びと」(長岡市、H10・3発行thanks 中村半次郎さま) 「1936Daitoeiga」(大都映画宣伝部 S12・5・3発行 国会図書館thanks 中村半次郎さま) 前ページへ / 次ページへ / ホームへ |